■交通安全をめぐる状況とネタ、双方の「旬」に配慮
熊本県警が、道路沿いにある交通情報板で、交通安全にまつわる文言に時事ネタを盛り込み、ユーモアあるフレーズを表示する取り組みを行っています。
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その文言は誰が、どんな思いで考えているのか、熊本県警交通企画課の担当者に聞きました。
――そもそも交通情報板にはどんな役割があるのでしょうか?
ドライバーに渋滞や通行止めなどの道路情報を、その情報が特にない場合は、安全や事故防止を啓発する標語などを表示します。内容は県警本部で随時切り替えています。
――文言は誰が考えているのでしょうか?
道路情報は交通規制課、安全啓発の文言は交通企画課で考えています。時事ネタを盛り込んだ文言は、月1回くらいのペースで「新作」を表示していますが、成人の日や「世界道路犠牲者の日」(毎年11月第3日曜)などには、その日ならではの文言を発信します。また、たとえば横断事故が多発していれば、面白い面白くないにかかわらず、それに注意を呼び掛ける内容に随時切り替えます。
一方、時事ネタを盛り込んだ文言についても、「これはいま届けないと」という話題があれば、急いで文言を考えて表示することもあります。県内の交通安全をめぐる状況と、ネタの話題性、双方に考慮してタイムリーに発信する必要があると考えています。2016年には安全啓発の文言を合計21回切り替えました。
■誕生の背景にある課題意識 ハードルも上昇
――ユーモアある安全啓発の文言を発信する取り組みは、いつから始めたのでしょうか?
2013年8月からで、担当としてはわたしで3代目です。単に「シートベルトを着用しましょう」というようなありきたりな文言ではなく、よりドライバーの心に届き、安全意識を高めてもらえるよう、時事的なネタを織り交ぜた文言をつくる取り組みを始めました。
――こうした文言をつくるのは熊本県警独自の取り組みですか?
他県でも一時ありましたが、その後やめてしまったようです。現時点では熊本県警ならではの取り組みです。
――取り組みについて、一般の人からの反響はいかがでしょうか?
県警の公式Twitterでも内容を発信していますが、「ドライバーの安全と笑いを守っている」「面白いし記憶に残る」など、よい感想をよく聞きます。
――今後も続けていくのでしょうか?
ええ、わたしが引き継いだときから笑いのハードルがすでに高かったのですが、さらに上がっているように感じます。期待に応え、交通事故が少しでもなくなればと思います。
※ ※ ※
担当者によると、この熊本県警の取り組みは「どうしたらもっとドライバーの目を引き、安全に対する意識を高めてもらえるのか」という課題意識から始まったそうです。現在はしばしばメディアにも取り上げられ、新作を期待する地元の人も多いといいます。熊本のひとつの名物となっているのかもしれません。
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