メルセデスF1は今季マシンW15で初期にチームメイトよりも苦戦していた分、ルイス・ハミルトンにより大きな伸びしろがあったと考えている。
今シーズン、メルセデスは序盤戦で一貫性を発揮できずに苦しんでいた。マシンのスイートスポットが狭いことからそういった状況に追い込まれていたが、チームがポテンシャルを引き出すための方法を学んで行くにつれて、パフォーマンスも改善。夏休み前の4戦中3戦で勝利するところまで前進した。
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こうしたメルセデスの改善は、シーズン初期にこそラッセルと比較して苦戦していたハミルトンが、よりマシンから力を引き出せるようになっていった時期と重なっていた。
ハミルトンの調子が良くなっていたことについて、メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、ハミルトンが特にシーズン序盤はマシンの特性に苦労していたためだと説明した。
「当初、ルイスはこのマシンの扱いにより難しさを感じていたのだと思う」
ショブリンはそう語る。
「我々がクルマで改善した領域のひとつは、パフォーマンスを構築していく上で、良いベースとなるセットアップでFP1に臨み、そして微調整を行なうというものがあった。これは週末全体に対して、とても助けになるんだ」
「今季序盤、我々は比較的小規模な変更を加えていたが、突如としてマシン全体のバランスが崩れ、非常に苦しんでいた」
「そして、序盤のレースではルイスはジョージよりもセットアップを見つける上でより苦労していたと言っていいだろう」
メルセデス、そしてハミルトンは現行グラウンドエフェクトカーと現在のタイヤが、そのドライビングスタイルにとっては理想的ではないと考えている。ブレーキングでハミルトンのポテンシャルをフルに発揮できないためだ。
ただショブリンはメルセデスがマシンのポテンシャルを引き出していくにつれて、ドライバー2名は同じ要求をするようになったと語った。
「タイヤにはそれぞれ合った特定のドライビングスタイルというものがある」
「今はふたりのドライバーのセットアップが大きく異なることは少なくなっている」
「マシンがいいウインドウに入れば、ふたりにとって同じモノが上手く機能するんだ。セッションの合間には、彼らの作業を調べて、どこにまだゲインがあるかを確認している」
「ただ今年を通じて、彼らふたりは一緒に取り組んできているんだ。序盤はふたりとも望んでいるような位置でフィニッシュできていなかったが、彼らは互いに異なるセットアップやドライビングスタイルを実験しながら、助け合うことができた。全体として、チームは前進している。これがふたりのドライバーで挑む、チームというものだ」
そしてショブリンは、チームが先頭に非常に接近していると感じていたが、望んでいたような位置でフィニッシュできていなかったため、序盤戦はチームの誰にとっても厳しい状況だったと振り返った。
「今年の前半はかなりフラストレーションが溜まっていた。5位、6位、7位でよくフィニッシュしていて、あと0.1秒のパフォーマンスがあれば3つは上に居られるだろうということが、よくあったからだ」
「そしてだからこそ、今の我々は表彰台に上がれているんだ。マシンが速いかどうかに関係なく、ドライバー達は常に次のステップや開発リソースをどこに投入してパフォーマンスにつなげるのがベストなのか、それを知る手助けをしてくれる」
「そこに変化はない。ただ、マシンが速くなったことで、全てがより楽しくなっているんだ」
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