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ボッタスの初挑戦で見えたラリーとF1の異なる走り方。「彼は一度もフルスロットルにしていなかった」

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ボッタスの初挑戦で見えたラリーとF1の異なる走り方。「彼は一度もフルスロットルにしていなかった」

 1月末にフィンランドで行われたアークティック・ラップランド・ラリーへ参戦したバルテリ・ボッタスに2018年型WRカー『フォード・フィエスタWRC』を供給したMスポーツは、ラリー初参戦とは思えない現役F1ドライバーの走りに「感銘を受けた」としている。

 例年1月末に行われ、北極圏で争われるイベントゆえ“世界で一番美しいラリー”とも称されるアークティック・ラップランド・ラリーには、ケケ・ロズベルグやミカ・ハッキネン、ミカ・サロ、キミ・ライコネンなど、同国出身のF1チャンピオンたちが数多く参戦してきた。

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 このそうそうたるメンバーに続く形となったボッタスはフィンランドの政府機関が運営する若手支援プログラムの“フライングフィン・プロジェクト”やフィンランド・ラリー選手権、AKKモータースポーツなどの協賛で、2018年のWRC世界ラリー選手権でドライバーズタイトル獲得に貢献したフィエスタWRCをドライブした。

 ボッタスの指南役となるコドライバーには、こちらも参戦プロジェクトに協賛した元WRC王者マーカス・グロンホルムの相棒を務めた2度のWRCチャンピオン、ティモ・ラウティアイネンを起用し、チームオペレーションにはMスポーツから多数のエンジニアも派遣された。

 その充実したパッケージで快適なラリーデビュー戦を迎えたボッタスは、40km超のロングナイトステージを含む難易度の高い2日間の行程を攻略し、初のSSベストタイムを刻む速さも披露しつつ、総合5位完走を果たした。

 今季、Mスポーツ創業者マルコム・ウィルソンからチーム代表の座を引き継いだリチャード・ミルナーは、現場で過ごしたエンジニアやメカニックらも「ボッタスのドライビングに深く感銘を受けたようだ」と語った。

「誰もが現役F1ドライバーらしいスピードを期待していたと思うが、それに関してはまったく心配するに及ばなかったばかりか、高速で立木を縫って走るようなナローセクションでのドライビングがとても素晴らしかった。彼は彼自身のチャレンジをとても楽しんでいたようだ」と、ボッタスのドライビング技術を称賛したミルナー。

■ボッタスの走りから見える今のF1。「常にグリップを探す状況を強いられているのだろう」

「エンジニアたちが気づいたボッタスのドライビングスタイルで、顕著に見ることができた違いのひとつは、彼がただの一度もフルスロットルにしたことがない、という点だった」と続けるミルナー。

「WRCで戦う現役ドライバーたちは、少しでもタイヤグリップを感じ取った瞬間、常にフルスロットルにすることを狙っている。しかし現代F1カーのドライビングでは常にグリップを探す状況を強いられるのだろう。隙あらば常に全開、という走らせ方はしないのだと予測できる」

「彼は初のWRカードライブをとても上手くやり遂げた。彼にとって初めての種類になるだろうラリーカー、しかも世界で最先端となるトップカテゴリーWRカーだ。そして初のラリー競技、初めてのコドライバーとペースノート走行、初めてのチームとの共同作業。誰も知らないメンバーに囲まれて、マイナス30度の世界で戦い総合5位完走というのは、まったく悪くないリザルトだと言える」

「願わくば、彼が再びWRカーに挑戦してくれることを望んでいる。このスポーツにとって良いことであり、こうしたカテゴリーをまたぐチャレンジはファンの注目を惹きつける。もし機会があれば彼をイギリスでテストしたいけれど……彼のスケジュールとカレンダーはとても過密そうだね(笑)」

「ロバート(クビカ)はWRCにとって最高の広報マンだった。彼は今季からF1に復帰を果たしたけれど、そのことが我々の世界にも良い波及効果をもたらすと予想している」

 一方、自身のWRC開幕戦モンテカルロの仕事と並行してボッタスの指導役を務め、ドライビングの進化を手助けしたファクトリドライバーのテーム・スニネンも、「僕の視点では、彼は最高の仕事を成し遂げたと思う」と付け加えた。

「もちろん、彼はラリーを通じて最速の男ではなかった。しかしデビュー戦の彼に"最速"を期待するのは誤った見方だ。それでも、ラリーを前に私は『上手くいけば、ステージベストを記録することができるかもしれない』と話したが、彼は見事にそれを達成した」

「彼自身もすごく喜んでいたよ。さらに、スノーバンクに突っ込んで雪まみれになることなく、ひとつのミステイクも犯さず完走を果たしたのは驚異的だと言っていいね」

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