2023年F1で22戦中21勝を挙げ、年間最多勝や勝率など数々の記録を塗り替えたレッドブル。F1史上最強マシンともいえるRB19と、同じようにライバルたちを圧倒してきた伝説的なF1マシンのなかから、F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが、勝率に基づいてトップ10台をピックアップする(全3回)。
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F1史上最強マシン トップ10(1)10~7位:強さを誇ったシューマッハー時代のフェラーリ
■第5位 メルセデスW05(2014年)
優勝:19戦16勝
勝率:84.2%
ポールポジション:19戦中18回
コンストラクターズタイトルを獲得したレース:19戦中16戦目
W05はF1エンジンが自然吸気V8からV6ターボ ハイブリッドに置き換えられ、新時代が始まった時に登場した。このルール変更もあって、メルセデスはレッドブルの連覇を4で止めることができたのだった。
タイトル獲得に大きく貢献したのは、アンディ・コーウェルの指揮の下で開発された、ハイパワーかつ高い信頼性を誇るPU106パワーユニットだった。開幕から7戦連続でポールポジションを獲得し、6連勝。そのうち5勝が1-2フィニッシュという圧勝ぶりだった。この年のルイス・ハミルトンは、ファン・マヌエル・ファンジオに次いでメルセデスでF1タイトルを獲得した2人目のドライバーとなった。
■第5位 メルセデスW06(2015年)
優勝:19戦16勝
勝率:84.2%
ポールポジション:19戦中18回
コンストラクターズタイトルを獲得したレース:19戦中15戦目
W05の直系の子孫といえるW06は、開幕から12戦連続してポールポジションを獲得。レースでもその間に10勝を挙げる強さを見せた。最終的な勝利数は、前年同じ19戦16勝。しかし内容的には、シーズン中の最大ポイント獲得率 (86%)、年間表彰台獲得率 (84%)、1-2フィニッシュ最多獲得数(12回)、予選グリッド最前列獲得数(15回)など、いくつかの記録を更新した。
■第4位 アルファロメオ158(1950年)
優勝:7戦6勝
勝率:85.7%
ポールポジション:7戦中6回
F1世界選手権最初のシーズンだった1950年、アルファロメオ158はジュゼッペ・ファリーナとファン・マヌエル・ファンジオが主にステアリングを握り、年間を通じてチームを引っ張った。1950年シーズンは、アルファロメオ1強状態。他メーカーの予算は、アルファロメオよりもはるかに低かった。 それもあって158は参加したすべてのレースで、優勝した。
ではなぜ、ランキング4位に留まっているのか。1952~53年のフェラーリ500同様、当時世界選手権に不可欠な要素だったインディ500にアルファロメオが出場しなかったからだった。ちなみにアルフェッタの最終進化形である159は、翌1951年シーズンでも強さを発揮した。しかし最終的にはイギリスGPでフェラーリ375に敗北を喫した。
■第3位 メルセデスW07(2016年)
優勝:21戦19勝
勝率:90.5%
ポールポジション:21戦中20回
コンストラクターズタイトルを獲得したレース:21戦中17戦目
21世紀初頭、いわゆる「ドリームチーム」時代のフェラーリとは異なり、この時期のメルセデスは二人のドライバーに極力、待遇差をつけなかった。こうして2014年から2016年にかけて、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグはチームオーダーなしに、同等の条件で戦った。F1の世界ではまれな堂々たるチームメイトバトルだったが、そのためトト・ウォルフ代表は何度も冷や汗をかくことになった。
ロズベルグは開幕4レースで勝利したが、スペインGPでチームメイトと同士討ち、ダブルリタイアを喫してボスの激怒を招いた。 ハミルトンは続く7レースで6勝、夏休み前にチャンピオンシップのリードを奪った。その後はロズベルグが4戦を制して再び逆転と、両者一歩も譲らない展開。終盤4戦はハミルトンが4連勝したものの、タイトルには届かず。新チャンピオンとなったロズベルグは、突如の引退宣言で世界中を驚かせた。
(第3回に続く)
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