7月8日、等々力競技場で開催されたJ1リーグ第20節「川崎フロンターレvs横浜FC」戦でスーパーフォーミュラと川崎フロンターレのコラボイベント「Fサーキット2023」を実施。9年ぶりに等々力競技場を関口雄飛が駆るフォーミュラカー“SF23赤虎”が走行し、集まった約2万1000人のサポーターたちを大いに盛り上げた。
過去3回、等々力競技場で実施された日本レースプロモーション(JRP)とJリーグ・川崎フロンターレとのコラボイベント。しばらく行われていなかったが、夏の富士スピードウェイとモビリティリゾートもてぎでのレースを前に9年ぶりに走行イベントが復活した。
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試合開始前からイベント広場では様々なイベントが行われ、富士スピードウェイイメージガール「クレインズ」のステージを皮切りに、競技場外周路では関口雄飛がSF23赤虎で疾走。スタジアムに訪れたサポーターたちの注目を浴びる。
さらにステージではJRPの近藤真彦会長と関口によるトークショーも行われ、試合を楽しみに待つサポーターたちもふたりの話に耳を傾けていた。
キックオフが近づくとスタジアムは多くのサポーターが集まりボルテージも高まっていく。
そして、いよいよキックオフセレモニーがスタート。実況は担当するのはF1のレース実況も行っていたスポーツアナウンサーの長坂哲夫さんだ。
近藤会長が「普段はサーキットで12チーム22台が時速300km以上でバトルを行っています。今日は1台ここにご用意しましたので、楽しんでください。僕は全員をサーキットに連れて帰るためにやってきました。皆さん、ぜひサーキットに遊びに来てください!」とサポーターに挨拶を行うと、SF23赤虎のエンジンが点火される。関口が大声援の中、競技場を2周周回。等々力競技場にSF23のエンジン音が響き渡る。
走行が終わると、近藤会長の始球式へ。華麗なシュートはゴール右隅に決まり、会場から「マッチ」コールが湧き上がる。さらに近藤会長と関口が共にサポーターへと挨拶に行くと近藤会長の顔が描かれたスペシャルな横断幕も掲げられ、サポーターから「スーパーフォーミュラ」のコールが響き渡り、試合はキックオフへと向かう。
そしてハーフタイムでは、近藤会長と関口がオープンカーにとって場内を周回し、川崎市制記念試合おなじみのYMCAショーにも登場。サポーターたちも大興奮で後半戦へと突入する。
試合は、立ち上がり押され気味だったフロンターレが山田新選手のゴールで先制。さらにPKを宮代大聖選手が決め前半を2-0でフロンターレがリード。後半も横浜FCの攻撃を完封すると終了間際に瀬川祐輔選手が追加点を決め、3-0で川崎フロンターレが勝利した。
等々力競技場でのコラボイベントは就任して初めてとなった近藤会長は「スポーツの世界はやっぱりいいなと感じました。サーキットにはない盛り上がり方はすごく勉強になったし、スタジアムでできてもサーキットではできない応援の仕方もあるけれど、ひとつの材料としてはいい参考になりました」
「ファンの方とのコミュニケーション、選手もひとりひとりファンの方への想いがあるので、スーパーフォーミュラのドライバーにも呼びかけています。自分たちのアピールとファンの方たちとのコミュニケーションを頑張って欲しいと言っていて、みんなそういう方向に向いてくれていて、今後いい方向に向いてくれるんじゃないかな」とコメント。
■ファンとのコミュニケーションがスーパーフォーミュラに必要
「普段サーキットに来ていない方がこれをきっかけにスーパーフォーミュラに興味を持ってくれたらなと思いました。展示するだけじゃなくて、エンジンかけてさらに走るというのはなかなかできることではないので、しっかし魅力を伝えることが自分の仕事なのでそれを行いました。思ったよりも感触も良かったので、複数の方が興味を持って、レースを見に来て欲しいです」と関口が語ると、「マシンが出てきた時は鳥肌が立ったからね」と近藤会長。
「反響も凄いし、関口選手もエンジン音を出してくれたので、僕らが持っている自慢のものはコレなんですよって、今日2万5千人以上のファンに観てもらって、今日はいいイベントだったと思います」と振り返った。
関口の走行に対しては、「スピードは抑えてくれって言ってたんだよ。昔の立場だったら“関口いっちゃえ”って言っちゃいそうだけど……。立場上ね、こういうイベントを何回もやりたいので平和に終わって良かった(笑)」
関口も「スピードはちょっと出せないし、一回事故を起こしてしまうと今後呼ばれることがないので、前例は作りなかったです(笑)。できるのは音しかないのでリミッターをあてて走行しました。ちょっと滑りやすかったですけど、万が一のことを考えてマージンを持って運転していました」とコメント。
「すごくインパクトのあるイベントになったと思うし、今回はJRPが行いましたが、各チームが地元など繋がりのあるところで、野球とかいろいろなスポーツと交流できるといいですね。ピッチとスタンドの距離感は羨ましかった。僕らは車に乗って、ヘルメットかぶって、走っている姿を少ししか見せられない。そういうスポーツだけど、それならではの何かをファンに伝えることがあると思う。まだまだ勉強不足だね」と近藤会長。
ちなみに自分がサッカーをしていたらとの質問には、「僕はフォワードですね。それかディフェンダーか極端だと思う」と関口。近藤会長は「やっぱりシュートを決めるポジションにいたいね。いちばんカッコいいところにね」とコメント。さらに始球式を振り返り、「思いっきりいこうと思っていたんだけど、ちょっと緊張したよ。他は緊張しないけど、始球式はあの数の観客たちが全員観てるんだよ? なかには外せ、外せって思って見てる方もいると思うけど、決められて良かった。前日、子供と一緒に練習したしね」と振り返った。
キックオフセレモニーには川崎フロンターレのレジェンド、中村憲剛氏もフラッグを振りながら間近にフォーミュラカーの迫力を感じていた。
「とても迫力がありましたね。エンジン音は聞いたことのないレベルでした。現役だった時は走行を観ることができなかったけど、ハーフタイム中に爆音が轟いて、ロッカールームで監督の指示が聞こえなかったことを覚えています」
「今回みたいな他競技と組むコラボイベントはすごくおもしろいなって思います。子供たちの目もキラキラしていましたし、きっかけはどこに転がっているかわからない。サッカー界もサッカー界だけでやっていたら広がらないので、こういうコラボイベントで組むとウィンウィンで広がることが多いので、こういう仕掛けが大事だと思います。まさかチェッカーフラッグを振ると思っていなかったな(笑)」と語ってくれた。
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