ホンダ・レーシング(HRC)は11月11日、ホンダのドライバー育成プログラムであるホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の加藤大翔が、正式にフランスF4シリーズチャンピオンに輝いたことを発表した。
2024年は7大会21レースが開催されたフランスF4。加藤は最終戦のレース3を終えた時点で最多ポイントを獲得していた。ただ最終戦レース1の結果が再審議となり、約1カ月にわたって正式結果が出なかったため、加藤のタイトル獲得は暫定的な状態となっていた。
ホンダ育成の加藤大翔がフランスF4暫定チャンピオンに。熾烈な戦いを制し欧州1年目を終える
フランスのポール・リカール・サーキットで開催された最終戦レース1。0.002秒という僅差で2番グリッドとなった加藤だったが、スタートでは抜群の蹴り出しでターン1のホールショットを奪った。ただ、ポールシッターであり、加藤と同じくシリーズタイトルの可能性を残したヤニ・スティーブンヘイデンスも簡単にはポジションを譲らず、2台はサイド・バイ・サイドのバトルを演じた。
レース1は加藤がトップでチェッカー、スティーブンヘイデンスが2位で続いたが、先述した序盤のサイド・バイ・サイドの際に、加藤がコースオフをしたことに対して、一時は3秒のペナルティが加藤に科されることとなった。これで暫定結果において一時はスティーブンヘイデンスが優勝、加藤が2位という結果に差し替えられたが、修正暫定結果において加藤に対するペナルティは削除され、加藤が優勝へと差し戻された。
しかし、この修正暫定結果に対し再審議が行われることになり、しばしの時間を要することに。最終戦のレースウイーク終了から1カ月が経過した11月8日に、晴れて加藤のシリーズタイトル獲得が確定した。フランスF4における日本人ドライバーのタイトル獲得は、2020年の岩佐歩夢以来で日本人二人目となる。
「初年度でチャンピオンを獲得できたこと、とてもうれしく思います」と、加藤はHRCのレースレポート内でコメント。
「自分のレースキャリアの中で、今年達成したことは大変貴重な経験になると感じています。HRS(ホンダレーシングスクール鈴鹿)時代からお世話になっている佐藤琢磨さんが最終戦に来てくださっていたことも心強かったです」
「今年の活動をサポートしてくれたホンダ、家族、日本をはじめ世界中で応援してくださっていたすべての方に感謝の気持ちを伝えたいです」
加藤は2007年11月25日生まれの現在16歳。2023年にホンダ・レーシング・スクール鈴鹿のフォーミュラクラスで首席スカラシップを獲得。2024年フランスF4で四輪&欧州デビューを果たし、シリーズチャンピオンの座を手にした。
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