現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > GT-Rを「ゴジラ」と呼んだアメリカには「モスラ」なるクルマもいた! 謎のスーパーカーの正体とは?

ここから本文です

GT-Rを「ゴジラ」と呼んだアメリカには「モスラ」なるクルマもいた! 謎のスーパーカーの正体とは?

掲載 6
GT-Rを「ゴジラ」と呼んだアメリカには「モスラ」なるクルマもいた! 謎のスーパーカーの正体とは?

 この記事をまとめると

■モスラ・オートモーティブが製造したコンスライアーGTPは奇妙なスタイリングが特徴

閉じてりゃイケメンなのに目を開くと……えっ? リトラ点灯で顔面激変するクルマ5台

■モスラ・コンスライアーGTPはIMSA GT選手権にも参戦して活躍

■第2世代のモスラはスタイリッシュスポーツカー「MT900」へと進化している

 アメリカのモスラはちょっとヘンテコなスタイリング

 日産のGT-Rがアメリカに上陸した際、その怪物並みのパフォーマンスからゴジラと呼ばれたことはつとに有名なエピソード。ですが、そのアメリカにモスラというクルマがあったことはあまり知られていないようです。もっとも、空を飛んだり、鱗粉まいたり、もちろんグリルから糸を吐き出すわけでもありません。いくらかこじつけたストーリーですが、クルマそのものはなかなか興味深い仕上がりなのです。

 蛾の英語名「Moth(モス)」にちなんで名づけられたのがゴジラを苦戦させた怪獣、モスラですが、アメリカのイケイケマシンのメーカー、モスラはウォーレン・モスラ(Wallen Mosler)という創業者の名前にちなんだもの。そもそも、このモスラさんは債権の取引で財を成した人物で、1985年にありあまる財産からスーパーカーファクトリー「モスラ・オートモーティブ」を設立。ビジネスマンだったとはいえ、無類のクルマ好きだったらしく自らスーパーカーを設計し、エンジンを選択。少量ながらも販売することに成功しているのです。

 そんな彼が最初に作ったのがモスラ・コンスライアーGTPと名付けられたミッドシップスポーツモデル。ファクトリーをオープンした1985年には、プロトタイプから市販モデルまで完成していたといいますから、スピード感に長けているというか、気短な性格だったのかもしれません(笑)。

 そんな短期間での開発だったから、はたまたモスラさんの好みだったのか、コンスライアーGTPのスタイリングはとにかくヘンテコなもの。

 GTPのイニシャルが示すとおり、キャビンから下のプロポーションはグランドエフェクトを狙ったプロトタイプスポーツに倣うもの。ですが、ここにチョコンとのっかるキャビンの形がなんともいえずアンバランスな印象です。あたかも、GTPマシンに漁船の操縦席を載せたかのようなスタイルで、乗りやすそうではあっても、空力的なメリットは薄いだろう、てな感じ。

 それでも、最高出力175馬力を発揮するクライスラー製2.2リッター ターボ IIエンジンを皮切りに、最高出力190馬力のターボIIIまでアップグレードするなどして、今でいうエボリューションモデル的な進化も見せています。

 また、見た目のわりに998kgという軽量な車重も手伝って249km/hとなかなかの最高速度をマーク。軽さの秘密は、金属を使わず、グラスファイバーと発泡フォームで作ったシャシーと、カーボンファイバーとケブラーでボディを形成しているのが理由とのこと。このコンポジット製法は、世界初の試みだとする史家もいるようです。

 第2世代で見事に羽化したモスラ

 なお、金満家の心を知り尽くしたモスラ氏だけあって、最上級モデルGTP LXを設定。これはレカロシート、サンルーフ、エアコン、クルーズコントロールシステム、パワーロック等の装備が追加されたもの。さらに、オプションでセキュリティシステムや車載電話もカタログに載せるなど、バブル期ならではのパッケージとなったのです。

 と、これだけならばわざわざゴジラを引き合いには出しません。モスラさんは、このコンスライアーGTPでレースに参戦し、大金持ちが道楽だけで作った安易なマシンではないことをしっかり証明してみせたのです。

 アメリカでも人気の高いIMSA GT選手権にエントリーしたコンスライアーGTPは6年連続で参戦し、優勝(1993&94年)も収めるなど大活躍。優れたパワーウエイトレシオが奏功したとされていますが、1996年以降は出場停止になっていますので、車重以外にもリーサルウエポンがあり、それがレギュレーションに抵触した可能性も考えられそうです。

 さて、コンスライアーGTPはIMSAに参戦するのと同じころにマイナーチェンジが施され、モスラ・イントルーダー、ついでモスラ・ラプターへと変遷を重ねていきました。とはいえ、基本的なスタイリングはさほど変わることなく、もっぱらエンジンの強化がメインとなった模様。

 ちなみに、ラプターになると漁船の操縦席みたいだったキャビンが、V字2分割スクリーンの採用でより漁船チックになっているのはご愛敬。モスラさんとすれば、空力的なアイディアだったのかもしれませんが、後世のクルマ好きは敬意をこめつつ笑いをこらえているといったところでしょうか。

 こんなモスラのコンスライアーですが、次世代のニューモデルはマクラーレンF1もビックリなスタイリッシュスポーツ、MT900へと進化しています。

 モスラさんの手作りではなく、ドイツのシーメンス製デザインソフトを駆使したとのことですが、これぞ幼虫から成虫へとメタモルフォーゼを決めたモスラ並みの大変身(笑)。なんとか、無理やりこじつけたダジャレ感も薄らいだのではないでしょうか。

