元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンが、近日中に開胸手術を受けることが明らかになった。コバライネンとともにJRC全日本ラリー選手権に参戦しているRally Team AICELLOは3月6日、SNSを通じ、彼の病状と治療方針を示すチームリリースを発行。この中で現シリーズチャンピオンが胸部上行大動脈瘤の診断を受けたことを公表した。
コバライネンはF1でのキャリアを終えたのち、2015年に日本のスーパーGTへの参戦を開始。2年目となる翌16年には、平手晃平とのコンビでGT500クラスのシリーズチャンピオンに輝いた。
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また、同年から全日本ラリーでのキャリアをスタートさせると、コドライバーの北川紗衣とペアを組んだ2021年にJN-2クラスで全戦優勝を達成し、この年のシリーズチャンピオンに。翌年には最高峰クラスのJN-1にステップアップした。Rally Team AICELLOが走らせるシュコダ・ファビアR5でトップカテゴリーに挑んだコバライネン/北川組はここでも強さを発揮し、JN-1参戦初年度で戴冠。さらに、2023年も最終戦を待たずにシリーズ2連覇を決めている。
迎えた今シーズンについては、チームとコドライバーはそのままに、マシンを初期型のシュコダR5から最新のカスタマーラリーカーであるトヨタGRヤリス・ラリー2にスイッチしてシリーズにフル参戦するほか、11月に行われるWRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』にも3年連続で出場する予定であるとアナウンスされていた。
その一方、チームはシーズン開幕前の健康診断にてコバライネンの身体に問題が発見されたため、フィンランド人ドライバーと相談したうえで開幕戦『ラリー三河湾2024』では代役を立てることを決断。実際、3月1~3日に愛知県蒲郡市で行われた同イベントには、ベテランラリードライバーの田口勝彦と北川のペアがGRヤリス・ラリー2で出場した。
6日(水)に発表された声明によると、開幕戦への出場を見送ったコバライネンが精密検査を受けたところ、胸部上行大動脈瘤が発見されたという。これは心臓から送り出された血液が最初に通る、人体でもっとも太い動脈が何らかの原因で膨らんでしまう病気で、瘤化した箇所が破裂すれば死に至る可能性もある。
チームリリースを通じて「私自身、非常に驚いている」とコメントしたコバライネンは、家族やチームと相談したうえで早期の活動再開を目指し、積極的な治療をすることを選択した。
これにともない、チームは第2戦唐津以降の活動について「判断に迷う時期もあった」としながらも、彼の復帰を全力をサポートするべく引き続き全日本ラリーのキャンペーンを継続することを決め、次戦以降もAPRCアジア・パシフック・ラリー選手権2冠王者の田口とともに新型GRヤリス・ラリー2の理解を深め、このニューマシンを熟成させていく方針を示している。
コバライネンは自身の病気について次のように説明した。「自覚症状はなく日常生活に問題はないが、ハードなスポーツは医師に止められている状況だ」
「この状況をなるべく早期に解決するために医師と相談を行った結果、外科手術を受けることを決断した」
42歳のフィンランド人は2024年シーズン中の復帰を目指しており、コメントの最後には「必ず帰ってくる」という力強い言葉が添えられた。
「僕の目標はもちろん、今シーズン中にRally Team AICELLOととも全日本ラリー選手権に復帰することだ」とコバライネン。
「一旦治療に専念することになるが、必ず戻ってくる。皆さんとまた会えるのを楽しみにしている」
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みんなのコメント
早期に見つかってよかったね
でも彼が不出場で日本のラリーのレベルが一気に落ちるな・・・
頼みは大輝と修ちゃんだけや