現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新車購入の一発商談で限界値引きはほぼ不可能! いきなり大幅値引きを提示するセールスマンの裏側

ここから本文です

新車購入の一発商談で限界値引きはほぼ不可能! いきなり大幅値引きを提示するセールスマンの裏側

掲載 更新
新車購入の一発商談で限界値引きはほぼ不可能! いきなり大幅値引きを提示するセールスマンの裏側

 ユーザーが知らない「下取り額」が値引きに上乗せされることも

 たいていの商品は自宅でパソコンやスマートフォンを使って購入でき、しかも翌日には自宅まで配達してもらえるいまの時代。新車を買う時は取扱いディーラーまで出向き、しかもセールスマンと膝を突き合わせて商談して値引きを引き出さなければならないことを面倒に思う人も多いはず。いまどき新車がなかなか売れない背景にはこのような面倒なことが嫌われていることも大きい。

【恐れる必要なし】買う前に必ず行くべきディーラー試乗の心構え4カ条

 アメリカではすでに、ディーラーの専属担当者とチャットでの商談が可能。地元密着の値引き比較サイトも充実し、そのまま気に入ったクルマの扱いディーラーとチャットでの商談も可能となっている。さらに購入車両の自宅までのデリバリーサービスがあるとのこと。

 日本がここまで一気にサービスが進むのは、アメリカとは新車の登録制度などが異なることもあり、なかなか難しいところ。それならば、せめて商談時にセールスマンが初回から最大値引きを提示してもらえないものか? と考えるひとも多いだろう。

 実際セールスマンの商売のスタイルは“十人十色”。「私は駆け引きが嫌いなので、一気に限界まで値引きますよ」といって“40万円引き”などと驚きの値引き額を提示してくるケースもあるが、こんな時は眉唾ものと考えてもらいたい。ベテランセールスマンほど、実際の値引きより多く出ているように、“値引きを膨らませて見せる”ことができるのである。

 その一例としては、下取り車が低年式なのに、海外バイヤーなどに人気の高い車種で想定外の査定額がつくとする。しかし、査定額を控え目に提示し、その差額を値引き額に上乗せして見せることなどをしている。一発提示の大幅値引きには“仕掛け”があると思ってもらいたい。今の日本では労せずして好条件はなかなか獲得できないのである。

 ディーラーのなかで値引きは「損金」として扱われる

 値引きの原資はディーラーの利益分を削って算出されるのが原則。そのためわれわれが“値引き”と呼んでいるものは、立場を変えてディーラーやセールスマンから見れば“損金(メーカー希望小売価格又は車両本体価格の額面通り販売したら得られた利益より値引きしたためいくら損したか)”という扱いとなる。

 あるディーラーで聞いたところでは、新車を販売したときに注文書などと一緒に“損金計算書”という書類をつけるとのこと。新車の値引きとは、車両本体価格からだけでなく、オプション装着額などからも値引きが行われる。“どこからいくら値引きしたのか”を損金計算書という書類にまとめるのである。

 販売する側は値引きを損金と見ているのだから、本心から限界値引き額を初回から提示するセールスマンは、いたずらに損金を拡大しているので、会社から見れば優秀なセールスマンとはいえない。業界では「薄利多売でガンガン売りまくるカリスマセールスマンはいらない。販売台数はそこそこでも、しっかり利益確保をしてくれるセールスマンが数人いればいい」という話も聞く。薄利多売で売りまくったあげく、納車準備などが間に合わず、周囲のセールスマンの販売活動を中断させて手伝わせるなどして巻き込まれることもあるので、店舗全体で見れば非常に販売効率が悪いと判断しているようだ。

 事実、新車がとにかく売れまくったバブル経済期は、薄利多売でも新車を売りまくった“スターセールスマン”がもてはやされたが、バブル経済崩壊後は閑職にまわされたという話も聞いたことがある。

 いまどきはセールスマンに粗利を意識させた販売活動をするように仕向けるディーラーも目立っている。そのため利幅の少ないコンパクトカー5台よりは、高収益車種などバランスよく5台販売したセールスマンのほうが同じ5台でも評価が高くなるとのことであった。

 トヨタ系ディーラーの一部はダイハツからのOEM軽自動車“ピクシスシリーズ”を取り扱っているが、そのなかには軽自動車を販売しても実績カウントしないとか、2台で1台分などというところもあると聞く。軽自動車は利幅が少ないが売りやすいので、放っておくと軽自動車ばかり販売してしまうので、それを防ぐ意味があるようだ。

 セールスマンの人事評価は販売台数というよりも、粗利という側面の方が評価基準はより高い。つまり“収益面で会社にどれだけ貢献しているのか”ということである。そのため新車販売は必ずしもトップクラスではなくても、保険契約数が多かったり、車検入庫数が多いといった面で評価されるセールスマンも多い。

 新車購入で正社員であるセールスマンが介在するのは、損金をできるだけ少なくするためという側面も大きいので、初回から一発提示で真の限界値引きが提示されることは、よほどの事情(ノルマが足りずどうしてもすぐ目の前の1台を受注したいなど)がない限りは、期待できないのが現状といえるだろう。

