2023年シーズンのセルジオ・ペレス(レッドブル)は、序盤戦はチームメイトのマックス・フェルスタッペンと接戦を繰り広げたが、スランプに陥って終盤まで苦しい戦いが続いていた。シーズンが終わった今、ペレスがその内情についてmotorsport.comに語った。
ペレスは開幕戦バーレーンGPを2位でスタートさせると、得意のストリートコースである第2戦サウジアラビア、第4戦アゼルバイジャンで勝利。フェルスタッペンにも6ポイント差に迫り、今期はレッドブル内でタイトル争いが繰り広げられるのではないかと思われた。
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しかし、第5戦マイアミGPがペレスにとっては悪い意味でのターニングポイントになってしまった。ペレスはポールポジションを獲得し、予選9番手にフェルスタッペンが沈んでいたところから、レースでは敗北を喫してしまったのだ、
それ以降、ペレスは苦しい戦いが続いた。フェルスタッペンが最速をほしいままにしているマシンに乗りながらも、第7戦スペインGPから予選でQ3進出を5戦連続で逃してしまったのだ。
ペレスへのプレッシャーは日に日に高まっていき、姉妹チームのアルファタウリがダニエル・リカルドをニック・デ・フリーズの後任として呼び戻したことで、そのプレッシャーはさらに高まった。リカルドの起用が、レッドブルのテストの側面があることは明らかだった。
その後も苦戦が続いたペレスだったが、第18戦カタールGPでは”どん底”を経験した。決勝ではトラックリミット違反による3度のペナルティもあり、10位降着。ショックを受けた彼はファクトリーで3日間のシミュレーター作業を実施し、エンジニアと”マリアナ海溝のように深い穴”から抜け出すための方法のブレインストーミングを実施し、以降はこのスランプから立ち直りを見せていった。
ペレスとのインタビューの中で、なぜこうした行動をカタールまで取らなかったのかと尋ねられ、次のように答えている。
「カタールは僕が覚えている中でも、最悪の週末だったんだ。あまりにも酷い週末だったから、『こんな酷いことはありえない。何かが起きている』という風に感じていた」
「ああして連戦が続くと、様々なことをじっくりと考える時間が十分にないように感じるんだ。それでどの方向に進むかを理解するために、少し時間をかける必要があると深く感じた」
「マシンセットアップに欠陥があったのは明らかで、僕らは週末ごとに試行錯誤していたけど、乗り越えられていなかったんだ」
「でも一度それを乗り越えられたら、補おうとしていたことの多くを理解できるようになった。僕らのやり方が正しくなかったというだけではない、そういうことを意味していたんだ」
「僕らにとって本当に良いことだったと思う。あんな事態になったのは悪いことだったけど、僕らチームをより強くしてくれたから、本当に良かった」
■「僕は諦めるような男じゃない」
ペレスがスランプに陥ったことで、彼の来季シート確保が危ぶまれているという憶測も広まっていた。そのせいでペレスはF1から”楽しみ”が奪われてしまったと今も認めているが、諦めることを考えたことは一度もなかったと語る。
「まあ、たしかにそれ(諦めること)が一番簡単な選択肢だっただろう。あの時は本当に大変だったからね」
「でも僕はキャリアのこの段階で諦めて終わるようなタイプの男じゃないんだ。そんなことは考えたこともないよ」
「僕は自分の責任を理解しているし、結果について周囲を責めるようなこともしない。結局のところ、僕自身の責任から、状況をかなり好転させる必要があったんだ」
またリカルドがレッドブルで後任を務めるのではないかといった憶測については、あまり考えていなかったとも語った。
「正直に言って、ドライバーについては本当に考えていなかった。自分が週末を楽しむこと、楽しめるようにすることに集中していた」
「とても大変で楽しめない週末を過ごすこともあった。僕がここにいるのは、このスポーツが好きだからだし、まだたくさんの楽しいことや面白いことがあるからなんだ。それが僕の主に焦点を当てていたことで、好転させるために必要なものでもあった」
「数ヵ月間、僕は本当に厳しい時期を過ごしてきた、そう言わせてもらおう。チャンピオンシップを争っていた所から、難しい状況になり、クルマに自信を持てなくなった」
「でも結局のところ、レッドブルにいたいなら、ここにいるためにはどれだけ精神的に強くあらなければならないのかは分かっていることだ。そして、僕は精神的に強くなった。良い日々よりも悪い日々からより多くのことを学ぶんだ」
結果的にペレスは、フェルスタッペンから半分のポイントの2位で2023年シーズンを終えた。終盤戦はスランプから持ち直したとはいえ、このオフシーズン中にさらに多くの進歩が必要だということは、ペレスも認識している。ただカタールGPの後の日々が役に立つはずだとペレスは前向きに考えている様子だった。
「僕は常々、世間は(最終戦で馴染みの)アブダビGPをどこでフィニッシュしたかしか覚えていないだろうと話している。でも僕は自分の1年をちゃんと覚えている」
「たくさんのことを学んだと思うし、シーズンをどう好転させたかについても、満足している」
「僕らは以前よりも強くなっているし、あの苦しい日々をうまく活用しているんだ」
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