■意外と狭いGクラスと7人乗りが標準のGLE
メルセデス・ベンツのSUVラインナップの頂点には、「GLS」クラスがありますが、GLSは全長が5mを超えてしまうため、GクラスやGLEと比べると、ワンランク上の車格となります。
駐車場の関係から全長5m以下のクルマしか購入のできない人も多く、全長が5m以下のボディサイズであり、同じ3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載した同価格帯のGクラスとGLEの2台を比べてみることにします。
2000万円オーバーはあたりまえ セレブ御用達の高額なSUV5選
最初に車検証上のボディサイズで比べてみましょう。Gクラスは、全長4660mm×全幅1980mm×全高1970mmです。一方のGLEは、全長4940mm×全幅2020mm×全高1780mmです。
Gクラスは、大きなボディというイメージがありますが、見た目のインパクトに比べて本当はスリークです。こうしたこともあり、自宅駐車場のスペースが狭い都内(とくに世田谷区、目黒区)などでの生息数が多いともいわれています。限られた駐車場に納まる、最も大きな、そして最も見栄えの良いクルマというわけです。
ただし、もともとGクラスが設計されたのは1970年代ということもあり、現在の衝突安全基準に適合するために、さまざまな改良がなされています。
また、本来は軍用車として開発されたので簡素な内装で良かったのですが、現在は高級車であるためドアパネルをはじめ、シートなども豪華に仕上げられています。そのため、車内空間はさらにタイトになってしまいました。
一方のGLEは、ホイールベースが2995mm(Gクラスは2890mm)であり、もともと車室を広く取るように設計されています。シートは標準で3列となり、3列目シートは2名座ることができます。
3列目シートはラゲッジルーム側からスイッチひとつで、電動で倒したり立てたりすることができます。また、3列目シートへアクセスするために、2列目シートは手動ですぐに倒すことができます。2列目、3列目シートを倒すと、最大で2055リッターのラゲッジルームスペースとなります。
Gクラスのラゲッジは荷物を積載しやすいスクエアな形状で、高さがあるので非常に使いやすいのが特徴です。しかし、リアシートを倒してもフルフラットになるわけではありません。ちなみに、ラゲッジスペースは667リッターから1941リッターです。
ステアリングホイールやペダル、ダッシュボードの1枚のガラスカバーで融合したワイドディスプレイ/コクピットディスプレイなど、GクラスもGLEも部品を共用していますが、運転席に座ったときの印象はまったく異なります。
シート座面から天井までの高さは、Gクラスが1025mm、GLEが1074mmです。車高がそれぞれ1970mmと1780mmなので、Gクラスは乗降しづらくアイポイントも高いことが数値の上でもよくわかります。
実際にGクラスはステップを使わないと、子どもや高齢者の乗降にはかなり厳しいといえます。一方のGLEはそれほど乗降が困難ではなく、ヘッドクリアランスもあることから、車内は広く感じます。
ドライバーズシートに座ったときのそれぞれの異なった印象は、そのままドライビングの印象に繋がります。
■同じ直6ディーゼルを搭載しても、まったく違うキャラクターの走り
今回、比較試乗したGクラスとGLEに搭載されているエンジンは、3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジン(OM656)です。ただし出力は異なっており、Gクラスが286馬力/600Nm、GLEが330馬力/700Nmです。
この出力の差がそのまま、「G 350 d」と「GLE 400 d 4MATIC Sports」という車名に表れています。両車の乗り味はどのように違うのでしょうか。
これまでGクラスにはさまざまなエンジンが搭載されてきました。現在ではG 350 dのほかに、422馬力の4リッターV型8気筒ツインターボ搭載の「G 550」と、585馬力の4リッターV型8気筒ツインターボ搭載の「メルセデスAMG G 63」があります。かつては6リッターV型12気筒ツインターボ搭載の「メルセデスAMG G 65」というモデルもありました。
Gクラスは基本設計が古いということもあり、高出力エンジンだとシャシとのバランスが非常に難しい特性があります。その点、コンパクトなディーゼルエンジンのOM656だと、出力特性など含めてトータルでのバランスがとれています。車高の高いSUVを、ゆったりとした所作で走らせるのには過不足ないベストなエンジンといえます。
一方のGLE 400 d 4MATIC Sportsは、セダンである「Eクラス」よりもアイポイントが高くなった程度で、セダンに近い感覚で走らせることができます。また日常で使用している限り、ガソリン車に比べて遜色を感じることはまずないでしょう。
両車ともまったく違うキャラクターなので、同じ基準でオンロードでの性能を比較することはできません。ただし、オフロード性能となると話は別です。
管理キャンプ場に行く程度ならば、どちらを選んでも失敗することはありません。ただし本格的なオフロードでの使用を想定しているならば、G 350 dに軍配が上がります。
G 350 dは、前後トルク配分が40:60のフルタイム4WDとなりますが、センター/リア/フロントの順でディファレンシャルのロックが可能となっています。急勾配や一輪しか接地していないような過酷な地形での走行が可能です。
GLE 400 d 4MATIC Sportsは、前後トルク配分が100:0から0:100までの連続可変となっていて、一般的な使用状況では、オンロードでその恩恵を受けることが多そうです。
※ ※ ※
価格は、G 350 dが1192万円(消費税込、以下同様)、GLE 400 d 4MATIC Sportsが1109万円と、その差は83万円です。
どちらを選ぶかは、ライフスタイルの違いによるところが大きいでしょう。就学児のいる家庭で、さらに両親をクルマに乗せることのある場合だと、いざというときの7人乗りであるGLE 400 d 4MATIC Sportsが有利です。
流行にとらわれないデザインのG 350 dは、愛車を長く乗り続けたいという人や、ミドルからシニア世代の家庭には、一生の愛車となる1台です。
ただし、どちらを選んでも、頼もしいメルセデス・ベンツSUVのある暮らしには変わりがないことだけは確かなようです。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新車102万円! トヨタ新「軽トラック」発表に反響あり!「もはやハイラックス・ミニ!」「あぜ道の王様だね」の声も!“2人乗り×超タフ”が自慢な「新ピクシストラック」とは!
激混み国道1号に代わる“快適バイパス”いよいよ全通近し! 車の流れ変わる? 滋賀「山手幹線」が3月延伸
トヨタ「新型クラウンエステート」まもなく登場へ 18年ぶり復活で「大型SUV化」×奥行き2mの「めちゃ広ラゲッジ」採用! シリーズ“第4”のモデルはなぜ延期が続いたのか
6MT搭載! ホンダが名車「Z」を復活!? 超レトロな「旧車デザイン」ד丸目ライト”採用した「3ドアクーペ」に注目! めちゃ懐かしい“水中メガネ”搭載した「Re:Z」コンセプトとは
510万円! トヨタ新「最安価・8人乗りアルファード」がスゴイ! “120万円”も安い「シンプル仕様」どんなモデル? 人気すぎて“買えない”ってマジ?
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
トランプ大統領が「日本の消費税廃止」を要求? JEEP以外のアメ車が日本で売れない理由は「そこじゃない」
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
「高性能ターボ×MT」がウリなのに… 日産「“最強”2人乗りスポーツカー」なぜATのみ? 「フェアレディZ NISMO」がMTじゃない理由とは?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
それは旧型の話じゃないのか? 勉強しろよ。
GLEは300dが1950mmで400dが2020mm。
日本の駐車事情を語るなら記事は丁寧かつ正確なものを希望します。