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【ここまで進化】ロータス・エヴァイヤのコンフィギュレーター まさに本物を再現

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【ここまで進化】ロータス・エヴァイヤのコンフィギュレーター まさに本物を再現

あまりにもリアル

リアルタイム社という小さな企業が創り出したコンピューター・アニメーションの素晴らしさを理解出来ないだろうと書くところだったが、実際にはそんなことはない。

【画像】エヴァイヤのコンフィギュレーター 全5枚

まさに、それが彼らの実力を表している。

「素晴らしいコンピューターグラフィックス(CG)というのは、スポーツにおける有能な審判のようなものです」と、リアルタイム社で顧客サービスの責任者を務めるポール・マックスウィーニーは話す。

「普段は意識しませんが、すぐに信頼できます」

彼らは巨大な自動車メーカーを支える小規模な専門家集団の1社であり、大抵は極秘裏にメーカー内部に入り込んで仕事を行っているため、その名がひとびとに知られる機会はほとんどない。

リアルタイム社ではTVや映画、ゲーム、さらには自動車業界向けにCGI(Computer Generated Imagery:コンピューター生成イメージ)を提供している。

インターネットで見たそのあまりにもリアルな映像に衝撃を受けたわたしは、ブラックプールから数kmの距離にある農地に囲まれた元倉庫だった彼らのオフィスを訪ねることにしたが、本当にこんな場所であれほどの映像が創り出されているのかと思わずにはいられなかった。

建物のなかにはコンピューターが列を成しており、巨大なスクリーンとコンピューターが発する熱、さらにはその作動音がここで行われていることを示している。

ここには大量の処理能力と頭脳が詰め込まれているのだ。

ゲーム用高性能ラップトップ

リアルタイム社が手掛けたBBCのSFドラマ「宇宙戦争」や、こども達の間ではお馴染みのゲームソフト(グリッドやエバーワイルド、ゲーム・オブ・スローンズ、ジュラシック・ワールドシリーズなどだ)を見たことが無くても、1台のクルマに200万ポンド(2億5648万円)を支払うつもりなら、それは彼らの力でもある。

リアルタイム社では世界でもっとも先進的なコンフィギュレーターを創り出すことに成功しているが、ゲーム用高性能ラップトップコンピューターを使うというアイデアは、ロータスのスタッフが考え出したものだ。

ゲーム用高性能ラップトップがあれば、「場所を問わずお客様のご要望にお応えすることが出来ます」と、ロータスのデジタルマーケティング責任者、アラン・ホルロイドは話しており、EVハイパーカーであるエヴァイヤのスペックについても説明することが出来ると言う。

さらに、エヴァイヤはこれまでのロータスとはまったく違ったモデルだと言える。

それは価格だけでなく、電気モーターが発する2001psというパワーによって、今後数カ月のうちに生産が始まれば、このクルマは世界でもっともパワフルな量産モデルとなるからだ。

まるで本物のデザインスタジオ

これから130台限定のエヴァイヤの最後の1台が創り出されるまでの間、おそらくリアルタイム社のコンフィギュレーターを搭載した複数のコンピューターが世界中を旅することになるだろう。

「オーナーにとって都合の良い場所でエヴァイヤのスペックを相談することになりますが、それはロータスのディーラーではないでしょう」と、マックスウィーニーは言う。

「持ち運び可能なパソコンとタッチスクリーンさえあれば良いのです」と、ホルロイドも話しており、「エヴァイヤをリアルに再現するとともに、このクルマの技術的な特徴についてもご説明することが出来ます」とも言う。

目の前に置かれた高精細スクリーンに映るエヴァイヤはまるで本物のようだ。

このバーチャルのエヴァイヤが置かれているのは、バーチャルのスタジオであり、ノーフォークはヘセルにあるロータスのデザインスタジオをデジタルで再現したものだ。

「ヘセルの秘密のカーテンの裏側を見てみたいと思いませんか?」と、マックスウィーニーは話している。

「まさに本物のスタジオです。各メーカーもコンフィギュレーターに投資していますが、そのほとんどがひとつの背景設定しかありません」

「砂漠や伝統的なヨーロッパの都市、さらにはスタジオで同じ黄色がどれほど違って見えるかを再現したいのです。納車した時に『これは注文したカラーじゃない』とお客様が仰るような事態を無くしたいと思っています。いまはしばしばそうした事態が起こるのです」

背景もさまざま

何度かタッチスクリーンをスワイプすると、背景が柔らかな日差しに照らされたヤシの木と砂浜へと変わったが、さらにスワイプを続けると、今度は昨年秋にわれわれがエヴァイヤを撮影した時のような風景が再現されている。

それぞれ異なる背景のもとではボディカラーも微妙に違って見える。

「スタジオで決めた仕様と、実際に納車された車両の印象が極端に異なる場合があります」と、リアルタイム社代表のトニー・プロッサーは話す。

つまり、わたしのような興味本位の人間にとっても非常に興味深いこのコンフィギュレーターだが、実際にエヴァイヤを購入する顧客にとっては、まさに自らが望む車両を検討する重要なツールなのだ。

だからこそ、このコンフィギュレーターは非常に広範なスペックに対応するとともに、驚くほど簡単にカスタマイズを行うことが出来るようになっている。

「なかには非常に複雑なコンフィギュレーターもありますが、こうしたシステムは収益にも影響を与えます」と、マックスウィーニーは話す。

実際エヴァイヤのコンフィギュレーターはとても使いやすい。

実写と競合

ドアを開けたり、ウイングの長さを延長したり、キャビンのなかを見たり、周囲を歩くことも可能なこの精巧なシステムでは、ピレリPゼロを選ぶかトロフェオを選ぶかによって、タイヤショルダーの見え方まで変化している。

さらに、ほとんどのコンフィギュレーターが予め設定された2D画像しか再現できないところ、このシステムは3Dにも対応しているのだ。

古いコンピューターで最新ゲームに対応しようとしているような状態のわたしには理解できないが、このコンフィギュレーターではエピックゲームズ社が開発したアンリアルエンジン(V4)を採用しており、その映像はまさに本物としか思えない。

「ゲームエンジンが素晴らしいのは、非常に素早く画面を変化させることが出来るという点です」と、マックスウィーニーは言う。

さらに、このコンフィギュレーターは顧客専用というわけではなく、ロータス経営陣もこのシステムを使って、どのマテリアルやカラーを採用すべきかを検討していると言う。

「こうした点でも素晴らしいシステムだと言えます」と、ホルランドは話している。

「ロータス社内のだれでもすべてのカラーとマテリアルを直ぐに確認することが出来ます。ある意味、実写と競合するようなものです」

となりのカメラマンが不安そうにしている。

番外編:エヴァイヤのカスタマイズに挑戦

どこから始めれば良いだろう?

「わたしならまずはデザインテーマを選ぶところからスタートします」と、アラン・ホルロイドは言う。

アストンなどと同じく、ロータスでも顧客が自らの創造性を発揮できるよう、いくつかの基本的なアイデアを用意している。

オリジン、ローンチ、ヘリテージ、フォーミュラ、カップ・イエロー&ネオンといったテーマや、ロータスを象徴するツートーンカラーのデザイン、さらには見たこともないようなものまで、さまざまなデザインテーマが設定されている。

イエローのボディカラーにキャビンには微妙な色合いを組み合わせ、ホイールとブレーキキャリパーには目立たない色を選んでみた。

さらなる変更も可能であり、チェックボックスによってオーナーが具体的なカスタマイズプランを選択できるようにもなっている。

正直、もっと楽しんでいたかった。

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