7200万円で落札されたフェラーリ「488ピスタ」は高値安定中！ オフィシャルマガジンの表紙を飾った1台でした

フェラーリのV8スペチアーレは人気がある！

2024年3月1日～2日、RMサザビーズがアメリカ・マイアミで開催したオークションにおいてフェラーリ「488ピスタ クーペ」が出品されました。出品車両は、走行距離がわずかに2851kmという2020年モデルで、ドライバー側のカーボンファイバー製シルプレートには、フェラーリのデザイン担当上級副社長、フラビオ・マンゾーニによる直筆サインが入っています。オークションの結果についてお伝えします。

インテリアはNASAと共同開発したマイクロプレスティージを採用

2018年のジュネーブ・ショー。フェラーリ・ブースでの主役のひとつは、それまでのV型8気筒ミッドシップ、488シリーズの最終進化型ともいえるスペシャルモデル、「488ピスタ」だった。ピスタとはイタリア語でサーキットを意味する言葉であるから、フェラーリの意識としてはサーキット走行をも十分に楽しむことができる、サーキット・レベルのパフォーマンスを持つロードゴーイングカーというのがそのコンセプトであったことは間違いのないところだ。それは488ピスタ以前に誕生した同様のスペシャルモデル、360チャレンジストラダーレ、430スクーデリア、458スペチアーレといった例を振り返れば、さらに理解が深まるのではないかと思う。

488ピスタの外観はベースとなった488GTBから、そのディテールを幅広く変化させている。カーボンファイバー製のサイドスカートやリアディフューザー、フロントエアフラップ、サイド・エアスプリッター、エンジンベイなどはその代表的な例で、さらにフェラーリはカーボンファイバーによる超軽量ホイールとセンターキャップを、488ピスタで初採用していることも見逃してはならない。

フェラーリのノース・アメリカン・レーシング・チーム（NART）のカラーリングにオマージュを捧げたとされるボディカラーは、ニューヨークのデザイン・スタジオで、テーラーメイド・プログラムの協力を得てデザインされている。

一方インテリアでは、NASAと共同開発した耐久性の高いテクニカル素材、マイクロプレスティージが、リアウォールやテーラーメイドのフロアマットを含む、キャビンの下部に使用されている。ダッシュボードとドアパネルにはレッドのウルトラスエードのインサートがコントラストを添え、シートにも同様にステッチが施されるほか、ヘッドレストのカヴァリーノ（跳ね馬）のエンブレムも、やはりレッドのステッチによって描かれている。ドライバー側のカーボンファイバー製シルプレートには、フェラーリのデザイン担当上級副社長、フラビオ・マンゾーニによる直筆のオートグラフが入っている。

3.9Lの排気量から710psの最高出力を発揮するV型8気筒エンジンは、F1マシン譲りとなるSダクトの採用など優秀なエアロダイナミクスとの相乗効果によって、488ピスタを停止状態から96km/hまで、わずか2.85秒で加速する実力を持つ。

今回マイアミ・オークションに出品されたモデルは、走行距離がわずかに2851kmという2020年モデル。488ピスタ・スパイダーとともにフェラーリのオフィシャル・マガジンの誌面を飾ったほか、きわめてエクスクルーシブなオフィシャル・イベント、カヴァルケード・モデルネ・ウォームアップや、カヴァルケード・モデルネなどにも姿を現している。マイアミ・オークションの主催者であるRMサザビーズは、この488ピスタに45万～55万ドル（約6705万円～8195万円）の予想落札価格を提示。結果は48万3500ドル（邦貨換算約7200万円）での落札となった。フェラーリのV8スペチアーレ系の人気は、まだまだ相当に強いようだ。