スーパーGTのGT300クラスに参戦するANEST IWATA Racing with Arnageの第3ドライバーとなり、同シリーズに参戦する久々の女性ドライバーとして注目を集めていた小山美姫。第4戦富士で待望のデビューを飾ったが、彼女にとっては悔いの残るレースになったようだ。
スーパーGTにおける女性ドライバーの参戦は、前身の全日本GT選手権時代を含めても数少なく、小山はシンディ・アレマン以来11年ぶりの女性ドライバーとなった。また、スーパーGTとなって以降初めての日本人女性ドライバーだ。
■スーパーGT分析|乾きゆく路面……ピットインはいつが“正解”だった? 絶妙タイミングでタイヤ交換し勝利した11号車GAINER、その裏にドライバー/エンジニアの好プレー
チームによると、富士スピードウェイは小山にとってGT車両での経験が最も豊富なコースということもあり、レースウィークを迎える前から今回の出場が決まっていたという。100周の450kmレースとして開催された今回の第4戦はウエット→ドライ→ウエット→ドライと路面コンディションが変化する大荒れのレースとなったが、小山はウエット路面から徐々に乾いていく最終スティントを担当した。
レース終盤はドライタイヤを履いた方が圧倒的に速い状況となっていたが、既にルーティンのピットストップを終えていた50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3にとって、ドライタイヤに履き替えるためにピットインすることは、ただ順位を下げてしまうだけになってしまう可能性があったため、チームは小山にステイアウトを指示。小山は耐えるレースを強いられた。最終的に50号車は19位でのフィニッシュとなった。
今季4戦目での出場となった小山自身は「変に期待をさせられていたわけではないので、自分が乗る時に自分の力を発揮できるように備えておこうだけと思っていた」と淡々と語るが、「逆にみんなの方がもどかしそうに、期待してくださっていたのは嬉しかったですね」として、応援してくれた人たちへの感謝を次のようの述べた。
「まずはここまで来られて、多くの方に感謝の気持ちでいっぱいです」
「レース終盤に路面が乾いてきた中で、最後にピットに入っても順位を下げてしまうので、ウエットタイヤで最後までいくことになりました。耐えるレースになったのは辛かったですが、完走できたことは良かったです」
担当スティントの状況について、彼女はさらに詳しく説明した。
「出て行った瞬間は青旗がたくさん出ていて、まず抜かさせないといけないことが多かったので、なかなか自分のペースを掴めませんでした。その後はまあまあ良いペースで走れたかなと思っています」
「ただ、そこからドライに変わっちゃったことは自分としては悔しい部分です。デビュー戦ですが、プッシュしたかった。攻めたかったというのはありました」
「ドライ路面になってしまったので、ウエットタイヤでは走れる状況ではなく、耐えるのが大変でした。チームとしては少しでも順位を上でフィニッシュするためにステイしてほしい、私はドライバーとして多少順位を落としてもプッシュしたい、というところでした」
「もっと距離も走りたかったし、プッシュしたかった。応援してくださる方のためにも、元気な姿を見てほしかったです」と悔しがる小山。リベンジのチャンスはやってくるだろうか。
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