長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回はエミリア・ロマーニャGPの週末を振り返る。
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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第6戦】運だけでなく実力で初優勝のノリス。メルセデスの間に割って入った角田
今年のイモラは、多くのコーナー外にグラベルトラップが設置された。そのため、ドライバーにとってはわずかなミスでも大きな代償を支払うことになり、イモラは今まで以上にチャレンジングなサーキットになった。
【2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ベスト5ドライバー】
■評価 10/10:ピアストリは、ペナルティがなければ優勝争いをしていた
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選2番手/決勝4位
そんなコースでのF1レースを初めて経験したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が良い成績を収めたことは、非常に印象的だ。ピアストリは重要な場面で一切ミスをせず、予選でチームメイトに勝ち、決勝ではトップ5のなかでポジションを上げた唯一のドライバーだった。予選でチームとのコミュニケーション不足によりペナルティを受け、フロントロウから外されたことは残念だった。それがなければ、マックス・フェルスタッペンにとっては、ノリスよりも手強い相手になったかもしれない。
■評価 9/10:珍しいミスもあったが、走りはいつもどおり素晴らしかったフェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は金曜は不調で、フロントエンドのグリップ不足に苦しみ、苛立ちを募らせていた。決勝最後の10周では、ランド・ノリスとのギャップを維持しつつ、バックマーカーに対処しなければならず、その際の彼は、プレッシャーに弱い部分があると感じさせたものの、それがドライビングに反映されることはなく、走り自体はいつもどおり素晴らしかった。予選Q3でのラップは、トウを利用したかもしれないが、見事なものであることに変わりはない。レース序盤に珍しいミスを犯し、トラックリミットを3回超えたため、レース後半には、5秒のタイムペナルティの危険にさらされながら走ることになった。
■評価 9/10:タイヤ管理のうまさで勝利に近づいたノリス
ランド・ノリス(マクラーレン):予選3番手/決勝2位
ランド・ノリス(マクラーレン)が終盤にフェルスタッペンに迫ったため、レースは非常に盛り上がった。マイアミでの勝利がまぐれではないことを、ノリスは今回のパフォーマンスで示した。予選ではピアストリに負けたものの、決勝では上位勢のなかでタイヤマネジメントが最もうまく、それが好結果につながった。フェルスタッペンのDRS圏内に入れたのが最終ラップだったため、本格的なバトルをするには遅すぎた。しかし彼はこの3戦でフェルスタッペンにとって最大の挑戦者として存在感を示している。
■評価 8/10:マシンの力で可能な最高の結果を出したルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選4番手/決勝3位
シャルル・ルクレール(フェラーリ)はこの週末、チームメイトより速さはあったものの、ポールポジションや優勝争いに加わることはできなかった。セクター1でトップスピードが足りず、予選で苦戦。ピアストリのペナルティにより3番グリッドから決勝をスタートし、レースの大半でノリスに挑戦したが、2セット目のタイヤを酷使しすぎて、ミスを犯した。その後は、SF-23で達成可能な最高位の3位を獲得した。
■評価 8/10:1ラップの速さが際立つ角田裕毅
角田裕毅(RB):予選7番手/決勝10位
角田裕毅(RB)はいまや、このランキングのトップ5の常連になりつつある。角田の予選の1ラップの速さを見ると、チームメイトの走りが平凡に見える。メルセデスを1台しか倒せなかったと悔しがっていたことから、角田のイモラでの好調さがわかる。決勝ではスタートがうまくいかなかったことで、ダメージ・リミテーションのレースとなり、1ポイント獲得にとどまった。ニコ・ヒュルケンベルグをアンダーカットする必要があり、早めのピットストップを行い、ヒュルケンベルグの前に出ることはできた。しかし終盤にタイヤのグリップが尽きたことで、ストロールに9位を奪われる結果になった。
【ベスト6以下のドライバーとその戦い】
カルロス・サインツ(フェラーリ):予選5番手/決勝5位
=評価 7/10:予選でもレースでもルクレールにおよばなかったが、フェラーリに貴重なポイントをもたらした。
ジョージ・ラッセル(メルセデス):予選6番手/決勝7位
=評価 7/10:週末を通してハミルトンより速さがあった。決勝では追加のピットストップを行い、ファステストラップを記録したが、ポジションはチームメイトの後ろに下がった。
エステバン・オコン(アルピーヌ):予選12番手/決勝14位
=評価 7/10:予選でチームメイトに勝ち、レースでも奮闘したが、ポイント圏内に入れるだけの速さがなかった。
ルイス・ハミルトン(メルセデス):予選8番手/決勝6位
=評価 6/10:予選ではラッセルに負け、レースでは大きなミスを犯した。ただ、最終スティントでは素晴らしいスピードを見せ、依然として彼が速いドライバーであることを思い出させた。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):予選10番手/決勝11位
=評価 6/10:予選で再び速さを発揮したが、決勝では角田のアンダーカットを防ごうとして失敗、ポイントを逃した。
ケビン・マグヌッセン(ハース):予選18番手/決勝12位
=評価 6/10:予選ではピアストリにブロックされ、Q1で敗退。レースで素晴らしいリカバリーを見せてヒュルケンベルグの後ろでフィニッシュした。
ランス・ストロール(アストンマーティン):予選13番手/決勝9位
=評価 6/10:今回もQ2で敗退したが、決勝ではペースが良く、タイヤ管理もうまくやり、終盤に良い動きを成功させて、実力で9位を獲得した。
アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選14番手/決勝リタイア
=評価 6/10:予選ではQ2に進出。決勝ではピットストップでのトラブルでチャンスを失ったが、その後も貴重な情報を提供してチームメイトを助け、素晴らしいチームプレイヤーであることを示した。
ダニエル・リカルド(RB):予選9番手/決勝13位
=評価 5/10:プラクティスでは迷走しているように見えたが、予選で大きな飛躍を遂げて、Q3に進出した。それでもチームメイトのペースには届かなかった。スタートで出遅れてチャンスを失い、タイヤマネジメントがよくなかったこともあり、ポイント争いには加われなかった。
ピエール・ガスリー(アルピーヌ):予選15番手/決勝16位
=評価 5/10:オコンよりも速かったが、Q2で大きなミスを犯し、そこから立ち直ることができなかった。
バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):予選16番手/決勝18位
=評価 5/10:チームメイトより速さがあったものの、またもや決勝1周目がうまくいかず、早めのピットストップが痛手となって、最後の10周はポジションを落とし続けた。
周冠宇(キック・ザウバー):予選17番手/決勝15位
=評価 5/10:予選Q1ではボッタスと近い位置にいた。決勝ではより優れたタイヤ戦略で走ったことで、ボッタスより前でフィニッシュすることができた。
ローガン・サージェント(ウイリアムズ):予選20番手/決勝17位
=評価 5/10:予選Q1ではトラックリミット違反によりクイックラップがすべて抹消された。決勝ではうまく挽回していたが、終盤、タイヤが終わってしまった。
セルジオ・ペレス(レッドブル):予選11番手/決勝8位
=評価 4/10:チームメイトがポールポジションを獲得するなかで、Q2で敗退。決勝最初のスティントでは、プレッシャーがかかった状態でもないのにコースオフ、8位より上のポジションを競うことができないまま、フェルスタッペンから54秒以上遅れてフィニッシュした。
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):予選19番手/決勝19位
=評価 2/10:記憶にある限り彼にとって最悪の週末を過ごした。プラクティスと予選で3回もコースオフ。決勝はピットからスタートし、最後まで最後尾から抜け出すことができなかった。アロンソのような偉大なドライバーにとっては異例の惨事だった。
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