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新型メルセデス・ベンツCLS試乗記 5名乗車になって実用性も上げつつ新しいデザインがその魅力に磨きをかける

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新型メルセデス・ベンツCLS試乗記 5名乗車になって実用性も上げつつ新しいデザインがその魅力に磨きをかける

4ドアクーペというジャンルを創出したメルセデス・ベンツのヒット作「CLS」が3世代目として生まれ変わり、2018年6月から発売されている。この3代目のCLSはメルセデスの新しいデザイン言語を使った最初のモデルで、今後発売される新型メルセデスのデザインにおける傾向を知ることができる。

 

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新しいデザイン言語は官能的純粋

CLSの魅力はそのデザインで代表されるだろう。新しいデザイン言語は「官能的純粋(Sensual Purity)」と表現し、キャラクターラインやエッジを大幅に削減したデザイン技法を使っている。したがって、これまでのメルセデスとはひと目で異なるデザインであり、また、それが刺激的で目を惹かれる。

全体のシルエットは4ドアクーペの名の通り、流麗なルーフラインを持ち、サイドビューは緩やかなラインを描く。高いウエストラインを持ち、サイドウインドウは限りなく小さく、サッシュレスウインドウになっている。そして歴史は繰り返すのか、フロントノーズは逆スラントしたデザインだ。

サメの尖った鼻をイメージさせると説明があったが、眺めていると自然とサメに見えてくる。そしてボディ全体を曲面を使った表現とすることで、クルマの大きさや車格感において迫力も感じてくる。


ドアを開けインテリアを覗いてみると、曲線で構成されたダッシュボードボードやドアパネルにその優雅さを感じる。そしてエアアウトレットと12.3インチの大型ディスプレイが目に飛び込む。ダッシュボード中央に配されたエアアウトレットは「イルミネーテッドアウトレット」とネーミングされ、タービンをイメージした造形デザインに64色のイルミネーションが仕込まれている。クライメートコントロールで室温を上げると赤く、温度を下げると青く灯り、操作内容が直観的にわかる演出もされている。


大型のディスプレイは、実は2つのモニターを一枚のガラスで覆い、フローティングしたデザインで未来感が溢れている。ステアリングは最新のSクラスと同じデザインで、ステアリングから手を離さないで、ナビ操作や車両設定ができる。

そして、今回のCLS最大の変更ともいえるのが5名乗車のリヤシートだ。多くのマーケットで要望があったのだろう、4名から5名乗車となり、ベースはEクラスと共通のプラットフォームなので、全長5000mm、全幅1895mm、全高1425mm(1430mm4MATIC)、ホイールベース2940mmの立派なサイズ。5名乗車は容易に吸収する要件だ。

インテリアカラーは新色として「マサラブラウン/エスプレッソブラウン」「マキアートベージュ/マグマグレー」など5色から選択できる。

 

48Vのマイルドハイブリッド搭載

モデルラインアップは「CLS 220dスポーツ」と「CLS 450 4MATICスポーツ」の2機種で、2.0Lの4気筒ディーゼルターボと3.0Lの直6ターボ+48Vモーターを搭載している。試乗車はCLS 450 4MATICで、最新のパワーユニットを搭載している。ちなみに220dの価格は799万円、450が1038万円となっている。

試乗車の450はM256 型の直列6気筒ガソリンツインターボにISG、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載しているが、メルセデスでは、「マイルドハイブリッド」の呼称は使っていない。このISGはエンジンとミッションの間に配置され、16kW、250Nmの出力を持ち、スターターと発電機の機能を持っている。また、ブレーキ回生も行ない、約1kWhの小さいリチウムイオンバッテリーを充電する。

このISGはインテグレーテッドスタータージェネレーターの略で、エンジンの駆動アシストと文字通り、スターターと発電を行なっている。ハイブリッドというとEV走行をイメージするが、エンジンとモーターとの間にクラッチを持たないため、EV走行はできない。ISGの働きとしてはモーターアシストによる省燃費はもちろんだが、ドライバーや乗員が体感するのはエンジンスタートの滑らかさだ。

