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16号車ARTA福住仁嶺が路温50度の一発勝負で2年ぶりポール。同タイムが2度並ぶ珍現象も【第5戦GT500予選レポート】

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16号車ARTA福住仁嶺が路温50度の一発勝負で2年ぶりポール。同タイムが2度並ぶ珍現象も【第5戦GT500予選レポート】

 酷暑の夏を締めくくる夏休み最後の週末。鈴鹿サーキットで開催された2023年スーパーGT第5戦のGT500クラス公式予選は、今季限りで勇退が決まり"鈴鹿ラストアタック"となったホンダNSX-GT全5台がQ2へ進出するなか、16号車ARTA MUGEN NSX-GTでQ2を担当した福住仁嶺が第3戦鈴鹿の悪夢払拭を期した23号車MOTUL AUTECH Zを退け、2年ぶり4度目のGT500ポールポジションを獲得した。

 レースウイーク前半こそ記録的猛暑から一転。三重県を中心とした東海地方一帯には大雨警報と土砂災害警戒情報が発令されるまとまった雨量に見舞われたが、走行セッション開始となる26日(土)は、午前の公式練習から快晴に浮かぶ夏雲が広がった。

【暫定結果】2023スーパーGT第5戦鈴鹿 公式予選Q2

 早朝、サポートレースのディレイで全体スケジュールが10分押しで進行するなか、GTコースオープン時点で39度だった路面温度は、500クラス占有走行終了時点で47度まで上昇。最終的に、10時を前にした混走時間帯に1分48秒271を記録していた16号車が首位に立ち、以下24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraと、やはりサクセスウエイト(SW)が軽めのクルマ(それぞれ32kg/10kg/16kg)が上位につけた。

 しかしランキング首位でSWを98kgとし、燃料流量ランクダウン措置(3段階)で最大級のパワーダウンを強いられる3号車Niterra MOTUL Zがしぶとく8番手につけると、約1時間45分を走破した全15台のタイムギャップはわずか0.778秒差と超接近戦に。午後の予選はさらなる気温上昇も含め、熾烈な勝負になることが予想された。

■ホームコースのNSX勢が予選Q1でパフォーマンスを発揮
 ふたたびスケジュールより10分遅れの午後15時20分に、まずはGT300クラスのQ1A組が走行を開始。この時点で気温は33度、路面温度は実に52度の条件に。そこから約30分が経過した午後15時53分に始まったGT500の予選Q1は、開始1分ほどで17号車Astemo NSX-GTを先頭に、トヨタ陣営のGRスープラ勢や1号車MARELLI IMPUL Zもピットを後にする。

 3分を経過した頃にはダンロップを履く64号車Modulo NSX-GTや、ヨコハマタイヤ装着組の19号車WedsSport ADVAN GR Supraがコースへ。さらに遅れて8号車ARTA、23号車MOTUL AUTECH Zと続き、最後は3号車Niterra MOTULの千代勝正と、やはり持ち込んだコンパウンドと搭載するSW、さらに路面温度の状況やコースポジションなど、各車とも細かく調整してアタックへと向かう。

 すると午前のタイムギャップそのままの劇的な展開が繰り広げられ、まずは隊列の先頭で進めていた17号車Astemo塚越広大が1分47秒176の基準タイムを記録すると、その背後から38号車ZENT CERUMO GR Supraの石浦宏明が1000分の1秒まで揃える同タイムで2番手に並んでいく。

 さらにタイヤメーカーの違いによるグリップ発動条件の異なる後方待機組から、3号車Niterraの千代が早くも計測2周目で1分47秒780で3番手に飛び込み、ハンデの影響を感じさせないスピードを見せる。しかし、その上を行ったのは50kgのSWを搭載した23号車MOTUL AUTECHの松田次生で、午前にはペナルティ累積による乗車時間の制限がありながらも自身計測3周目で1分46秒台に入れ、チェッカーラップで最上位へと浮上してくる。

 ここからもドラマは続き、直後に8号車ARTA野尻智紀が1分46秒399と盤石のアタックを決めて首位を奪うと、その裏では1周先行していた24号車リアライズの平手晃平が、その野尻とまったくの同タイムでコントロールラインを通過。これで首位8号車と2番手の24号車、さらに6番手と7番手の17号車、38号車も同タイムという超接近戦が繰り広げられる。

 ラストアタックで4番手へ飛び込んだ64号車Moduloの太田格之進や、Q2はドクターストップにより牧野任祐のドライブが叶わないことが決まっている山本尚貴もカットラインをクリアし、これで100号車STANLEY NSX-GTは明日の決勝グリッド8番手の位置を確保している。

■Q2:チェッカー間際でQ2ドライバーたちが最後の1周アタック勝負
 午後16時31分からGT500のQ2が始まると、開始2分半ほどを経過して64号車Moduloの伊沢拓也が最初にコースへ向かう。そこから約30秒後に16号車ARTA福住仁嶺と17号車Astemoの松下信治、24号車リアライズの佐々木大樹に加え、ここ鈴鹿では最後の予選となる38号車ZENT立川祐路もピットを離れていく。さらに約30秒間隔で23号車ロニー・クインタレッリ、8号車ARTA大湯都史樹と全7台での勝負が始まる。

 先行組が1分54~55秒台でウォームアップを進めるなか、待機組の23号車クインタレッリが早くも3周目で1分46秒422の基準タイムを計測すると、同じく1発に賭けていた8号車ARTAの大湯は、デグナー立ち上がりのブリッジ下でわずかにワイドになり、これが響いて1分46秒577とわずかに届かない。

 チェッカーを迎えて隊列先頭を行っていた64号車伊沢も1分47秒212でライン通過時点3番手と逆転はならず。ここで主役の座を奪ったのは16号車の福住。計測4周目のアタックをまとめて1分46秒385を叩き出し、見事にポールポジションを奪取。福住は2021年第5戦SUGO以来となる4度目のGT500ポールを獲得。そして、開幕以降"ホームコース"でなかなかペースを掴めずにいたNSX-GTが最上位グリッドを射止めるとともに、3番手8号車、4番手17号車、5番手64号車と、トップ5に4台を送り込むことに成功した。

 一方、スタンドに詰めかけたファンの歓声と拍手のなか、鈴鹿ラストアタックに挑んだ立川は、アタックラップの最終セクターを意地の“マゼンタ”としつつ、ポールから0.868差の3列目6番手でフィニッシュ。

 その後、8号車ARTAのデグナーでの飛び出し、そして24号車リアライズの2台が走路外走行、いわゆる四輪脱輪の裁定で当該タイムが抹消され、3番手17号車Astemo、4番手64号車モデューロ、5番手38号車ZENT、6番手24号車リアライズ、7番手8号車ARTA、8番手100号車STANLEYの結果となっている。

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