欧州域内最高峰、2023年のERCヨーロッパ・ラリー選手権にて、ラリー界に燦然と輝く伝説のファミリーネーム“マクレー”の名が復活する。コリンの甥であり、アリスターの息子である18歳のマックス・マクレーがジュニアERCカテゴリーへの参戦を表明し、全6戦のチャンピオンシップを追うこととなった。
故コリンの父ジミーの系譜に連なり、WRC世界ラリー選手権でワークスドライバーとして戦ったアリスターも含め、その全員がキャリアの中でERCイベントに参戦した経験を持つ一家だが、なかでもマックスの祖父ジミーはシリーズ通算17勝を挙げ、1982年にはドライバーズランキング2位を記録している。
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そんな名門一家出身のマックスは、今季で創設10年目を迎えるジュニアERCカテゴリーへのチャレンジを表明し、2輪駆動規定であるラリー4、またはラリー5モデルをドライブする予定だ。そのジュニアERCは2023年1月1日時点で27歳以下のドライバーが対象となり、マックスは現在の西オーストラリアの自宅からヨーロッパの拠点に移転したのち、3月10~12日に開催されるERC開幕戦『ラリー・セラ・デ・ファフェ・フェルゲイラス』ではなく、ジュニアERCの第1戦となる5月19~21日の『第79回オーレン・ラリー・ポーランド』からの全6戦に挑む。
「ジュニアERCは僕にとって完璧なステップなんだ」と、今季への意気込みを語ったマックス・マクレー。「ここ数年、オーストラリアでの競争は素晴らしいものだったけど、僕はそろそろ移動して、ヨーロッパに向かわなければならないことを知っている。それが今シーズンのすべてさ」
このスポーツのトップレベルに向け、若い才能あるドライバーを育成するというジュニアERCの役割は、マックスの参戦でさらに強固なものとなりそうだ。
「イアン(・キャンベル/ERCマネージャー)のような人々と話すと、ジュニアERCからのキャリアアップの可能性は非常に明確だし、それこそが今、僕が見ているものだ」と続けるマックス。
「カレンダーには素晴らしいイベントがいくつかあり、ポーランドやラトビアの超高速ステージから、ローマやズリンのアスファルトまで、ステージの性質に大きな多様性がもたらされる。そしてもちろん、スウェーデンではまったく新しいロイヤル・ラリー・オブ・スカンジナビアの開催が予定される」
■“眼前のニンジン”はジュニアWRCでのプライズ
そのマックスは、これまでに出場したことのない6つのラリーで経験を積むだけでなく、最終戦後のシリーズチャンピオンに贈られる、2024年のFIAジュニアWRCチャンピオンシップへの参戦権と軍資金という大きなプライズを争う。
「その意味でも、今季のジュニアERC参戦を可能にしてくれているすべてのパートナーとスポンサーに感謝しなければならない」と語ったマックス。
「ヨーロッパ各地で新しいイベントを学ぶ機会は、僕の成長にとって非常に重要だけれど『本当のニンジン』は来季ジュニアWRCでのプライズ・ドライブだ。それは間違いなく、僕らが今年目指しているものさ」
そのマックスとも密にコミュニケーションを取ってきたという前出のキャンベルは、改めてこのジュニアERCが「国内レベルからジュニアWRCを目指すマックスのようなドライバーにとって、最適なプラットフォームだ」と強調する。
「既存のドライバーや、初めて国際大会に挑戦しようとするドライバーから多くの関心が寄せられており、ふたたび素晴らしいジュニアERCシーズンが開催されることになるだろうね」と続けたキャンベル。
「マクレーの名前はラリー界でもっともアイコニックな名前のひとつであり、我々はマクレー・ファミリーが親子3世代にわたってERCで戦うことを、非常に光栄に思っている。マックスは父、叔父、祖父の足跡をたどり、近い将来ERCの表彰台に立つことになるだろうね!」
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