ヤマハ発動機株式会社は、水冷4ストロークOHC4バルブのVVA(可変バルブ)搭載124cm3エンジンを搭載し、アップライトな乗車姿勢で俊敏な走りを楽しめるMTシリーズの新製品「MT-125 ABS」を11月10日に発売する。
「MT-125 ABS」は、MTシリーズの末弟として「The most AGILE youngest MT」をコンセプトに開発されている。「意のままに操れる俊敏なスポーツ性能」と「所有感と安心感を満たす機能」、「シャープで躍動感あるスタイリング」を兼ね備えたモデルとされた。
国内原付二種の変速ギヤ付きモデルの出荷台数が2019年以降は増加傾向にあり、なかでも20代を中心とするエントリー層の増加が顕著。それに合わせ、「MT-125 ABS」ではMTシリーズの末弟としてMTの名に見合ったパフォーマンスを備えながらも、価格設定を若年層が受け入れやすい49万5000円としている。
■ハイパフォーマンス型VVA(可変バルブ)搭載124cm3エンジンを搭載
低速向けと中高速向けのカム(吸気側)が7400rpmで切り替わるVVAにより、全域で優れたトルク特性を発揮、良好な加速性能を得られるようになっている。またアシスト&スリッパークラッチと、トラクションコントロールシステムを採用。加減速時にストレスのないシフト操作が実現され、快適な走行性がサポートされる。なおラジエターは、水温に応じて冷却水の循環経路を切り替える「バイパス式サーモスタット」方式で、暖機時間が短く、燃費が向上している。
【 画像ギャラリー10枚】ヤマハ「MT-125 ABS」を写真で解説、全車体色も一覧
■剛性バランスに優れた軽量スリムな車体とフロント周り
軽さと強度剛性のバランスを図ったデルタボックス型フレームが採用されている。左右ピボットの軸間は209mmとワイドに設定され、強化部材を織り込むことで、優れた走行性を与えられている。また、後端部をショートにした専用設計のリヤフレームは、マス集中を持ち味とするMTのスタイルを具現化し、さらにフロントに加重しやすいモタードライクなライディングポジションを支えている。剛性に優れたインナーチューブ径37mmの倒立式フロントサスペンション、アーム長とのバランスを図った軽量アルミ製リヤアーム、ワイドなリヤタイヤ(140/70-17)、前後幅を詰めて上下にスペースを取った球形の新作燃料タンクにバーハンドルなどの組み合わせが、俊敏なハンドリングをもたらしている。
■マルチファンクションLCDメーターなど、所有感や安心感を満たす機能・装備
メーターは、ネガティブ表示によって視認性の向上を図ったマルチファンクションLCDメーターを採用。ギヤインジケーター、タコメーター、スピードメーターが目立つように配置され、オドメーター、ガソリンメーター、時計なども表示。昼夜問わず、車両の状態と情報が把握しやすいものとなっている。フロントマスクの中央には凝縮感あるコンパクトなLEDプロジェクターヘッドライト、その上部にはLEDポジションランプが配置されている。軽量・薄型・コンパクトというメリットが活かされ、俊敏なハンドリングがもたらされている。
■MTらしさを突き詰めたTorque×Agileなスタイル
睨みを効かせたコンパクトなフェイスに、躍動感を強調するショートテール、ビッグバイクに引けを取らないエンジン周りの力強さ、エアダクトや新作燃料タンク&樹脂製タンクカバーなど、機能とリンクした凝縮感あるデザインで、シャープなフォルムとされた。特に小排気量クラスでは大きくなりがちなヘッドライト周りやリヤシートは極限までコンパクトさが追求されたものとなった。加えて、同じパーツ内でのシボの使い分けやアルミパーツの採用など、質感や手触りにもこだわりが込められ、上位機種同等のディティールを併せ持たされた。
■「MT-125 ABS」販売データ
発表 2023年10月12日
発売 2023年11月10日
メーカー希望小売価格 49万5000円
■「MT-125 ABS」主要諸元
認定型式/原動機打刻型式 8BJ-RE45J/E34LE
全長/全幅/全高 2,000mm/800mm/1,070mm
シート高 810mm
軸間距離 1,325mm
最低地上高 170mm
車両重量 138kg
燃料消費率(WMTCモード値) 49.4km/L
原動機種類 水冷4ストロークOHC4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 124cm3
内径×行程 52.0mm×58.7mm
圧縮比 11.2:1
最高出力 11kW(15PS)/10,000rpm
最大トルク 12Nm(1.2kgf・m)/8,000rpm
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.05L
燃料タンク容量 10L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V、5.0Ah(10HR)/YTZ6V
1次減速比/2次減速比 3.041(73/24)/3.714(52/14)
クラッチ形式 湿式多板
変速装置/変速方式 常時噛合式6段/リターン式
変速比 1速:2.833 2速:1.875 3速:1.363 4速:1.142 5速:0.956 6速:0.840
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 25度30分/88mm
タイヤサイズ(前/後) 100/80-17M/C 52P(チューブレス)/140/70-17 M/C 66S(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム
ヘッドライトバルブ種類/ヘッドライト LED
乗車定員 2名
「YZF-R125」もやはり気になる……!?
ちなみに、2023年10月16日発売の新型車として同じヤマハ発動機から「YZF-R125」が51万7000円でデビューしているので、「MT-125 ABS」購入希望の方は参考にしてほしい。
型式名は「8BJ-RE45J」で同一。デザインの違い、カウルの有無、そして外寸やシート高、タンク容量、メーターなどは異なるが、エンジンや駆動系にシャシーなど、ハード的にはマシンとしての基本的な走りの性能は同一と思っていいもの。
ただし、乗車姿勢は大きく異なり「MT-125 ABS」ではアップライトなものとなるので、そのあたりは販売店で展示車両に跨がってから好みのタイプに決めるといいだろう。なお、アクセサリーとしてのクイックシフトキットは、「YZF-R125」にのみ1万9800円で設定がある。
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