BAJA1000実録 vol.2「500マイル地点へ…、真っ暗な早朝に出発し、そして日は暮れていく」

さて、大雨のためスタートが24時間、丸1日延期となった第52回BAJA1000。2輪とQUADのスタートは11月23日AM3:00との公式通知が出ました。

1日スタートがずれる、との通知

所々のコースカットやルート変更についての説明、ミーティングは22日19:00～と通達があり、言葉がわかる人間がミーティングへ、他の面々はホームで待機し報告を待ちます。
「食っとく？」
「寝ちゃう？」
「もう寝る時間無いでしょ？」

英語が堪能で、みんなの通訳として大活躍してくれたkumiちゃん

オフロードバイク乗り。ハードエンデューロが大好きなkumiちゃん要チェックです

正確なGPS情報（※地図を使わず、乏しいコースマーカーだけで進むBAJAでは、スタート前に公式WEBで正確なルートのGPS情報をもらえるのです。ライダーはそれをガーミンとか時前の何かしらの機器に入れて走るわけです）もわからないまま、ミーティングに行ったサポートメンバーが帰って来たのは21:00近く。スタートまで5時間もありません。私が知っている限りサポートカーは1台で、とにかくライダーを追っかける事を考えれば良いのですが、今回のTeamZIPはサポートカーが3台もあり、それぞれの車がどこで待機するか、ライダー交代はどこにするか決めなければいけません。

ライダーの1人、橋口宏二は北海道選手権などで活躍していたのですが、2001年レース中の事故により左腕機能を全て失ってしまいました。6年の歳月を経てリクルス付きバイクで道内のオフロードレースに復帰している不屈のライダー

今回のマシンはKTM500EXCのリクルス（セミ・オートマチックシステム）付き。リクルスのおかげで橋口は安心して走る事ができるのですが、ライダー交代の度に橋口専用シートに交換しなければならずライダー交代ではシートなどの荷物運びも慎重に考慮されました。

深夜までサポート隊のマックスとスティーブの綿密な打ち合わせが続きます

深夜遅く、というべきか朝早くに完成したライダー交代プラン。到着予想タイム、チェイスカー配置を記した地図

11月23日AM2:15ホームを出発しスタート会場へ。スタートライダーはBAJA初参戦の木口雄介。
今回はMoto総数が60台程と非常に少ないためスタート進行もサクサクすすみます。緊張よりも震える寒さと真っ暗な中、みんなに見送られド派手にチカチカ光るスタート台から「GO！」の合図で出発。私たちチェイスカーもそれぞれのピットサポート地点へ。

真っ暗な中眩しいBAJAライトで誰が誰だかわかりません

RM75。最初の交代地点へ
AM6：00最初の交代地点Sto.TOMAS。RM（RaceMile）75

ここは国道1号線沿いで一般の車もよく通る道。そろそろ夜が明けてくる午前6時。ライダー交代地点で、通り過ぎたり見つけられない事がおきないようにボードを持って木口が来るのを待ちます。第2ライダーは橋口。

淡々と準備を進める橋口

来た！　時間通りの木口。手早く夜用BAJAライトから昼用のノーマルヘッドライトとシートに変更

RM135。海が見えるBAJAらしいポイント
橋口を見送り次の交代地RM135へ。国道を南下し、脇道にしばらく西に進み海が見える開けた場所にBFGPITが見えてきました。

BAJAらしい場所だけど、とにかく台数が少ないのでがらんとしていて寂しいですね。想定より早めに橋口が戻り、小谷に交代。

シャチョウ登場！
次は海沿いをSanQuintinまで南下し、チェックポイントで北村ことシャチョウに交代です。海沿いのガレ山道が一つ目のネックになると思われていたのですが、あまりの悪路になりキャンセルになったため、小谷は難なく通過。措定時間より相当早くチェックポイントで社長と交代できました。シャチョウは時間の余裕を持ってMikesSkyRanchへの山超えへ。

私の乗ったチェイスカーは、これ以上南下すると待ち合わせ場所のMikesSkyRanchの出口に間に合わなくなるので、来た道をスタート地点のエンセナダまで戻ります。

明け方通ったとき工事のため片側通行で通行止めにしていた道路は大渋滞

朝9時スタート（Motoより6時間遅れ）した4輪のサポート達が対向車線で動かない渋滞にウンザリしていた。彼らはサポートに間に合ったのかな…？（間に合わなかったチームもあったようです）

レッツ・バハランチ
さて、頑張って走っているライダーとは夕方まで離れるので、のんびり食事でも。

BAJAに行った事がある人ならお馴染みで見覚えのある道ですよね。オホスネグロス

オホスの検問所手前に友達の新しいレストランができたからそこに行きましょう、と地元ドライバーのベポが言うので行ってみると父と娘で作り上げ、手作りで立てたというレストラン。

何食べても美味しいです。ピーマン、牛肉、たまご炒めたモノ、自家製ピクルス乗せサラダなど

こんな田舎ですがinstagramで宣伝してねって言われちゃいました。お店の名前はShawiicocinabc。
BAJAに行ったら是非寄ってみて下さい！

その頃ライダー達は太平洋を離れカルフォルニア湾方面へ走っているハズ。シャチョウが無事マイクススカイランチを越えて国道にできてきたとの無線連絡を聞き、一安心。

再び橋口が国道を走り、日没の頃2度目の木口にライダー交代。スタートも暗かった木口のBAJAは暗闇ばかりとなってしまいました。ルートはサンフェリーペより南のマトミウオッシュと呼ばれる延々60km以上も続く天然のウオッシュボード（波打つデコボコ道）に向かうのですが、ルートが水没していたり、危険と判断されたためにプロクラスもルートがショートカットされました（※これによりプロクラスはとんでもない速さでゴールすることになるのだ！）。
雨で流されたウオッシュボードのデコボコは、高低差が低くなり、走りやすかったと言っています。

RaceMile500を超え夜が来ました。レースはいよいよ終盤へ！

Comments

BAJAっていう名前だから、モンキーバハで走ってみたい。(KSR-2でも可)