文:WEB CARTOP 石橋 寛
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

小林利徠斗がCERUMOからデビュー。トヨタGRが2026年スーパーGT GT500参戦体制を発表
小林利徠斗がCERUMOからデビュー。トヨタGRが2026年スーパーGT GT500参戦体制を発表
AUTOSPORT web
小林利徠斗がCERUMOからGT500ステップアップ! GRスープラの4連覇なるか|トヨタ2026年スーパーGT体制発表
小林利徠斗がCERUMOからGT500ステップアップ! GRスープラの4連覇なるか|トヨタ2026年スーパーGT体制発表
motorsport.com 日本版
6年ぶり全面刷新! 日産“新型”「4ドアセダン」がスゴイ! 約350万円の”全長4.6m級”「ちょうどいいモデル」! スポーティな「SR」もある米国「セントラ」とは
6年ぶり全面刷新! 日産“新型”「4ドアセダン」がスゴイ! 約350万円の”全長4.6m級”「ちょうどいいモデル」! スポーティな「SR」もある米国「セントラ」とは
くるまのニュース
「東北道からコッチ行きたい、でも有料なんだよな…」解消! 宇都宮の便利道路「さつきロード」3月に無料化
「東北道からコッチ行きたい、でも有料なんだよな…」解消! 宇都宮の便利道路「さつきロード」3月に無料化
乗りものニュース
「うわ、懐かしっ!」米国オークションで半世紀前のマツダ「カペラ」を発見 48年間ワンオーナーで走行4.5万キロ 大切に扱われた米国名「626クーペ」とは
「うわ、懐かしっ!」米国オークションで半世紀前のマツダ「カペラ」を発見 48年間ワンオーナーで走行4.5万キロ 大切に扱われた米国名「626クーペ」とは
VAGUE
可夢偉移籍など大きくシャッフル! テストでドゥーハン&ブラウニング起用のKONDOは後日アナウンスに|トヨタ2026年スーパーフォーミュラ体制発表
可夢偉移籍など大きくシャッフル! テストでドゥーハン&ブラウニング起用のKONDOは後日アナウンスに|トヨタ2026年スーパーフォーミュラ体制発表
motorsport.com 日本版
スーパーフォーミュラ、トヨタ陣営が2026年体制を発表。大シャッフルで山下&ロバンペラ組、“ダブル小林”組が誕生
スーパーフォーミュラ、トヨタ陣営が2026年体制を発表。大シャッフルで山下&ロバンペラ組、“ダブル小林”組が誕生
AUTOSPORT web
【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#25 ベタベタ病はネチャネチャ病!
【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#25 ベタベタ病はネチャネチャ病!
AUTOCAR JAPAN
<新連載>[DSPって何?]DSPを使えば、リスニングポジションを擬似的に変更可能!
<新連載>[DSPって何?]DSPを使えば、リスニングポジションを擬似的に変更可能!
レスポンス
ザガートの血を引くアルファ ロメオの異端児「SZ」が約1300万円で落札!
ザガートの血を引くアルファ ロメオの異端児「SZ」が約1300万円で落札!
Auto Messe Web
フェルスタッペン、2025年ランキング2位は”幸運”だった? 2ポイント差で5連覇を”逃した”とは考えず……「僕らは本当の意味でタイトルを争っていたわけじゃない」
フェルスタッペン、2025年ランキング2位は”幸運”だった? 2ポイント差で5連覇を”逃した”とは考えず……「僕らは本当の意味でタイトルを争っていたわけじゃない」
motorsport.com 日本版
フロントガラス真っ白を秒速で解決!! 冬の曇り&凍結に効くエアコンとデフロスターの正しい使い方
フロントガラス真っ白を秒速で解決!! 冬の曇り&凍結に効くエアコンとデフロスターの正しい使い方
ベストカーWeb
メルセデスAMG CLA 45 S「最後の限定車」が登場。クーペとシューティングブレークに「ファイナルエディション」
メルセデスAMG CLA 45 S「最後の限定車」が登場。クーペとシューティングブレークに「ファイナルエディション」
Webモーターマガジン
トヨタ次期型「ハイエース」!? ながーーい“ロングボディ”仕様! ガソリンエンジン搭載ももちろん想定の新コンセプトとは
トヨタ次期型「ハイエース」!? ながーーい“ロングボディ”仕様! ガソリンエンジン搭載ももちろん想定の新コンセプトとは
くるまのニュース
BMW、バッテリー原材料のダイレクトリサイクル施設を稼働…年間数十トン規模めざす
BMW、バッテリー原材料のダイレクトリサイクル施設を稼働…年間数十トン規模めざす
レスポンス
「コレはカッコいい」「こんなクルマあったんだ…」日本人が知らない、世界に誇る日産車。1986年から累計販売台数50万台の名車の新型が発表!
「コレはカッコいい」「こんなクルマあったんだ…」日本人が知らない、世界に誇る日産車。1986年から累計販売台数50万台の名車の新型が発表!
月刊自家用車WEB
ホンダ新型「CB1000F」で再注目!? シュッと伸びた「テールカウル」 いつ登場した?
ホンダ新型「CB1000F」で再注目!? シュッと伸びた「テールカウル」 いつ登場した?
バイクのニュース
トヨタ、米国生産車を「逆輸入」 タンドラ・ハイランダー・カムリを2026年度から
トヨタ、米国生産車を「逆輸入」 タンドラ・ハイランダー・カムリを2026年度から
日刊自動車新聞

みんなのコメント

6件
  • klb********
    ダッジ・オムニやシェルビーチャージャーやスキャンプが積んでた2.2リッターだね。グループCの様なピックアップの様な変わったデザイン。コレで250km近く出せたんなら案外空力も悪く無いのかもね
  • tom********
    スポーツトラックかと思った
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村