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“200”も立派な高級車になりました──新型メルセデス・ベンツC200アヴァンギャルド試乗記

掲載 更新 18
“200”も立派な高級車になりました──新型メルセデス・ベンツC200アヴァンギャルド試乗記

フルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ「C200」に試乗した『GQ JAPAN』デジタル・エディターのイナガキの極私的C200論。

初代C280を上まわるパワー

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「C200も、こんなに立派になっちゃって……おそるべし」

フルモデルチェンジした新しいC200アヴァンギャルドは、ガソリン自然吸気エンジン時代のC200よりはるかに立派なクルマだった。アクセルを踏めば力強く加速するし、快適装備も満載だ。

近年のメルセデス・ベンツは、すべて過給機付きとなったため、“200”といっても、往時の“240“や“280”並みのパワーがある。

試乗したC200が搭載するのは、204ps/5800~6100rpmの最高出力と300Nm/1800~4000rpmの最大トルクを発揮する1494cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載する。

ちなみに初代Cクラスのトップモデルだった「C280」が搭載するエンジンは、200psと277Nmを発揮する2799cc直列6気筒ガソリン自然吸気だった。

30年近く前のモデルと比較するのはナンセンスかもしれないけれど、現行C200アヴァンギャルドのパワーは、初代C280を凌駕する。ちなみに車両重量はC280が1490kgであるのに対し、現行C200アヴァンギャルドは1660kg。170kg近く重くなっているのは、ボディサイズの拡大や安全性能の強化を考慮すれば致し方ない。

現行C200アヴァンギャルドの性能は十分すぎる。ストップ&ゴーの多い都心部では、流れを優にリード出来るし、高速道路での追い越しも楽々だ。1800rpmで300Nmを発揮するうえに、15kWと208Nmを発揮する小型モーターを組み合わせるから、加速性に優れる。

メーカー公表値によれば0-100km/hの加速タイムは7.3秒! ひと昔前のスポーツカー並みの速さだ。

それでいて、燃費性能にも優れるからスゴい。WLTCモード燃費16.4km/Lに対し、筆者が数日間、高速道路や一般道を約200km走行した結果は16.2km/Lだった。

654万円は妥当か?

乗り心地はちょっと硬い。試乗車が装着していたパッケージオプション「AMGライン」に含まれるスポーツサスペンションのせいだろう。

とはいえ不快なほどではない。一部では「硬い!」といった意見もあるようだけれども、筆者はさほど不満ではなかった。

座り心地のいいシートが、路面からのショックを優しく包み込んでくれたのかもしれない。AMGラインのシートは「レザーARTICO/DINAMICAシート」と呼ぶもので、レザーと人工皮革を組み合わせたものだ。ホールド性に優れるし、調整は電動だから楽チン。座ってすぐ、「あぁいいクルマだなぁ」というのが“お尻”から伝わってきた。

C200といっても快適装備は満載だ。筆者の母は、以前、初代C200のステーションワゴンに乗っていた。子供ながらに「なんでC240にしなかったんだろう……」と、思った。あまりにもそっけなかったからだ。

スチールホイールに装着されたカバーが、ひとめでエントリーモデルであることがわかった。インテリア・トリムは、C240がウッドパネルを各所に使うのに対し、カーボン調のプラスチックパネル。シート調整機構はC240が電動であるのに対しC200は手動。

“200”と“240”のあいだにあった“壁”はかなり高かったように思う。

それが現行C200アヴァンギャルドには、HDDナビゲーション・システムやメモリー付きパワーシート、自動開閉トランクリッド、LEDヘッドライト、電動チルト&テレスコピックステアリング、最新の運転支援システムなどがすべて標準装備だから驚くばかり。

もっとも、価格は654万円。初代C200が430万円+消費税、C280が560万円+消費税だったから、ずいぶんと高価になってしまった。かつてのEクラス並みだ。

もちろん見ても乗っても654万円相応の価値はあった。かつての“200”と比べれば、その進化ぶりには目を見張る。だから筆者は冒頭で「こんなに立派になっちゃって……」と、書いたのだ。

もはやC200で、昔のボクみたいな思いをすることはない。というわけで、母に自信を持って勧めたら、「C200に654万円も払うのならば、Eクラスを買います」。

今のEクラスが793万円もすることを知らないから、そういうのだと思って教えると、それでも「C200に654万円も払うのなんて」と繰り返す。元C200オウナーからすれば、そういうものなのかもしれない。

現代のC200は昔のEクラス以上なのに、人の“価値観”というのはなかなか変わらないものですね……。

文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

18件
  • 文書を読んでいて、ちょいちょいお坊ちゃんアピールが出ていたので、もしかして? と思いながら読み進めると、「オウナー」の文字が!!
    ライターは、やはりイナガキさんでしたか。笑
  • すっかりただのボッタクりオジン車になってしまったなあCクラス。
    逆に内装は激安ゲーセン仕様でオジンを嘆かせるが。

    輸入車アゲアゲのGQすらこのお粗末なCクラスならイナガキに記事書かせときゃ良いわって始末だしww
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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