アイドリングストップからの再スタートはこのISGが行ない、非常に滑らかだ。車体が震えることなく始動する。そして停車時間が2秒以下になる、と予測するとアイドリングストップさせない予測機能も搭載している。

これは2秒以下の停止でエンジンを止め、即再スタートさせると燃料消費が多く、かえって燃費を悪くすることがわかっている。そのため車載するレーダーセンサーやドライバーの走行データからのデータによって2秒以下であると予測した場合はエンジンを止めないのだ。
 

直6ツインターボと9速ATにエアボディコントロ―ルを搭載

そして、このISGはアイドリング時の充電電流を調整するため520回転という超低速回転のアイドリングを実現している。言わずもがなエンジンがかかっているのかどうか、わからない静粛性がある。また、最新の直列6気筒エンジンは電動エアコンやオルタネーターとしてのISGがエンジン/トランスミッション間にあるので、ベルトがないエンジンになっており、非常にコンパクトサイズになっていることも特徴だ。

アクセルを踏み込むと367ps/500Nmの出力を直列6気筒ツインターボエンジンは、滑らかに、そしてパワフルに走る。エクステリアデザインに負けないスポーティで切れ味のよい走りが手に入る。また、このモデルは4MATICであり9速ATを搭載する。いい意味でヨンクを感じることなく、安定した走り、スタビリティの高さが魅力だ。

試乗車のサスペンションはマルチチャンバーのエアサスペンション仕様で乗り心地はマイルドで高級車らしいしっとりとした乗り味だ。どこにもざらつきのない印象で、すこぶる高級感があり、高級車であることの満足度が高い。しかしながらスポ―ティな走りにもしっかりと先端技術で応えてくれる。

エアボディコントロールサスペンションと名付けられたサスペンションは、マルチチャンバーエアサスを電子制御し、コーナリングはもちろん、ブレーキング時にもスプリングレートを硬くし、ロールやピッチングを抑える。またドライブモードの「ダイナミックセレクト」でスポーツやスポーツ+を選択すると、サスペンションを引き締め、ダイナミックなドライビングが楽しめる。体感的には、シートのサポート機能(マルチコントロールシートバック)を合わせ、ロールを感じないフラットライドな走りを体感する。
 

より使いやすくなったインテリジェントドライブ

もうひとつ注目したいのが、「インテリジェントドライブ」だ。平たく言うと運転支援システムの完成度の向上だ。2017年発表したSクラスと同等のシステムが全モデルに標準装備されている。



特に操作系がシンプルになり、これまでのディストロニックプラスに代表される運転支援機能操作が、すべてステアリング上でできるようになったことと、ワンクリックで稼働する点も使いやすくなった。走行中にセットボタンを押すだけでシステムが稼働し、そのあとから速度設定、車間距離の設定ができる。一般的には、スイッチを入れて、車速を決めると初めて稼働するタイプが多く、実働まで2アクション、3アクションかかるものが多い。CLSに搭載するACCはシンプルに使いやすい。


そしてステアリングアシストの機能も向上していた。車線内維持でのアシストも自然と修正舵が入り、以前のようい、わざとらしさがなくなった。そしてウインカーを出せば、自動でレーンチェンジをする機能も加わった。こちらは移動先の車線に車両がいないことを確認し、ウインカーを出してから3秒後に自動で移動する。また、緊急自動停止ブレーキ系の機能も向上しており、より安全、安心のドライブが可能になっている。

便利だったのが、高速道路での渋滞時、システムが起動していれば先行車に自動追従し、自動停止まで行なう。停止時間が30秒以内であれば自動で再スタートするのだ。これは相当疲労軽減に繋がるし、渋滞のストレスはかなり軽減される。ちなみに一般道でも使用することができ、その場合は停止から3秒以内であれば再スタートする。前述しているが、30秒以内の停止時、エンジンもとまり、静寂な室内になる。そして自動で滑らかにエンジンがかかり、走り出すのだ。


スタイリッシュなデザイン、先進の安全技術、そして最新の環境性能を持つパワーユニットを搭載したCLS。その魅力はEクラスやSクラスにはない切れ味を持った、贅沢なモデルという印象だった。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
 

 
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