ちょっと無理しすぎなピックアップトラック
クルマは個性を主張するツールでもあるから、ありふれた選択を避けたいと思うのは世の常である。あるいは、人と違う個性をアピールするためにカスタムするのもまた、クルマ好きにとっての常套手段だ。それでも選択や手法が他人とかぶるのを避けるのは難しい。ならばいっそのこと振り切って「個性的」を飛び越し、破天荒とさえ思わせる選択はいかがだろう。そこで、ラゲッジを荷台にリフォームした「ちょっと無理やりピックアップトラック」をクローズアップしてみた。
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【ダイハツ・ハイゼットデッキバン】バン+荷台
軽トラでもなく、軽バンでもない。現在、新車で買える選択が「ダイハツ・ハイゼットデッキバン」だ。ハイゼットバンのCピラーから後ろの車体上部を大胆に取っ払い、荷室部分をデッキスペース化した4人乗りの軽商用車だ。肝心の荷台は長さ850mm、幅が1360mm、高さは590mmに設定され、最大積載量は250kg。プロが使うにはやや小さめの荷台だが、趣味の道具としては十分に使えるはず。 今どきは軽自動車クラスにもハスラーやタフトといったアクティブユースを想定した車種がラインアップされるが、それらよりも遥かに個性的であることは言うまでもない。趣味特化型なので快適性には目をつぶる必要があるものの、趣味の世界がグーンと広がるのは必至だ。カスタムベースとしても面白い素材になるだろう。車両価格は130万9000円~164万7800円で、全車にスマートアシストIIIが装着される。
【トヨタbBオープンデッキ】コンパクトカー+荷台
変わり種が揃う「ちょっと無理やりピックアップトラック」のなかでも、さらに尖った車種がご所望ならば「トヨタ・bBオープンデッキ」は格好の選択だ。bBオープンデッキは、初代bBの1グレードとして2001年に追加された。 「ゆるキャン△」効果で一大キャンプブームが巻き起こっている今なら、アウトドドアライフの相棒として有力な候補になるかもしれない。しかし当時はユニークなコンセプトが注目こそ集めたものの販売は低迷し、登場から2年ももたずに生産終了となってしまった。とはいえ、アクの強いスタイルは生産終了から20年を経た今でもまるで色褪せず、むしろ販売不振だったことが転じてレアキャラとなり、中古車市場における相場は年式のわりに高値となっている。アウトレジャーでのベースキャンプにするもよし、車高を下げたり上げたりするもよし。遊び人の遊び心を満足させる1台と言える。
【スバル・バハ】ワゴン+荷台
異なる要素が互いの境界線を超えて混じり合うことをクロスオーバーといい、流行りのSUVクラスでは、このタイプが主流となっている。このジャンルにおいて、国産メーカーとして先見の明があったのがスバルだ。1995年にレガシィにSUV的要素をプラスしたレガシィグランドワゴン(後にランカスターに改名)を発売したが、これをベースに荷室を荷台に変えたピックアップトラックとして登場したのが「スバル・バハ」だ。 顔はレガシィのそれで、ラゲッジスペースだった部分を取っ払って荷台にしたスタイルは、少々違和感を覚えるが荷台はそこそこ大きい。後席が倒れて荷台スルーができるので長尺物も積載できる。エンジンは名機EJ型の2.5Lを搭載するので、4名乗車で荷物満載でも動力性能に不満はないだろう。 駆動方式は4WDだからオフロード走行もこなせるので、SUV的に使いたいというニーズを満たすはず。日本未導入なので入手が困難なのが玉にキズだが、それゆえ他とかぶる可能性は極めて低い。
まとめ:ちょっと外した「なんちゃって」感が魅力
いずれも本格派のピックアップトラックのようにプロユースが前提ではないため、便利に使いたいというニーズには適さないというのが正直なところ。しかし、そもそも個性を主張するための選択に利便性とか快適性なんてのは度外視上等! 不便すら楽しみに変えるおおらかなマインドを持つことが「ちょっと無理やりピックアップトラック」を嗜むための心得と言えるだろう。
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みんなのコメント
ところがこのお米屋さんのデッキバン、車体の前後に「危」のマークが…
そう、そのお米屋さんは灯油も扱っているので、荷台には灯油のポリタンク
スライドドアのある後席には米袋を積んで配達してるんですね。
以前は軽トラに積載式のローリーを背負って町内を巡回していたのですが
灯油の需要が減って今では予めポリタンクに詰めて配達するようになったとのこと。
軽トラほどたくさんのポリタンクは積めないけど、同じ車両でお米も配達できる
ので便利だと仰ってました。
こうしたユーザーの実情を製品によく反映してるのがダイハツの強みですね。
うまいこと「二兎」をつかまえた、と…w