愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第26回の後編。小柳ルミ子さんが仕事で愛用していたクルマを振り返る。
堺正章さんの影響を受けたジャガー
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前編では、小柳ルミ子さんのプライベートの愛車を語ってもらった。後編では、後席に座る仕事用のクルマを振り返る。
前編に続き、当時のヤナセの府中支店で小柳さんを担当していた宮下清弘さんが、解説する。
「仕事用のクルマとして、小柳さんにメルセデス・ベンツの『Sクラス』を2台お納めしました。その後で、ジャガー『XJ』になったと記憶しています」
なるほど、W126型と呼ばれる2代目のSクラスを2台乗り継いで、ジャガーXJのシリーズIIIに換えたという流れだ。
宮下さんの発言を受けて、小柳さんはこう語る。
「Sクラスもすごく気に入っていたんですが、当時、1980年代の初めだったと思うんですが、堺正章さんがジャガーにお乗りになっていたんですね。それがとても素敵で、私も真似したいと思ってジャガーを選びました」
そう言ってから、小柳さんは撮影用のジャガーXJ6の後席のドアを開けた。
「ジャガーは完全に仕事用で、私はハンドルを握ったことがないんですよ。だからジャガーに関しては、後席の記憶しかありません」
ジャガーの後席に座るようになってから、小柳さんにはとある変化を感じたという。
「乗り込むときも、降りるときも、映画のワンシーンのように感じたんです。デザインに品のよさがあるし、内装の素材もとても上質で、映画の主演女優のような気持ちにさせてくれました。私は、芸能人である以上は自己投資をしなければいけないと思っているんです。いいクルマに乗らなければ一流も二流もわからないですし、それは洋服や身につけるものも一緒で、一流のものを知っているからこそ二流や三流がわかる。自己投資をして豊かな生活を知ることで、お芝居とか歌といった表現の幅が広がると思っています。だからジャガーから降りるときのエレガントな気分はステージのパフォーマンスにあらわれていたはずです。私生活と表現活動は、全部つながっていると思います」
そういってから、後席に座った小柳さんはジャガーXJのインテリアの手触りを確認した。
「イギリスのクルマらしい気品というか、この雰囲気が大好きでした」
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長いモデルライフの間に何度か大きな変更を受け、小柳さんの愛車だったXJ6は、1979年に大がかりなマイナーチェンジを受けたシリーズIIIというタイプだ。
「ものすごく気に入っていたんですが、ある日、ロケで遠出をしたとき、山の中で止まってしまったんです。電気系統が弱いという話は聞いていたんですが『いよいよ、きたか』と。繊細な子だったんです、ジャガーは。仕方なくクルマを置いて、マネージャーとふたりでタクシーに乗って目的地に向かいました。仕事用のクルマですから、故障などで遠出が不安になってしまうと困るじゃないですか? このことがきっかけでジャガーは“引退”することになりました」
小柳さんは、あまりにジャガーXJ6が気に入っていたために、その後の仕事用のクルマの記憶が曖昧だと笑った。
「そうそう、ハナ肇さんに、『ルミ子、センチュリーは足が伸ばせていいぞ!』と、薦められて、トヨタ『センチュリー』に乗っていた時期もありました」
先代までのセンチュリーには、助手席バックレストの一部が倒れ、足を伸ばせる仕掛けが搭載されていた。
「確かに、助手席を前に出すと後席がとても広くて、くわえて足を伸ばせるのが気に入って購入しました。すごく便利で快適だったんですが、ちょっと私には似合わなかったかな(笑)。公用車として海外の要人をお乗せするとか、ビジネスにはよさそうですけれどね」
訊くと、プライベート用も仕事用も、クルマはすべて小柳さん自身によるセレクトとのこと。
「仕事用のクルマも、基本的には全部私が選んでいます。歴代のなかでも、やっぱりジャガーが1番記憶に残っています。あとはSクラスの安心感、信頼感ですね」
そう言ってから小柳さんは、撮影用のジャガーXJ6に視線を送った。
「オーナーの方はすごくきれいに乗っていらして、こういうクルマを見るともう一度、ジャガーに乗りたくなりますね」
カメラマンが、ジャガーXJの前に立つ小柳さんに、「カメラ目線でお願いします」と、声をかけた。
ジャガーXJ6と小柳ルミ子さんのツーショットは、ご本人が言うように、映画のワンシーンのようだった。
小柳ルミ子(こやなぎるみこ)1970年、宝塚音楽学校を首席で卒業し、NHK連続テレビ小説「虹」でドラマデビュー。1971年4月25日「わたしの城下町」で歌手デビュー。同年、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。以降「お祭りの夜」、「瀬戸の花嫁」(日本歌謡大賞受賞)「星の砂」「お久しぶりね」など多数のヒット曲を輩出し、NHK紅白歌合戦に18年連続出場。また、俳優としても映画『白蛇抄』での迫真の演技により日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。歌手、俳優としてマルチに現在も活動を続ける。現在、テレビ朝日で放送中の『ルミ子の食卓』(毎週金曜深夜1:20~)に出演中。公式InstagramやブログといったSNSでも日々、さまざまな情報を発信し注目を集めている。
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文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ) 撮影協力・ヤナセクラシックカーセンター
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