アルファタウリは2024年シーズンに向けて、マシンの空力効率を改善していくことが優先課題だと語った。
アルファタウリは2023年シーズン前半、低速コーナーで苦しみコンストラクターズランキングでも最下位となっていた。しかしシーズン終盤の数ヵ月で着実にフロアへアップデートを投入した。
■角田裕毅、シーズン終盤戦の進歩に大きな手応え「まだ十分じゃないことは分かっているけど……前進に繋がることを願っています」
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表曰く、アルファタウリは最終戦アブダビGPまでにAT04を“低速コーナー最速マシン”に仕上げたという。
マシンパフォーマンスが改善されたことで、角田裕毅とダニエル・リカルド、そしてリカルドの代役としてリアム・ローソンがポイントを獲得。シーズン終盤にコンストラクターズランキング最下位からランキング8番手まで浮上してひとつ前を行くウイリアムズを追い上げた。
2チームが7ポイント差で迎えた最終戦では、角田が6番手から1ストップ戦略で大量得点獲得を狙ったが、このギャンブルは実らず8位入賞。アルファタウリはウイリアムズまで3ポイント差と、ランキング7位獲得にあと一歩届かなかった。
アルファタウリは積極的なアップデートで低速コーナーでのマシンパフォーマンスを向上させた一方で、直線パフォーマンスが犠牲となった。
「低速コーナーに重点を置いてきた。それはちょっとした弱点だったからね」
そう語るのはアルファタウリのチーフ・レースエンジニアであるジョナサン・エドルズだ。チームは低速コーナーで改善を見せたものの、来季に向けて空力効率を改善する必要があると説明した。
「来年に向けてまだ取り組む必要があるのは空力効率だと言えるだろう。低速コーナーでかなり競争力があるのは確かだが、欠点もある。ストレートでは最も遅いマシンのひとつなんだ」
「コーナーでタイムを稼げても、ストレートでは負けてしまう。コーナーでのダウンフォースと空力効率のバランスを取り戻す必要があると思う。でも、それは今取り組んでいることだ」
アルファタウリがフロアのアップデートで大きくパフォーマンスを改善したことで、ライバルチームの多くから関心が寄せられている。
周囲からの興味についてエドルズは、フロアが開発目標を達成できなかった分野だったとして、正しい開発の方向性を見出してから多くの時間を費やす必要があったと語った。
「我々はシーズン序盤、かなり後方からスタートした。出遅れたから、見つけるべきことが沢山あった」
「しかしビスターとファエンツァのファクトリー、空力部門は、マシンの弱点を見極め、対処するため懸命に取り組んできた」
「問題のひとつは弱点を理解することで、彼らはそれを把握する上でとても良い仕事をしたと思う」
「この1年マシンをアップデートしてきたが、ポイントを獲得するためには前に多くのマシンがいるのは明らかで、この段階に到達するためにかなり時間がかかった」
「まずターゲットを切り替え、そのターゲットを中心に開発を進め、パーツを決めて作り、それをサーキットに持ち込む……シーズン後半のシンガポールになってからようやく、その成果が見えてきたのだ」
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