GTIの名物ミーティング 好感度ダウン
オーストリアのヴェルター湖で毎年開催されていたフォルクスワーゲンGTIのオーナーズ・ミーティングが、現地の自治体の要請により廃止されることが決定した。気候と地域の生態系を保護したいとの意向を受けたものだ。
【画像】走りが楽しいフォルクスワーゲンのスポーティモデル【ゴルフ、ポロ、ルポ、up!のGTIを写真で見る】 全62枚
このミーティングは「ヴェルターゼー(Worthersee)」などと呼ばれ、毎年初夏になると数多くのカスタムカーが集まる大規模なイベントとなっている。フォルクスワーゲン・ゴルフGTIのファンのメッカとして、1982年に初めて開催された。
2006年からはフォルクスワーゲンが公式スポンサーとなった。フォルクスワーゲンはこれまで同イベントで、TロックR、ゴルフ GTI、ID.R などの新型車やコンセプトカーを披露してきた。今年は新型EV「ID.2 GTI」のコンセプトモデルが展示されるのではないかという噂もあった。
しかし、イベント主催者は「長年にわたる参加者の大幅な増加は、当コミュニティとヴェルターゼー地域全体の成長と回復力の限界に達しています」と話す。
「気候変動の影響、生態系保全に対する政治的意思決定者の責任、持続可能性の原則に従ってあらゆるレベルの行動を整合させる必要性から、将来の設計を新しい前提の下に置くことが求められています」
主催者はまた、イベントに対する世間の好感度が下がり、「批判が増え、受け入れられなくなった」とも述べている。
イベントは4日間にわたって開催され、設立当初の参加者はわずか100人程度だったが、ピーク時には20万人を集めるまでに成長した。
ドイツ紙シュピーゲルの報道によると、2022年はパンデミックの影響で開催が中止されたにもかかわらず、約5000台の車両が非公式に現地に乗り付けたため、オーストリア警察は3700件の取り締まりを行い、500枚以上のナンバープレートを押収したという。
イベントが永久的に廃止されたかどうかは不明だが、マリア・ヴェルトの自治体は同地域の持続可能性のレベルを高めるために、今後数年間は大規模な自動車イベントを開催しないとしている。マルクス・ペルダラー市長は次のように述べた。
「今後もわたし達のコミュニティで行われるイベントの提案やアイデアを喜んで検討しますが、それらがわたし達の考える社会的・生態的適合性にどの程度まで合致し、高い持続可能性基準を満たしているかを評価します」
「このことを念頭に置いて、わたし達はモビリティ産業と対話を続けていきます。モビリティ産業は、わたし達コミュニティと同様に、エコロジーと持続可能性に向けた大きな変化を考慮しなければなりません」
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