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マクラーレン、カナダGP序盤の好ペースはレース展開に要因あり。純粋な速さはメルセデスに軍配か「彼らはノリスの前でフィニッシュすべきだった」

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マクラーレン、カナダGP序盤の好ペースはレース展開に要因あり。純粋な速さはメルセデスに軍配か「彼らはノリスの前でフィニッシュすべきだった」

 マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、F1カナダGPで2位に入ったランド・ノリスについて、戦略のタイミングが少しずれたことによって勝利を逃したという論調があるものの、実際にはメルセデスにも劣っていたはずであり、勝利を逃したという見方とはまた違った角度で今回のレースを見ていると明かした。

 F1カナダGPは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレン勢、メルセデス勢が優勝争いを繰り広げる手に汗握る展開となった。その中で、優勝にかなり近付いていたと言われるのがマクラーレンのランド・ノリスだ。

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 レース序盤の雨上がりのコンディションでフェルスタッペンとジョージ・ラッセル(メルセデス)を交わしてトップに立ったノリス。その後ローガン・サージェント(ウイリアムズ)のクラッシュでセーフティカーが出たが、その際ノリスは既にピットレーン入口の目の前まで来ていたこともあり、ステイアウトするしかなかった。その後ノリスは、ライバルより1周遅くピットインしてタイヤを交換したが、これでフェルスタッペンとメルセデス勢の後ろに回る格好となった。

 レース後半に各車がドライタイヤに変えたタイミングでも、ノリスはピットインを先延ばしにした。結局フェルスタッペンから2周遅れてピットインしたノリスだったが、フェルスタッペンから首位を奪い返すことはできず……あと1周早くピットインしていれば勝てたのではないかと、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は評価している。結局ノリスは、2位でチェッカーを受けることになった。

 ただマクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、それが優勝を逃した決定的な要因だとは考えていない。今回のレースでは天候やセーフティカーなど様々な要因が絡んだが、そもそもレース後半のドライコンディションではメルセデス勢のペースが速く、本来であれば彼らの先行を許していてもおかしくはなかったと考えているのだ。

 1回目のピットストップ以上に、マクラーレンが勝利を逃す要因になった部分はあるかと尋ねられたステラは、次のように答えた。

「レース後半は関係ない。レース後半には状況が色々と展開したが、いずれにしても本来ならばメルセデスはランドの前でフィニッシュすべきだった」

「我々はセーフティカーが出た時にできることを最大限やったと思う。セーフティカーが出ていなければ、ランドは大きなアドバンテージを積み上げた結果、ドライタイヤに履き替えて最後まで走り切ることができたと思う」

 そう語ったステラだが、路面が乾いていくにつれてメルセデス勢のペースが上がっていったため、例えセーフティカーが出なかったとしてもノリスの勝利は保証されなかっただろうと付け加えた。

「メルセデスは(セーフティカーが出なくても)追い付いたと思っている。彼らは我々よりもコンマ数秒速かった」

「無事に最後まで(トップを守って)走り切るには、それなりのアドバンテージが必要だった。しかしながら、こういったセーフティカーが2回も3回も出るようなレースでは、そういったことを事前に予測しておかないといけないし、天候も影響も絡んでくる」

「色々なシナリオがあるレースになることは分かっていたし、最終的にはこの結果に満足している」

 マクラーレンの2台は、濡れた路面がやや乾いてきたタイミングで速さを見せ、インターミディエイトタイヤでライバルを圧倒し始めていた。実際ファーストスティントでのノリスは、トップに立ってからフェルスタッペンとラッセルを置き去りにするようなペースを見せた。

 ただレース中盤には再度雨が降り始めるという予報があったため、戦略面では複雑な状況と言えたが、ステラはマクラーレンが序盤に速さを見せた要因について、序盤にかなりタイヤをセーブしていたと説明した。

「30周目ごろに予想されている雨に(ピットインのタイミングを)合わせることは簡単ではないと分かっていた。インターミディエイトタイヤをそこまで長く持たせるのは難しいと思われたからだ」

「だからプレッシャーもなかったし、我々は相当早い段階、何ならそれが必要ではないような段階からタイヤをセーブし始めた。コールドパッチやウエットパッチを見つけてはそこを通り、路面状況が厳しくなった時にもタイヤが良好なコンディションを保てるようにしたんだ」

「魔法にかかったわけでもない。ただ最初のスティントは後方からプレッシャーをかけられる立場になかったため、ロスなくこのような戦略を取ることができたというだけだ」

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