最高出力761ps、最大トルク103.7kg-m
メルセデスAMGのスペック表に並ぶ、桁外れた数字には見慣れた感がある。だとしても、AMGとしては初の量産純EVとなるEQS 53 4マティック+の数字には、思わず感嘆の声を漏らしてしまう。
【画像】メルセデスAMGのEQS 通常の580 欧州の競合・高性能純EVサルーンと比較 全102枚
AMGダイナミックプラス・パッケージを搭載したEQS 53の最高出力は761psで、最大トルクは103.7kg-mに達する。4.0L V型8気筒ツインターボを搭載したAMG GT 63 S 4ドアクーペより、120psと12.1kg-m以上もパワフルなのだ。
この豪腕を叩き出しているのは、メルセデス・ベンツEQS 580と基本的には同じシングルスピードATのツインモーター・システム。そこへ更なるパフォーマンスを与えるべく、AMGの手でしっかりチューニングが施されている。
知的な四輪駆動システムを採用し、0-100km/h加速に要する時間は3.4秒。車重2575kgだということを考えると、唸らざるを得ない。ディーラーで買える最速の4ドアモデル提供するというAMGのプライドは、純EVでも堅持されているようだ。
通常のEQSと、見た目の差別化も忘れていない。フロントバンパーの上には、ワイドなパナメリカーナグリルが鎮座。アダプティブ・デジタルヘッドライトが標準装備される。
両サイドのエアインテークにはスプリッターを備え、内部の可動式フィンがホイールハウス内へスムーズな気流を導く。ボディサイドにはワイドなサイドスカートをまとい、トランクリッドにはスポイラーが付く。リアバンパー下部の造形もAMGのオリジナルだ。
ハイパースクリーンがダッシュボードを占拠
アルミホイールは標準が21インチで、エアロかヘリテイジという2種類のデザインから選択可能。オプションで22インチも選べる。
全体のデザイン処理は効果的といえ、EQSにAMGらしい風格を与えている。だが通常のEQSで選択できる、AMGラインと大きく違わないと感じる読者もいるだろう。
ボディキットの影響で、EQS 53の空気抵抗を示すCd値は、0.20から0.23へ増えたという。フロントグリルはほぼ前面がブランクで、シャシー下面はフラットに仕上げられているのだが。
インテリアは、ボディの見た目以上にスポーティな雰囲気が強調されている。サイドシルのプレートにはAMGのロゴがあしらわれ、AMG専用のマルチファンクション・ステアリングホイールには、ドライブモードを選べるロータリー・コントローラーが付く。
目玉といえるのが、ダッシュボードを占拠する、ハイパースクリーンと呼ばれる幅1.4mにも及ぶ大きなモニター。中央と助手席側はインフォテインメント用で、運転席側のメーター用モニターには、AMG仕様のグラフィックでスピードなどの情報が表示される。
ペダルもスポーティなタイプ。前席はAMGのスポーツシートで、標準では環境に配慮した合成皮革で仕立てられるが、本皮のナッパレザーもオプションで選べる。赤いステッチのコントラストが効いている。
見た目だけでなく、手に触れた感触も隅々まで高級。並べるライバルが限られるほど、豪奢な雰囲気のインテリアだと思う。
駆動用モーターはAMGがチューニング
EQS 53の土台をなすのは、EVA IIというプラットフォーム。広くフラットなフロアが特長で、広々とした車内空間を叶えている。
ゆったりした車内に座ると、巨大なハイパースクリーンに圧倒される。少し時間を費やして、運転支援などの各機能やインフォテインメントを司るMBUXシステムに慣れると、さほど難解なクルマではないことに気付く。簡単ともいえないけれど。
「ハイ、メルセデス」で起動する音声認識機能を介せば、スマートに殆どの機能を操作できる。ただし、話しかけてから実行までの間に僅かな思考時間がある。もう少し反応が早くなれば、より直感的なものになりそうだ。
ステアリングホイールのスポーク部分には、タッチセンサー式のパネルが並ぶ。便利なショートカットも用意されている。
大きく優雅なフォルムのボディには、リフトバック風のテールゲートが開けられ、荷室容量は610Lある。リアシートを折りたためば1770Lまで拡大でき、実用性は高い。
AMG仕様のEVシステムは、2基の同期モーターが主役。リア・サブフレームにメインの駆動用モーターが搭載され、フロント側には高速域などで活躍するひと回り小さいものが載る。一般的な走行条件では、主にリアモーターがEQS 53を動かす。
この駆動用モーターは、通常のEQSより高回転を許容するようにチューニングを受けている。コイルの構造などが異なり、大きな電流を受け入れて強力な磁場を生成。電流を制御するインバーターのソフトウエアも、AMG仕様だという。
バッテリーは107.8kWh 航続距離は最長585km
駆動用モーターの冷却システムも、ローターのシャフト部分などを中心に改良。内部の放熱フィンを増やしたり、インバーターにセラミックを採用するなど、細部まで抜かりはない。シングルスピードATにも、2基目のフルードクーラーが追加されている。
その結果、EQS 53は最高出力658ps、最大トルク96.6kg-mを獲得。通常のEQSより134psと9.5kg-mほど高い。さらにダイナミックプラス・パッケージを指定すれば、先出の最高出力761ps、最大トルク103.7kg-mへ引き上げられる。
ちなみにテスラ・モデルS プレイドでは1020psと141.4kg-m、ポルシェ・タイカン・ターボSは761psと106.8kg-mが与えられている。ライバルもたくましい。
駆動用バッテリーは、電圧400Vで容量が107.8kWh。AMGとしてハイパワーを素早く長時間引き出せるよう、マネージメントシステムにも改良が施されたそうだ。
充電能力は、最大200kWの急速充電器に対応。最短30分でフル充電にできるという。電費効率は、WLTP値で4.1-4.7km/kWh。航続距離は511-585kmがうたわれる。
ドライブモードは、スリッパリー(滑りやすい路面)、コンフォート、スポーツ、スポーツプラスという4種類が基本の選択肢。インディビジュアル・モードも付き、アクセルペダルとステアリングホイールの反応や、サスペンションの硬さなどを個別に指定可能だ。
車重はAMG GT 4ドアクーペより約500kgも重いが、コンフォート・モードでも発進加速は並外れている。トラクションも驚異的で、内燃エンジン版のフラッグシップに並ぶ動的能力を備えていることは疑いようがない。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
ハイブリモードの時はなんともないんだけど、やはりモータードライブの無音感と加速って同乗者には受け入れにくいのかな。確かにエンブレとかもあまり効かないから、何と無くふられるというか、走りにくい部分もあるし。
「従来のイメージ=エンジン=オジサン」から「新しいイメージ=EV=若々しさ」を狙ったのか知らないが、悪滑りしているように感じる。テスラがおとなしく見える。
成金や趣味の悪い中国人にはこれくらいド派手な方が好まれるのだろうか?