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マツダの「ロータリーエンジン」11年ぶりに復活! 2023年3月までに新型車投入を社長明言! どんなモデルで登場?

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マツダの「ロータリーエンジン」11年ぶりに復活! 2023年3月までに新型車投入を社長明言! どんなモデルで登場?

■「RX-8」以来のロータリーエンジン搭載車とは

 マツダの丸本明社長は2023年1月4日、年頭の挨拶をかねて広島市内で記者会見をおこない、広島地元メディアである中国新聞によると、電気自動車の「MX-30 EVモデル」に発電用モーターとして「ロータリーエンジン」を搭載した新型車を2023年3月までに投入することを明らかにしたというのです。

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 この件について同日、マツダ本社広報部に事実確認したところ、これまでに(中期経営計画や新たな技術・商品方針などで)公表してきた内容に沿った発言という回答でした。

 マツダの中期経営計画を振り返ってみると、現行の計画は2019年11月1日に発表されており、そのなかで電動化については「マルチ×EV化」という表現で「商品化に向けて開発中」としていました。

 また、新商品の導入プランを示したロードマップでは、バッテリーEVについて「WITH or WITHOUT RANGE EXTENDER(レンジエクステンダー搭載車と搭載なし)」という表記があり、同計画の発表時点で、事実上、MX-30 レンジエクステンダーを指すことをマツダ側は認めていました。

 さらに、2020年11月9日には中期経営計画見直しを発表。「この先2年」をブランド価値向上への投資の足場固めの時期として、車体とパワートレインについて4つの領域を示しています。

 4つのうち3つは、縦置きアーキテクチャー、直列6気筒エンジン、プラグインハイブリッド/48Vマイルドハイブリッドで、これらはすでに新型「CX-60」で実現しています。

 もうひとつが、ロータリーエンジン技術を活用したマルチ電動化技術です。その投入について、2020年度から数えて2年目となる2022年度末(2023年3月)になるということを、今回の年頭会見で示した形となりました。

 マツダのロータリーエンジン車は、「13B-MSP」型(通称RENESIS)搭載の「RX-8」(2003年4月発売、2012年生産終了:生産台数約19万台)が最後であり、そこから11年目に復活することになります。

■乗用車だけじゃない!? ロータリーエンジンを搭載した意外なモデルも

 マツダのロータリーエンジンの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

 マツダ百年史・正史編によると、1959年12月にドイツのNSU社(およびバンケル社)がロータリーエンジンの開発に成功したと発表したことで、その存在が世界に知れ渡りました。

 これを受けて、当時の東洋工業(現マツダ)がロータリーエンジンに関する調査を開始。1960年9月から10月にかけて東洋工業関係者がドイツでNSU社との技術提携交渉に着手して仮契約し、正式契約は1961年2月27日でした。

 ところが、実用化に向けた研究開発でローターハウジングの内側の壁に金属が接触することで生じる、チャターマークが大きな課題となります。

 そのほか、低回転域でのパワーとトルク不足や振動など課題が山積するなかで、マツダは当時のさまざまな新技術を模索しながら地道な研究を積み重ね、NSU社との正式契約から6年後の1967年5月30日、「コスモスポーツ」が降臨するに至ります。

 搭載エンジンは、単室容積491ccの2ロータータイプ「10A」型で、1972年までに1176台が生産されました。

 その後、1968年7月に「ファミリアロータリークーペ」、1969年10月にはローター径を拡大して単室容積655ccにした「13A」型を搭載した「ルーチェロータリークーペ」、1970年5月には「12A」型搭載の「カペラロータリークーペ/セダン」、1973年には「13B」型搭載の「ルーチェグランツーリスモ」、1978年3月登場の「RX-7(日本名:サバンナRX-7)」では1983年に12Aターボ搭載、そして1990年4月には「ユーノスコスモ」に初の3ローター式となる「20B」型が登場しています。

 また、商用車では1974年に13B型搭載の小型バス「パークウェイロータリー26スーパーデラックス」も発売されました。

 そのほか、モータースポーツの世界では4ローター「R26B」型搭載のプロトタイプレーシングカー「787B」が、1991年ルマン24時間レースで日本車初となる総合優勝の快挙を成し遂げています。

 レンジエクステンダーについては2013年12月、「デミオEV」に単室容積330ccで1ローターのロータリーエンジンを発電機として使う試作車を公開。当時、筆者(桃田健史)は横浜市内のマツダ敷地内で同車を試走していますが、ロータリーエンジンがとても静かだったことを記憶しています。

 その後、2015年東京モーターショーでは、ロータリースポーツコンセプト「RX-VISION」が公開され、その心臓部にSKYACTIV-Rを採用したことが大きな話題となりました。

 結局、同車の量産計画の話はマツダ周辺から聞こえなくなり、その代わりに2020年5月にゲームソフト「グランツーリスモSPORT」(PlayStation4)上で「RX-VISION GT3 CONCEPT」として登場するにとどまっている状況です。

※ ※ ※

 マツダは2022年11月、「中期経営計画アップデートおよび2030経営方針説明会」をおこない、電動化について、フェイズ1(2022年から2024年)では「電動化時代に向けた開発強化」、フェイズ2(2025年から2027年)に「電動化へのトランジション」、そしてフェイズ3(2028年から2030年)を「バッテリーEV本格導入」と位置付けました。

 こうした電動化の歩みのなかで、マツダが独自でおこなう電動化とトヨタとの技術連携という大きく2本立ての戦略を構えています。

 そのうえで、MX-30 EV以外にもロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーの活躍の場が当然拡がるのではないでしょうか。

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みんなのコメント

89件
  • どうせなら発電用じゃなくて、
    低回転域はEV、高回転はロータリーに切り替わるようなエンジンを作って欲しい。
  • 優れたシステムにできたとしても、MX-30だと売れないだろうな。
    CX-5くらいの車体に乗せて、アウトランダーやRAV4PHEVくらいの価格にできたら売れるかも。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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