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ブラジルの人気レース『SCB』、第2戦で元F1ドライバーのゾンタが優勝。バリチェロも2位に食い込む

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ブラジルの人気レース『SCB』、第2戦で元F1ドライバーのゾンタが優勝。バリチェロも2位に食い込む

 ブラジルを代表する人気ツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの2019年シーズン第2戦が5月4~5日にヴェロチッタで開催され、レース1はイピランガ・レーシングのチアゴ・カミーロがポール・トゥ・ウイン。続くレース2ではリカルド・ゾンタが今季初勝利を挙げ、ルーベンス・バリチェロが2位に入るなど、同国出身の元F1ドライバー陣が活躍を演じた。

 海外から豪華ゲストドライバーも多数参戦する南米随一の人気と知名度を誇るSCBシリーズは、開幕戦ヴェロパークでの記念すべき通算500戦目のメモリアルラウンドを経て、サンパウロ北部180kmに位置する全長3.493kmの風光明媚なトラック、ヴェロチッタが舞台に。

元F1ドライバーも多数参戦のストックカー・ブラジルが開幕。ルーベンス・バリチェロが2位表彰台

 前戦は特別な1戦ということでシングルレースでの開催となったが、この第2戦からはシーズンレギュラーのフォーマットとなる2ヒート制に復帰し、レース2はトップ10のリバースグリッドを採用しての勝負となった。

 そのレース1に向けた予選で先手を取ったのは34歳のベテランとなるカミーロで、WEC世界耐久選手権でも活躍する王者ダニエル・セラ擁するユーロファーマRCの2台を退けてポールポジションを獲得。

 レース1のスタートでも、カミーロがチャンピオンを従えてホールショットを決めると、2度のピットストップでも1コーナーでポジションが交錯する攻防劇を演じる僅差の勝負に。

 最後のストップ後にSNSファン投票で使用機会の決まる“FUN PUSH”を使用した王者セラが、1コーナーのアウトサイドから首位奪取を狙うも、これをしのぎ切ったカミーロが最終セクターの高速区間で温存していたオーバーテイクボタンを使用して応戦。

 わずか0.351差でカミーロがトップチェッカーを受け、セラ、リカルド・マウリシオ(ユーロファーマRC)の表彰台となった。

 続くレース2に向けては、このR1で10位に入ったフリオ・カンポス(プラティ-ドナドッツィ・レーシング)がリバースポールを獲得。以下、フロントロウにディエゴ・ヌネス(KTFスポーツ)、セカンドロウにルーベンス・バリチェロ(フルタイム・スポーツ)、リカルド・ゾンタ(シェルVパワー・レーシング)が並ぶグリッドとなった。

 その決勝オープニングラップから、45分で争われるレースの波乱を予感させるように団子状態で1コーナーに進入した10番手争いの車列でマルチクラッシュが発生。これに9番グリッドからスタートしていたセラが巻き込まれる形となり、17番手までドロップする苦しい展開に。またその後方からコーナーに飛び込んだネルソン・ピケJr.(フルタイム・スポーツ)も回避行動でスピンを喫し、マシンにダメージを負ってしまう。

 この混乱を尻目に首位を奪った2番グリッドのヌネスだったが、4周目にはFUN PUSHで逆襲したカンポスがラップリーダーの座を奪還すると、2台はバリチェロを攻略して3番手に浮上してきたゾンタからのプレッシャーを受けながら、最初のピットウインドウまで緊張感を維持した神経戦を展開していく。
 すると最初に動いたのは2番手を行くヌネスで、カンポスに対してアンダーカットを仕掛けると、これに反応したカンポス、バリチェロが続く周回ですぐにピットへと向かう。

 後続に16秒のマージンを作り出してピットインを決めたバリチェロだったが、ここでわずかに作業時間が長引いたことが災いし、上位勢でただひとりステイアウトを選択したゾンタに先行を許すと、ウインドウが一巡したところでゾンタ、カンポス、バリチェロのオーダーにかわり、真っ先にピットへ飛び込んでいたヌネスは8番手にまで後退する結果に。

 同じころ、レース1勝者のカミーロはマックス・ウィルソン(RCMモータースポーツ)とのバトルでマシンを損傷し、後方に沈むセラに対して貴重なポイントを加算するチャンスを自らふいにする失態を犯してしまう。

 元F1ドライバーでBAR、トヨタなど日本になじみのあるチームのマシンをドライブしたゾンタは、レース終盤に向け快調なペースを維持して一時7秒ものギャップを生み出すことに成功。

 後方ではペースの落ちてきたカンポスを仕留めた2014年シリーズ王者のバリチェロが2位に浮上し、その後方から迫ってきた5度のチャンピオン、“帝王”の異名を持つカカ・ブエノ(シムド・レーシング)がイージーにオーバーテイクを成功させ、表彰台圏内に上がってくる。

 レース終了の残り時間が迫るところでバリチェロは最後のスパートを見せ、ゾンタに対しラップあたりコンマ8秒も削り取る渾身の走りで迫るも、48分、26周のチェッカーが振られ追撃は及ばず。マージンを守りきったゾンタが2019年シーズン初勝利を決め、バリチェロが2戦連続の2位、ブエノが3位という実力者ぞろいの表彰台となった。

 4番手以降は、タイヤグリップの大幅ドロップで順位を落としていたカンポス以下、7台が数珠つなぎのトレイン状態で終盤の混戦バトルを演じると、ファイナルラップの1コーナーで3ワイドとなったカンポスが弾き出され、ガブリエル・カサグランデ(クラウン・レーシング)が大逆転での4位を獲得している。

 続くSCBストックカー・ブラジルの2019年シーズン第3戦は、5月18~19日の週末にシリーズを代表する名物サーキット、ブラジル中南部の高原都市ゴイアニアに位置する高速トラックで争われる。

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