こんな記事も読まれています

クルマを買わないと……なプレッシャーなし! 「見るだけOK」グッズも買えて飲食までできる「クルマ好きのシャングリラ」的ショールーム5選
クルマを買わないと……なプレッシャーなし! 「見るだけOK」グッズも買えて飲食までできる「クルマ好きのシャングリラ」的ショールーム5選
WEB CARTOP
スペインで大失速RB&角田裕毅、レッドブルお膝元のオーストリアGPへ。「今週末は挽回できることを期待」
スペインで大失速RB&角田裕毅、レッドブルお膝元のオーストリアGPへ。「今週末は挽回できることを期待」
motorsport.com 日本版
CLEにハイパフォーマンスとカブリオレ、2つのモデルが登場|Mercedes Benz
CLEにハイパフォーマンスとカブリオレ、2つのモデルが登場|Mercedes Benz
OPENERS
トヨタ“新”「アクア」登場! クラス超え「上質ブラウン内装」でほぼ“小さな高級車”!? 斬新2トーンがカッコイイ「新ラフィネ」 どんなモデル?
トヨタ“新”「アクア」登場! クラス超え「上質ブラウン内装」でほぼ“小さな高級車”!? 斬新2トーンがカッコイイ「新ラフィネ」 どんなモデル?
くるまのニュース
シトロエンのコンパクトSUV 新型「C3エアクロス」世界初公開! 進化した全長4.4mの3代目は 7人乗り仕様も用意
シトロエンのコンパクトSUV 新型「C3エアクロス」世界初公開! 進化した全長4.4mの3代目は 7人乗り仕様も用意
VAGUE
開通前の「ホンモノの高速道路」を使って実験! クルマの安全性向上に活用すべく名だたる企業がズラリ!!
開通前の「ホンモノの高速道路」を使って実験! クルマの安全性向上に活用すべく名だたる企業がズラリ!!
WEB CARTOP
趣味人が人生のベストタイミングで挑戦したマイホームは、暮らしの中に愛車が溶け込むこだわりのガレージハウス。【ガレージライフ】
趣味人が人生のベストタイミングで挑戦したマイホームは、暮らしの中に愛車が溶け込むこだわりのガレージハウス。【ガレージライフ】
LE VOLANT CARSMEET WEB
京本大我(SixTONES)&古川琴音の淡く切ない恋物語『言えない秘密』
京本大我(SixTONES)&古川琴音の淡く切ない恋物語『言えない秘密』
バイクのニュース
「あなたの罪のために」アストンマーティンの新型車、6月26日発表へ…ティザー
「あなたの罪のために」アストンマーティンの新型車、6月26日発表へ…ティザー
レスポンス
アロンソの個人的な依頼がきっかけで誕生? アストンマーティン、38台限定生産の『ヴァリアント』発表
アロンソの個人的な依頼がきっかけで誕生? アストンマーティン、38台限定生産の『ヴァリアント』発表
motorsport.com 日本版
約160万円! ホンダ「最小&最安コンパクトカー」が人気スギ!? 全長4m以下でMTありの「爆売れ国民車」記録更新! 精悍顔の「ブリオ」インドネシアで好調
約160万円! ホンダ「最小&最安コンパクトカー」が人気スギ!? 全長4m以下でMTありの「爆売れ国民車」記録更新! 精悍顔の「ブリオ」インドネシアで好調
くるまのニュース
7/29申込締切【池田直渡の着眼大局セミナー】第5回マツダ カーボンニュートラルの実現に向けたエンジンの役割
7/29申込締切【池田直渡の着眼大局セミナー】第5回マツダ カーボンニュートラルの実現に向けたエンジンの役割
レスポンス
新型ベントレーコンチネンタルGTが、堂々デビュー!──GQ新着カー
新型ベントレーコンチネンタルGTが、堂々デビュー!──GQ新着カー
GQ JAPAN
乗り比べて体感する鍛造ホイールの真価。BBS体感試乗会@ル・ボラン カーズ・ミート横浜2024・横浜赤レンガ倉庫広場特設コース
乗り比べて体感する鍛造ホイールの真価。BBS体感試乗会@ル・ボラン カーズ・ミート横浜2024・横浜赤レンガ倉庫広場特設コース
LE VOLANT CARSMEET WEB
マツダ廣瀬CTO「ロードスターを今後のエミッション規制に打ち勝つ商品として残していけるよう努力」
マツダ廣瀬CTO「ロードスターを今後のエミッション規制に打ち勝つ商品として残していけるよう努力」
レスポンス
【COSWHEEL】電動モビリティが台数限定でお買い得!「総額2,000万円キャンペーン」を7/15まで実施中
【COSWHEEL】電動モビリティが台数限定でお買い得!「総額2,000万円キャンペーン」を7/15まで実施中
バイクブロス
ハミルトンはもっとトップ争いに近づけた? 15秒差の3位にウルフ代表「実際はより差を縮められたかもしれない」
ハミルトンはもっとトップ争いに近づけた? 15秒差の3位にウルフ代表「実際はより差を縮められたかもしれない」
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型軽バン」発表! 斬新「“黒すぎ”ボンネット」が「めちゃカッコイイ」! 新型N-VAN e:用「純正アクセ」10月発売に反響集まる
ホンダ「新型軽バン」発表! 斬新「“黒すぎ”ボンネット」が「めちゃカッコイイ」! 新型N-VAN e:用「純正アクセ」10月発売に反響集まる
くるまのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村