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MotoEライダー 大久保 光のレースレポート「日本人初のMotoEライダーとしての2021年シーズン最終戦」

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MotoEライダー 大久保 光のレースレポート「日本人初のMotoEライダーとしての2021年シーズン最終戦」

 こんにちは。大久保光です。12月になりいよいよ年末って感じがしてきましたね。

 街にはクリスマスに彩られたイルミネーションと、どこからか流れてくるクリスマスソング。そんな素晴らしい雰囲気があるこの時期が、1年で一番好きかもしれません。

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 私がクリスチャンということもあると思いますが、やはりクリスマスには特別な思いがこみ上げてきます。

 早速ですが、今回はシーズンオフに参戦したレースのことを書かせていただきたいと思います。

 まず日本に帰国して2週間の隔離が終わった直後からレースへの参戦を続け、気がつけば5週連続レースとなっていました(笑)。

 富士スピードウェイでおこなわれた「ミニバイク6時間耐久レース」や、テルル桶川スポーツランドで行われた「SS Killers」、茂原ツインサーキットでおこなわれた「MRカップ」、中井インターサーキットでおこなわれた「ミニバイクレース」、そして鈴鹿サーキットでおこなわれた鈴鹿サンデーロードレース選手権「NGK杯」と、オフシーズンとは思えないほど、さまざまなレースで色んなバイクに乗っています。

 そんななかでも、とくに印象に残ったレースが鈴鹿NGK杯でした。参戦クラスはJP250クラスで、マシンは今話題の4気筒250ccバイク、カワサキ「Ninja ZX-25R」です。

 チームは今年のMFJ JP250カップチャンピオンチーム、TEAM TEC2&YSSからの参戦となります。このチームは普段のレースでは主にホンダ「CBR250RR」を走らせており、今回鈴鹿サーキットでNinja ZX-25Rを走らせるのは初めてとのことで、データの無いなかでのスタートとなりました。

 またJP250クラス自体も、参戦しているのはほとんどがCBR250RRユーザー。ほぼワンメークレースのようになっている状況での、チャレンジとなりました。

 というように、今回はテスト的な要素が大きいレースとなりましたが、やはりレース。優勝を目指すのが当たり前です。

 しかし、事前の走行時間も短く、金曜日に30分の練習走行が1本、土曜日に20分の予選が1本です。その短時間のなかで、8周という決勝レースに向けてマシンを仕上げていかなければなりませんでした。

 そんな不安が拭えない状況で始まったレースウィークでしたが、チームが大方の予想をしてセッティングを施したマシンを持ってきてくれたおかげで、それほど違和感なく走行を始めることができました。

 しかし、近年、中、大型バイクでのレースが多かったこともあり、自分自身が小排気量バイクのフィーリングをなかなか掴めず、金曜日はトップから1.5秒ほど離れたタイムで終えることとなります。

 そこで、土曜日の予選までに、走り方と30分間の走行で得たデータを念入りに分析。予選が始まる頃には、格段に乗りやすいバイクに仕上げられたことと、私自身が小排気量のマシンにアジャストした走りができ、前日の金曜日に比べて2.5秒近くタイムを縮めることに成功。2番手で予選を終えることができました。

 とはいっても、確かに金曜日の走行に比べれば格段に良くなったものの、まだ不満が残っているのも確かでした。

 しかし、日曜日に走れるのは決勝レースのみ。マシンのセットアップを大幅に変えるか悩ましいところでしたが、何も変えないとなると勝機が著しく低下すると考え、更にマシンのセットアップを変更していきました。

 最悪、セッティングが悪い方向にいってしまっても、そこをなんとかするのがライダーの仕事なので、その辺りは割り切っての決断です。

 運良く日曜日のレースに向けたセットアップは良い方向に行き、レース序盤からトップ集団のなかで走ることができました。

 しかし、ZX-25Rのマシンの特性上、他のバイクに比べてグリップが低下するのが早いとレース中に痛感。その理由は、他のライダーたちが乗るCBR250RRに比べ、車重が20kg以上重い影響と考えられます。

 そのため、なるべく集団の後ろでタイヤを温存しながら、残り2、3周あたりで前に出て、スパートをかける作戦を立てます。そして、計画通り残り周回が少なくなって前に出たものの、CBR250RRに比べて車格が一回り大きいことと鈴鹿の長いバックストレートというコンディションが重なり、スリップストリームにつかれてしまうと、どうしても引き離していくのが難しい展開となりました。

 しかし、相手の走りの癖を分析していった結果、なんとか最終シケインの入りでイン側に入ることができ、そのまま優勝。人とは違う特性を持つバイク、またデータが少なく走行時間も少ないなかで、しっかりレースをしていく難しさを改めて知ることができ、とても学ぶことの多いレースウィークとなりました。

 またこのような機会を用意してくださいましたTEAM TEC2&YSSをはじめとする関係者の皆様、本当にありがとうございます。

 来年の体制については皆様に早くご報告ができるように頑張っていきますので、引き続き応援、宜しくお願いします。

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みんなのコメント

2件
  • 最終ラップはドキドキさせていただきました。
    来シーズンも大久保選手のレースを楽しみにいたしております。
    がんばれ!大久保光選手!
  • サイレンサーはもっと上げた方がいいな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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