往年のレーシングカー、マンチャーに近いヴァリアント
まず気になったのは、ヴァラーは公道90%、サーキット10%という開発の方向性に対し、ヴァリアントは公道10%、サーキット90%という真逆な成り立ちにも関わらず、どちらもレースカーだった「RHAM/1マンチャー」からインスピレーションを受けているという点だ。
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大きなデザイン面では確かにDBSベースのマンチャーに近いが、それはどういうことなのだろう。
サムさんは、「ヴァラーはロードカーにフォーカスしてつくっていますので、ロードカーに必要なフィーチャーを揃えています。一方のヴァリアントは、より過激にすることが許されましたので、さらにマンチャーとのつながりが強くなったということです」という。つまりヴァラーは雰囲気を、ヴァリアントは過激な走りをマンチャーから引き継いだということだ。
マンチャーは、1974年、スタッフォードシャーのアストン マーティン・ディーラー、ロビン・ハミルトンが1970年型DBS V8(DBSV8/10038/RC)をAMOCレースイベントに出場させ始めたことが始まりだ。
そのシャシーナンバーは1977年のル・マン24時間レースに出場することを意図してRHAM/1(ロビン・ハミルトン・アストン マーティン#1)に変更。520psを発生するエンジンを搭載したマシンは、予選のミュルサンヌ・ストレートで時速188マイルを記録した。
RHAM/1は、ロビン・ハミルトン、デイブ・プリース、マイク・サーモンがドライブし、総合17位(スタート55台中)、クラス3位(GTPカテゴリー)という成績を収めた(因みに優勝はマルティーニ・レーシングのポルシェ936)。1979年にル・マンにも参戦したが、エンジントラブルでリタイアしている。
イギリス人魂を揺さぶる
サムさんはこのマンチャーについて、「ル・マンにおいてはどちらかというと優勝候補になるようなレベルのクルマではありませんでしたし、レース結果も満足のいくレベルではありませんでした。でもそこにはイギリス人魂みたいなもの、弱いにもかかわらず強いものに戦いを挑むみたいなところがマンチャーには感じられたのです。そこで皆、特別な存在として見ていました」と話す。
そして、「アストン マーティンは110年の歴史があるユニークな会社ですので、過去を振り返ると、そこから様々なインスピレーションを得ることができますし、多くのお客様はアストン マーティンの歴史を我々以上に知っている情熱的な方々です。だからこそ、そういった歴史に愛着があるんですね」と述べた。
それこそが、当時のレース界からすれば少々時代遅れかも知れないマンチャーが、いまの時代、大排気量と大パワー、リア駆動という最新とはいえないパワートレインを纏ったヴァラーやヴァリアントのモチーフに選ばれた理由なのだろう。
ドライバーとクルマがダイレクトに繋がっている
ヴァリアントの開発においては、数字以上にフィーリングが重視された。それはクルマとドライバーがダイレクトに繋がっているというもので、開発の発端となったフェルナンド・アロンソ選手が最も重視したことでもある。
クルマのひとつひとつの挙動、過激なフィーリングを、ドライバーが学びながら御していくイメージといっていい。
「DB12はどんな条件でも安心して運転できます。例えば私の母でも運転できますよね。なぜなら電子デバイスが制御しているから」とサムさん。ヴァリアントは「ドライバーがちょっと怖いなと思ってしまうような感じ。でもそれでいいんです」という。
例えば、「トラクションコントロールやABSはついていますが、全てオフに出来ます。その状態で745psを後輪駆動のマニュアルで運転するんです。ね、勇気がいるでしょう(笑)。そこで失敗したら、それはドライバーの頭脳かつま先が問題なんです」とのことだった。
もうひとつ、38台という限定台数が気になった。先にも紹介したヴァラーはアストン マーティン110周年ということで、110台限定だったからだ。
すると案の定、38にも意味があり、「マンチャーのVINコードに基づいています」とサムさん。同時に、このクルマを購入するであろうエンスージアストがグローバルでそのくらいだったことも理由とのことだった。
サムさんとヴァリアントのマニュアルトランスミッションの話をしたときに、自身も通勤以外のクルマは全てマニュアルだと発言していた。
そこで何を持っているのかを聞いてみたところ、「BMW M3(E46)にスーパーチャージャーを付けたものや、ホンダ・シビック・タイプR(EK9、EP3)、プジョー306ラリー、106ラリー、ゴルフGTI(2世代目)、レースもやっているので1961年のミニクーパーSもあります。ほかにFDのRX-7、R32スカイラインGTR、ホンダS2000にはターボチャージャーも付けましたが、これはちょっとやりすぎちゃいました」と教えてくれた。
いやはや、相当なエンスージアストである。そんな人がいるからこそ、フィーリングを重視して、クルマを操ることにこだわったヴァリアントが生まれたのだろう。そして、そのフィーリングはきっとドライバーを虜にするに違いないと確信した。
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