10月9日、マツダは次期「アクセラ」(海外では「マツダ3」)を日本時間の11月29日早朝(AM1:00予定)に、LAオートショーで世界初公開することを正式アナウンスしました。
そのアクセラが注目されている理由のひとつが、マツダが実用化を進めてきた次世代の燃焼方式を使うガソリンエンジンの「SKYACTIV-X(スカイアクティブ エックス)」を初めて採用すること。このエンジンはアクセラ以降の新モデルすべてに採用されることになります。
■ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い
では、SKYACTIV-Xは従来のガソリンエンジンとは何が違うのでしょうか? まずガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いをおさらいしておきましょう。
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ガソリンエンジン:“燃料=ガソリン”を混ぜた空気を圧縮して、プラグで点火して爆発(火花着火)させる(直噴ガソリンエンジンはちょっと違いますが、プラグで点火するのは同じです)。
ディーゼルエンジン:もっと圧縮して加熱した空気に“燃料=軽油”を吹き、自然に爆発(圧縮着火、自着火)させる。
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…この違いから、高い圧縮状態で自着火させるディーゼルエンジンは、空気をたくさん入れて燃料を薄くできるため燃費が良くなります。また、プラグの火花から爆発が広がっていくガソリンエンジンに対し、高圧高温から爆発が同時多発的に素早く起こるディーゼルエンジンのほうが、力強い爆発が得られることになります。
■理想はディーゼルのようなガソリンエンジン
そこで次世代型のガソリンエンジンは、圧縮をもっと高めてガソリンを自着火させ、ディーゼルエンジンのメリットを持たせることを狙うようになりました。この技術は一般的に「HCCI(ガソリン預混合圧縮着火)」として研究や実用化されています。ただ、ガソリンは軽油より燃えにくく、自着火の制御が難しいため、エンジン負荷のごく軽い状態限定での燃焼として実用化されているのが原状です。
…誤解を恐れずに大雑把に言ってしまうと、この問題を克服するため、あえて点火プラグを併用して、自着火を制御するというアイデアを思いついたのが、マツダのSKYACTIV-Xです。ピストンが(下から)自着火寸前まで圧縮した混合気に、プラグが(上から)着火した火炎の爆発をぶつけることで一気に圧縮を高めて、安定した自着火を実現するわけです。HCCIに一捻り加えたこの技術を、マツダは「SPCCI(Spark Controlled Compression:火花点火制御圧縮着火)」と呼んでいます。
セオリー通りであれば燃費はもちろん、ディーゼルエンジンのような豊かなトルクも期待できそうなSKYACTIV-X。今後は試乗レポートの評価にも注目ですね。
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