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3億円でも庶民派……スーパーカーの新たな価値を提示するEV「リマック・ネヴェーラ」

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3億円でも庶民派……スーパーカーの新たな価値を提示するEV「リマック・ネヴェーラ」

日本初上陸した個体は「アドリア海の真珠」そのもの

スーパーカーや高級中古車の販売を手がけるビンゴは、クロアチアのハイパーEVメーカー「リマック・オートモビリ」の日本代理店を務めることとなった。それに伴い、同社の市販モデル「ネヴェーラ」が日本に上陸した。その発表会に赴いたのだが、実車を前にした感想をレポートしたい。

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既に「デイリーEVヘッドライン」で何度も伝えている「ネヴェーラ」だが、日本に上陸した個体は、東欧クロアチアの美しさそのものをEVで表現していた。「アドリアブルー」と言える瑠璃色のボディカラーに、レンガ色をしたインテリアカラーは、リマックの故郷であるクロアチアの“アドリア海の真珠”と称される都市「ドゥブロヴニク」のイメージである。

上陸した個体はアドリアブルーだが、ボディカラー/インテリアカラー/ホイール/ブレーキ等のカラーは、オーナーの好みに合わせ自由に選ぶことができる。海外では2022年夏より既に納車も始まっているが、150台の限定販売となる。価格は2ミリオン・ユーロ(税別約3億2000万円)と破格である。

ニュル7分05秒298の理由はパワーだけではない

性能も破格で、およそ2,000psというとてつもない高性能パワートレインが搭載され、120kWhのバッテリーで490km(WLTP)の航続距離を持つ。その高性能ぶりの一部を紹介すると、0-100km/hは1.81秒、最高速度は410km/hに到達する。外観で目を引く専用の20インチホイールには、ミシュランの「パイロットスポーツ4S」を履いている。フロントは275/30R20、リアは315/35R20のサイズとなる。

0-100km/hもそうだが、ドイツ・ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでは、量産EVの最速の7分05秒298というタイムを樹立。その秘訣はもちろん2,000psのパワーであることは間違い無いのだが、4つのホイールをそれぞれ独立制御できる「リーマック・オールホイールトルクベクタリング」と「アクティブエアロダイナミクス」と言われる空力性能に優れたボディデザインもあってこそだろう。フロントボンネットとリアウイングは可変式となって走行状態に合わせて可動するようだ。

ちなみにボディはフルカーボンのモノコック構造。高い剛性と軽量化に寄与している。5年という開発期間の中には、45回のクラッシュテストも含まれており、安全性が徹底的に検証されている。

3億円・2,000psでも“普通に乗れる”という価値

ネヴェーラは、直線だけの超性能にとどまらず公道を走るGTカーとしての性能も持ち合わせていると言う。そのためか、いたずらに大径ホイールにせず、20インチにとどめたのも納得できる。わずかではあるが、リアにはボストンバックが2つ程度入るトランクルームが設けられていた。エンジン車では恐らくこのようなスペースはないだろう。

バッテリーは円筒型セルを採用し、独自の液冷液板設計の120kWhのパックとなっている。気になる充電事情だが、今回の個体はEU仕様なので「コンボ2」(CCS2)規格となっていたが、日本仕様は200Vの普通充電に加えて「CHAdeMO」に対応するとのこと。ただ、最高出力500kWの急速充電に対応し22kWのオンボードチャージャーを搭載しているため、リマックがライアンスを組んでいるポルシェの急速充電器を日本仕様でも使えることになるようだ。

このように、3億円・2,000psでも使いやすい工夫がなされている。性能も価格も驚異的だが、日常で使えるような機能性を持たせていることが「ネヴェーラ」の真髄のように感じる。エンジンに気を使わず音も静かなので住宅街でも普通に乗れてしまうのだ。従来のスーパースポーツカーにはない価値である。

ネヴェーラは、現在のところ年40台の生産能力となっていることから、150台が納車されるまでには4年程度掛かることになる。既に日本でも数台を受注しているようで、リマック本社も日本市場での手ごたえを感じているとのことであった。

2,000psと聞けばとんでもない野獣のようにイメージするが、実車は非常にエレガントかつハイパーカーらしいオーラを纏っていた。正真正銘新時代のハイパーカーと言えるだろう。エンジン車では到達できない世界を追求し続けてほしい。

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