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メルセデス・ベンツの考える、環境問題に対する未来への道筋とは

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メルセデス・ベンツの考える、環境問題に対する未来への道筋とは

変化するクルマの価値観と安全第一の両立

 環境問題に対するメルセデス・ベンツのゴールは、排出ガスのないモビリティへの道筋であり、弛まぬ研究による環境革新技術によってすでに明白である。

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 つまり、2007年からは低燃費・低公害技術「Blue TEC ・Blue EFFICIENCY」、2009年からはハイブリッド技術「Blue HYBRID・Blue TEC HYBRID」による低公害に、そして2011年以降は電気及び燃料電池「E-CELL・F-CELL」によって無公害へ。これが、環境に対するメルセデス・ベンツの未来の道筋だ。

【CASE】

中長期戦略における次世代の自動車社会を象徴

 2016年10月のパリモーターショーの会場で、メルセデス・ベンツのディーター・ツェッチェ取締役兼会長が中長期戦略「CASE」を発表した。CASEとは、”Connected”(インターネットを介して外とつながる)、”Autonomous”(自動運転)、”Shared”(所有せず共有する)、”Electric”(電動化)の頭文字をとったもの。4項目のすべては、本当の産業革命を起こすメガトレンドと言われており、各メーカーもCASEに取り組んでいる。

 メルセデス・ベンツの新ブランド「EQ」も同じく、2016年にパリモーターショーで初公開。”エレクトリック インテリジェンス”を意味し、電気自動車(BEV)や燃料電池車(F-CELL)、プラグインハイブリッド(PHEV)など、革新的な電動化モデルの象徴だ。100%の電気自動車を「EQ」、プラグインハイブリッドモデルを「EQ POWER」と称し、日本国内でもEQブランドのラインアップは充実化している。

 その最新モデルといえるのは、2019年7月に日本デビューを果たした100%の電気自動車「EQC 400 4MATIC」。EQC専用に開発された80kWhの容量を持つ最新世代のリチウムイオンバッテリーを搭載。しかも効率的な冷却により、バッテリー温度を常に適正に保つ水冷システムを採用している。

 また、薄型のバッテリーは前後アクスル間のフロアセンターに配置することで低重心化。前後2つの電気モーターを搭載し、低~中負荷域は効率を最大化するためフロントモーターのみで走行し、追い越し時などはパワーを要する場合にはリアモーターも駆動して4MATIC(4WD)となる仕組みだ。2つのモーターを合わせた最高出力は408ps、最大トルクは765N・mを発揮。航続距離は400km(WLTCモード充電走行距離)を誇る。

【GLC F-CELL】

世界初の燃料電池プラグインハイブリッド

 2019年10月に発表された「メルセデス・ベンツGLC F-CELL」は、短距離走行はリチウムイオンバッテリーから電気を供給し、長距離走行では水素を燃料にして発電した電気を利用する世界初の燃料電池プラグインハイブリッドモデルだ。

 燃料電池とプラグインの長所を活かした究極のゼロエミッションカー。航続距離はリチウムイオンバッテリーのみで41km、燃料電池のみで336kmを達成する(ともに欧州仕様車のWLTPの試験結果)。

【EQ Power】

直噴ターボエンジンと高出力モーターを採用

 日本には多くの選択肢がある。EQ Poweシステムを搭載した、日本初のクリーンディーゼル・プラグインハイブリッド「E350 de」もひとつ。日常の生活圏ではEVモードで、ロングドライブではディーゼルエンジンを使用し、特に長距離を走るドライバーにとっては理想的なモデルである。 ガソリンプラグインハイブリッドとしては、メルセデス・ベンツの基幹モデルであるCクラス(C350e)、Eクラス(E350e)、Sクラス(S560eロング)に用意されている。

【コンセプトカーで見る最新技術】

未来に向けたパワートレインにも意欲をみせる

 メルセデス・ベンツは2010年ジュネーブショーでコンセプトカー「F800スタイル」を発表し、自動車の未来像を明確に表現した。今までにない新しいスタリングに、プラグインハイブリッドや燃料電池といった2つの駆動方式に対応できるシステムを採用する。

 また、2017年9月のフランクフルトモーターショーでコンパクトクラス初のEVコンセプト「EQA」を発表。メルセデス・ベンツが次世代に提案するAクラスの電動バージョンで、2つの電気モーターで駆動する方式だ。「スポーツモード」と「スポーツプラスモード」という2つのドライビングモードで、フロントからリアへとトルク配分を変えることで運転の特性をシフトする仕組み。最大出力は270ps、航続可能距離は400kmと予想されている。

 さらに、2019年に開催された「第46回東京モーターショー」には、EV4ドアセダンのコンセプトカー「ヴィジョンEQS」を発表。将来のSクラスを想定したコンセプトカーとなり、前後アクスルにモ-タ-を搭載した4WDシステムを採用する。バッテリーはリチウムイオンで、畜電容量は100kWhと大容量。世界初の180個のLEDで構成されるフロントグリルが特徴だ。最高出力は476ps、最大航続距離は700kmというスペックだ。

 そして、メルセデス・ベンツが提案する次世代モデルとして最も新しいのは、2020年1月、米国ラスベガスの「CES 2020」で発表した「VISION AVTR(ヴィジョン・アバター)」。EQブランドの新しいベンチマークとして登場したコンセプトカー。コンパクトな高電圧バッテリーと個別に制御される可変トルク配分システムを採用した4つの高出力モーターを備え、最高出力は476ps、その航続距離は700km以上を可能としている。

【MaaS】

移動手段であるクルマの新しい使い方

 ダイムラー社傘下の企業「ムーブル」が提供するアプリ「Moovel」に代表される様に、移動手段をつなげ、最適な移動を提供する「MaaS」(Mobility as a Service)が各国で急激に台頭している。理由は、自動運転技術の進化やクルマがつながる事により、オンデマンドでモビルティサービスを提供できる範囲が急速に広まるからだ。

 これまでの自動車を個々に所有する形から移動サービスを消費することへ移行。個人の移動や公共交通をひとつの移動サービスとみなし、消費者がひとつのアカウントで管理できるようになる。つまり、鉄道やバス、タクシー、レンタカーといった交通手段をITで紐づけて、出発地から目的地までの移動を一気通貫で処理しようとするものだ。

 このように、CASEやMaaSは、めまぐるしい速さで進化している。クルマの価値観が覆りそうな状況の中、これまでの自動車ビジネスとは一線を画していた企業までもが、続々と自動車産業に参入。自動車を発明した責任においてメルセデス・ベンツは、いま一度「クルマは何をおいても、安全第一で造られなければならない」と叫びたいことだろう。

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