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【懐かしの輸入車 28】サーブ 9-5はマイチェンで走りも内外装もクオリティアップし北欧発の魅力をアピール

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【懐かしの輸入車 28】サーブ 9-5はマイチェンで走りも内外装もクオリティアップし北欧発の魅力をアピール

今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「サーブ 9-5」だ。

サーブ 9-5(2002年)
サーブのアッパーミドル セダン、9-5が2002年モデルでマイナーチェンジされた。一見しただけではフロントまわりが変わったくらいしか2001年モデルとの違いはわからないのだが、変更箇所は1200カ所に及び、価格も引き下げられている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

今回の試乗車は、セダンのアーク3.0tとエステート(ワゴン)の2.3TS。前者は3L V6+ロープレッシャーターボ、後者は2.3L 直4+ターボのパワーユニットを搭載している。マイナーチェンジに伴い、グレード名とバリエーション体系も変更された。

9-5は9000シリーズの後継で、いわゆるアッパーミドル クラスに属する。このクラスの輸入車は、メルセデス・ベンツ EクラスとBMW 5シリーズが双璧をなしており、アウディ A6やボルボ S80あたりでも苦戦を強いられている。9-5も今回のマイチェンを機に挽回を図りたいところだろう。

まずはセダンのアーク3.0t。シリーズ中もっともラグジュアリーなグレードだ。9-5はセルシオよりわずかに大きい堂々たるサイズなのだが、サーブのアイデンティティでまとめられたフロントマスクや角を丸めたデザインにより、実寸よりはコンパクトに見える。だが室内は十分に広く、しかもクオリティは従来型より確実にアップしている。

ロープレッシャーターボとは、V6エンジンの片側3気筒の排出ガスでターボを稼働させ6気筒すべてに加給をかけるというシステムだ。これを装着された3LのV6 DOHCはきわめて滑らかで、このクルマの性格によく合っている。より排気量の大きな自然吸気エンジンのようなフィールで、自己調整型となった5速ATとの相性もいい。

ハンドリングは素直で、乗り心地もいい。標準装備の本革シート(もちろん電動アジャスト&シートヒーター付き)やウッドパネルを奢られた広い室内は、運転していても楽しいがリアシートでゆったりとくつろぐのも悪くない。

続いて、エステートの2.3TS。排気量は前述のV6より小さいが250ps/35.7kgmを発揮する直4ターボはきわめてパワフル。低速域で少しガサツな印象があるが、その加速感はハンパではない。大柄なワゴンだからたいして速くないだろう、なんて思いがちな周りのクルマを尻目に、ハイウエイではレガシィ ツーリングワゴンGTのボディサイズをふたまわりほど大きくしたかのように走り抜ける。受注ながらMTが設定されているのも分かるような気がする。

セダンに比べるとルーフレールの分だけ車高は20mm高いが、それ以外の外寸は同じ。セダンのトランクも広いが、エステートのラゲッジスペースはフル乗車でも890L、リアシートをたためば2000L以上にもなり、とてつもなく広い。フロアボードはスライディング式で、けっこう便利だ。

セダンでは後方視界が少し悪いとか、ワゴンではゲートが外から開けられないなどの欠点もあるが、9-5は全体的に良くできたクルマだ。惜しむらくは個性に乏しく、絶対にこのクルマがいい!と思わせるサムシングに欠けること。「サーブ」というブランドのイメージを再構築することが、インポーターにとっては最大の課題なのかもしれない。

サーブ 9-5 アーク3.0t 主要諸元
●全長×全幅×全高:4830×1795×1475mm
●ホイールベース: 2705mm
●車両重量:1610kg
●エンジン形式:V6・DOHCターボ・横置きFF
●排気量:2962cc
●最高出力:147kW(200ps)/5000rpm
●最大トルク:310Nm(31.6kgm)/2500rpm
●トランスミッション:電子制御5速AT
●タイヤ:215/55R16
●車両価格(当時):515万円

[ アルバム : サーブ 9-5 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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