レトロなコンプリートカーをよりレトロにカスタム
2024年5月、埼玉県某所に中国製の「APトライク」という三輪車ばかりが集まりました。小さくてシンプルな乗り物であることを活かしてオーナーごとに個性豊かなカスタムが施されていた中から、今回は丸目1灯のヘッドライトまわりが他の車両とは違うレトロなオーラを醸し出している1台を紹介します。
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ベースとなったのはコンプリートカスタム車両
オーナーの吉野さんが今から3年前に入手した「APトライク」は、販売店のジャパンドラッグで外装のカスタムが施されたコンプリートモデル「APミゼット号」だ。丸目1灯のヘッドライトやレトロなデザインのフロントフェンダー、丸いクロームミラーなど、全体にレトロな雰囲気になっているのが特徴。
ボディカラーは当時のミゼットをオマージュして吉野さんがチョイスしたというブルーグレーとクリームのツートーン。ミゼット号のレトロな雰囲気との相性も良いボディカラーだ。
吉野さんはこのミゼット号をさらにレトロな雰囲気にすべく各部のカスタムを楽しんでいる。前後のホイールにはレトロなカバーが装着され、リアのキャリアは外され、細いパイプ状のバンパーのみになっているなど、吉野さんが施した細かいカスタムもレトロスタイルに大きく貢献しているようだ。
レトロな方向指示器の正体は昔懐かし「アポロ」
気になるのがAピラーの中央に装着されている不思議な物体だ。じつはこれ、ウインカーがない時代に装着されていた「腕木式方向指示器」と呼ばれる方向指示器の一種。日本では商品名の「アポロ」という名称で呼ばれることが多い。スイッチを入れると、オレンジのボディがケースから飛び出し発光することで、曲がる方向を示すという仕組み。もちろん純正のウインカーが備わっているため、スイッチはウインカーとは別にハンドルの下に備わっている。
ハンドルバーやスイッチ類はバイク用のパーツを上手に流用。センターのステアリングダンパー用のダイヤルノブもダミーながら装着。またメーターパネルもアルミ板で作成するなど、よりレトロな雰囲気にカスタムしている。
シート形状の変更でよりバイクらしい乗り味に
そしてもうひとつこのクルマの大きな特徴が運転席のシート形状だ。通常はシートバックが備わるが、この車両は座面のみのシートに変更したうえで、フロントに追加のシートパッドを装着。これによってよりバイクライクなライディングポジションとなっているだけでなく、リアシートへのアクセス性も向上しているのだ。
ちなみにルーフの中央にはポップアップルーフが備わるが、これはマリンハッチを流用したもの。このサイズを探すのに苦労したそうだが、見た目だけでなく、フレッシュエアの取り込みにも貢献しているそうだ。
他にはない独自のカスタムを楽しんでいる吉野さん。セオリーに縛られず、自由な発想がこのようなスタイルを生み出したのだ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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何回も見せるな。