ブーストアップで難なく550馬力を実現!
超高速域の安定感はGRスープラの中ではトップクラス
「ドリフト歴2年でD1地方戦を制す!?」640馬力の2JZ搭載シルビアで頂点を目指す30代ドリフター
デリバリー直後からECUの解析に乗り出し、GRスープラチューニングの可能性を追い続ける名門“フェニックスパワー”。
純正タービンを活かしたブーストアップチューンはすでに完成。現在はその先の領域を開拓している最中だが、2020年6月に行われたOPTION誌主催の最高速トライアルでは事前シミュレーションで予測していたトップスピードには至らなかった。記録は280.51キロだ。
「スカイライン400Rも同じなんでなんですが、水冷式インタークーラーのキャパシティが低いんです。吸気温度の上昇によってリタード(ECU制御による出力ダウン)が発生していたんです」とはフェニックスパワー横山代表。
横山代表は、当初、インタークーラーの空冷化を考えたがコストまで含めて現実的ではないと判断。その後、多方面から情報を収集し、GRスープラ用として米フルーダイン社が販売する水冷式インタークーラー強化用のヒートエクスチェンジャーに辿り着き、導入を決意した。
ちなみにエンジンは、エアクリーナーや燃料系などにいたるまで純正のまま。ECU-TEKを用いたオリジナルのECUセッティングによって最大ブースト圧1.45キロ時に550馬力を発生させる仕様だ。
エキゾースト環境もリメイク。海外仕様のアペックスマフラーは前回同様だが、上流部のキャタライザーをSARD製に変更してさらなる高効率化を実現している。
超高速域での挙動安定性を確保するために、車高調はアラゴスタのタイプSからさらにハードなアラゴスタのスペシャル品(F18kg/mm R30kg/mm)へとスイッチ。それに伴い、車高やアライメントもイチから見直された。
ブレーキはフロントがエンドレス6ポットキャリパー+370mmローター、リヤが純正キャリパー+355mmローターという構成。ホイールはBBSのLM(F8.5J+15 R10J+20)、タイヤはヨコハマアドバンスポーツ(F255/30-20 R274/30-20)となる。
室内は軽量化一切なしの快適仕様。シートはボディカラーに合わせてレッドのレカロSR-7をコーディネイトしている。
エクステリアは、イングス製のNスペックで統一。圧倒的な存在感とサーキットでの機能性を両立させた高機能エアロシステムだ。前後バンパーとサイドステップの他、フロントエアロフェンダーも装着。フロントスポイラー下のワンオフフラップも空力アップのポイントだ。
アタックを務めたのはOPTIONグループ総帥の“Dai”こと稲田大二郎。結果としては、前回から4.5km/hアップの288.93km/hをマークしたが「超高速域での安定感は前回とは段違いだね。GTウイングレスか、小型のウイングに変更してもう一回チャレンジしたい。4.5km/hという数値以上の進歩を感じたよ」とコメント。
パワーと空気抵抗が拮抗し、トップエンドでの加速がほとんど伸びないままでの超安定走行だったということだが、単にウイングを外したのではバランスが崩れてしまう。まだまだセッティングの煮詰めは必要だが、現在GRスープラで300km/h突破に最も近い1台と言えるだろう。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
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