■最新モデルなら大きな差はない? 燃費・修理費・税金などの差は
昔から輸入車は維持費が高いため、維持をするのが大変ということを聞くことがありました。しかし、場合によっては国産車とほぼ変わらない場合も多くあります。
ガソリンなんて気にしない! 国産車燃費激悪ランキングワースト3!
輸入車の維持費が高いと言われてきた原因には「燃費が悪い」「修理代がかかる」「税金・保険料が高い」などがありますが、実際はどれほどの違いがあるのでしょうか。
まず、「燃費」について、ひと昔前までは最大でリッター10km近い燃費性能の差が見られましたが、最近は縮まっているようです。
例えば、「2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー」でインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したBMW「3シリーズセダン」の「320i」グレードでは、WLTCモード燃費で13.8km/Lとなっています。
ほぼ同クラスとされる国産セダンのトヨタ「クラウン」がWLTCモード燃費で16.0km/Lとなっているので、著しい差ではないでしょう。
次に「修理代」はどうでしょうか。かつては、国内に在庫を持つ海外メーカーは少なく、部品は輸入に頼っていたため、輸送コストが部品代に上乗せされて費用がかさんでいました。
しかし、最近ではメルセデス・ベンツやBMWをはじめ、海外メーカーでも国内に販売店を多く持つようになり、修理コストは下がっているとされています。
輸入車の修理について、千葉県の修理業者は以下のように話します。
「輸入車のメンテナンススキルを持った整備士は増えているため、20年前は100万円かかった修理も、最近では10万円から20万円程度で済むというケースも実際にありました。
また、メルセデス・ベンツなどは国内でもパーツを多く抱えており、部品の輸入に関するコストも下がっています。
とはいえ、輸入車はそもそも高級車が多いため、高い部品を使っています。国産車よりも修理にお金がかかることは変わりません」
やはり国産車には劣るようですが、昔ほど高額ともいえないようです。
そして、輸入車の維持費が高くなる原因のひとつとされるのが「税金と保険」ですが、自動車の税金は排気量や大きさで決められているため、そもそも国産車と輸入車の違いによって金額が変わることはありません。
例えば、軽自動車の自動車税は一律1万800円、コンパクトカーに多い排気量1リッターから1.5リッターでは3万500円、ミニバンクラスの2リッターから2.5リッターでは4万3500円となります。
さらに排気量が大きくなると、4.5リッターから6リッターで8万7000円、6リッター超だと11万1000円となります(すべて2019年10月1日以降の新車登録の場合)。
ひと昔前の輸入車は車体や排気量が大きいことが特徴だったため、おのずと税金が高くなってしまい、高額なイメージが広まったようです。
しかし、任意保険については未だに国産車よりも高額なケースが多いようです。理由は、修理費用がかさむことや、スピードが出やすく事故のリスクが高いこと、盗難に遭う可能性が高いことなどが挙げられています。
また、都内でベントレーを所有する男性は、維持費について以下のように話します。
「燃費は国産のハイブリッド車には劣るので、ガソリン代はかかります。また、駐車場も広いところを借りなければならず、さらに13年以上前のモデルなので税金が重課され、車検は2年ごとに1回あたり40万程度かかります。
また、外装のコーティングや塗装が特殊なことから、外観の手入れはお金がかかりやすいです。
輸入車はなんといっても、なにかがあったときの『上限値』が高いので、お金をかけようと思えばキリがないのがポイントでしょう」
※ ※ ※
以上から、最新モデルの輸入車であればそこまで神経質になる必要は無いようです。しかし10年落ちの輸入車などは、ある程度の維持費を覚悟しなければなりません。
とくに、ヴィンテージものの輸入車であれば、維持費だけで国産車1台を買えるほどにもなり得ます。
昔と比べると輸入車の維持費は下がっているようですが、それは最低限の維持費であり、上限は国産車よりもはるかに高いようです。輸入車の購入を検討する際は、維持費の「天井」まできちんと把握したほうが良いでしょう。
■輸入車の維持費を少しでも抑えるための方法とは
輸入車は故障が多いとされるため、メンテナンスは重要です。
例えば、消耗の激しい「タイミングベルト」には注意です。
国産車の場合、タイミングベルトの交換は10万キロが目安とされていますが、例えば、アルファロメオの一部の車種の場合、それよりも短い距離がタイミングベルトの交換時期の目安となる場合があります。
タイミングベルトの交換費用は3万円程度が相場ですが、車種によっては10万円以上かかってしまうこともあります。国産車と比べて2倍から3倍の交換頻度なため、単純に費用もそれだけかかってしまうのです。
型落ちの輸入車を検討する際は、ベルト式なのか、それとも耐久性に優れるチェーン式なのかをチェックするのもポイントです。
また、輸入車で頻繁に交換される消耗品のひとつが「ブレーキ関係」です。ブレーキの消耗品にはブレーキパッドやディスクローターなどがあり、国産車と比べ交換頻度が短く設定されています。
これは日本メーカーと海外メーカーの考え方の違いによるものです。国産車はパッドやローターが減りにくい設計で「耐久性」を重視するのに対し、海外メーカーは「制動力」をいかに高めるかに重点を置いています。
ブレーキの効きが良くなる反面、パッドやローターの消耗が激しくなるため、交換時期も早まることとなります。
また、パッドの素材自体にも制動力を高めるためのスチール成分が使われているため、削れる量も多くなりブレーキダストも発生しやすくなります。輸入車のホイールが汚れやすいのは、この「制動力重視」の設計が原因とされています。
輸入車の維持費を少しでも抑えるには、多くのメーカーで用意されているメンテナンスプログラムへの加入がおすすめです。
例えば、アウディのメンテナンスプログラムでは、主なメンテナンスを初めての登録日から3年間無料で提供してくれます。
サービス内容には、法定1年点検やメーカー指定点検、サービスインターバル(エンジンオイル・フィルター交換、ブレーキパッドの厚さ点検)、指定消耗部品、油脂類の交換・補充(エンジンオイル補充、ワイパーブレード交換、ブレーキ液交換など)が、すべて無料となります。
これらのシステムを賢く利用すれば、国産車に近い維持費で輸入車を手に入れることも可能なのではないでしょうか。
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みんなのコメント
ディーラーもわかっていて7年くらいで保証を切ります。
外車は10年越えると覚悟が必要です。