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消費税アップを逆手に取る購入術! 新車購入は年始から動く必要あり

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消費税アップを逆手に取る購入術! 新車購入は年始から動く必要あり

 納期のかかる人気車種はとくに早い動きが必要

 2019年10月1日より、消費税率がいままでの8%から10%へ引き上げられる予定となっているのはみなさんもご承じのとおり。新車購入に関しては10%の引き上げに際していままでの自動車取得税が廃止される予定となっているが、新たに“環境性能割”という税制が導入される予定となっている。環境性能割とは、たとえばPHEV(プラグインハイブリッド車)やEVは非課税になるなど、環境性能に応じて課税されるというもの。取得税と比べると税負担は軽くなるものとされている。

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 政府では10%へ消費税率が引き上げられることによる新車の買い控え発生を警戒し、この環境性能割やエコカー減税の充実など、何らかの対策を打ってくるものと報道されているがいまのところはっきりしていない。

 そのなかで新車購入現場において話を聞くと、「消費税率アップへの駆け込み受注対策はすでに年明けから始まりますよ」という興味深い話を聞いた。

 いつもなら新年度がスタートする4月1日から税率の引き上げが行われていた。だがそのタイミングだと年度末と重なり、消費税アップ前に購入しようと、毎度のことながら新車以外でもさまざまな駆け込み需要が発生。それが年度末決算とも重なることで、企業をはじめ、世の中は大混乱になっていた。それゆえ今回は10月1日となったのだが……「9月は事業年度締めでの上半期末となりますので、結局のところいつもの混乱は起きるのではないでしょうか」という事情通の話もある。

 新車販売に限っていえば、政府が何らかの買い控え対策を打ってくるのは確実なようだが、新車販売業界ではそれを期待しているほど余裕はない。それは新車の納期遅延が広く蔓延している現状では、10月に受注しても年内に納車が間に合わない車種が続出しているからである。

 しかも消費税率アップ対策が不発に終われば、暦年締めだけでなく事業年度締めにおいても、年間販売目標達成はほぼ絶望的。そこで2019暦年や事業年度締めでの販売目標達成のために消費税率引き上げまでに前倒しで目標達成を図ろうとしてくるのは確実といっていいだろう。となると2018事業年度締めでの年度末決算セールが事実上スタートする2019年1月から、かなりアグレッシブな販売促進活動を展開してきそうなのである。

 たとえばトヨタ・アルファード&ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジ仕様の現段階での工場出荷目処は4~5カ月となっている。仮に3月に契約したとしても、納車予定は7月もしくは8月となる。2018年夏のように全国各地で大規模な自然災害が発生し、自動車生産や流通に多大な影響がでれば、さらなる納期遅延が発生して消費税率引き上げまでに納車が間に合わなくなる可能性もないわけではない。

 レクサス車も標準納期は2~3カ月とされており、人気車はさらに納期がかかるので、年度末あたりには購入意思を固める必要はあるだろう。

 スズキ・ジムニーシリーズなどは現状で報じられている納期が継続するようならば、すでにこれから契約しても消費税率引き上げまでの納車はほぼ絶望的ともいえるだろう。

 先ごろ先行予約の受付を開始した新型デリカD:5は、2019年2月が正式発売予定となっている。先行予約開始が早めとなっている背景は、少しでも年度末セールの販売実績に反映させたいというものもあるようだが、三菱デリカD:5の既納ユーザーの代替えもかなり予想されるだけに、その先の消費税率引き上げを見越しているというのもけっして考えすぎではないだろう。

 ロサンゼルスショーでワールドデビューした新型アクセラも2019年2月の国内デビューが予定されているので、こちらもマゴマゴしていると、気がつけば消費税率引き上げ前の納車が間に合わないケースも発生しかねないだろう。

 そのため新車ディーラーとしては、現状で納期が遅延傾向にある車種ほど前倒しで購入を希望するお客へ購入判断を早めるようにアプローチしてくるのは間違いないだろう。購入決定の意思表示を早めてもらうために、値引き条件なども早い時期から拡大してくることになるのは自然の流れといってもいい。

 年度末セールを逃せば、次の増販期は6月と7月がメインとなる夏商戦となる。ここ数年は四半期決算を意識して6月のほうが好条件は出やすいのだが、6月に契約したとしても、消費税率引き上げまでに納車が間に合うかどうか結構“ハラハラ状態”となる車種が目立ってくるだろう。

 初売りセールを活用したいが軽自動車な年度末セールがお得

 それでは税率引き上げ前後の損得勘定はどうなるのだろうか? 現段階では政府の対策がはっきりしていないところもあるのだが、やはり税率引き上げ前に購入したほうが得するのはほぼ間違いないだろう。どんな対策を政府が打とうが、今回は10%というわかりやすい税率へ引き上げられるので、そのインパクトは大きすぎ(単純に1割なので目に見えて税負担がわかりやすい)税率引き上げ以降の買い控えは防ぐことはおろか、いままでの引き上げ時の買い控えよりダメージが大きくなると考えるのが自然の流れといえる。

 この流れが2019年内に解消されることなく、2019事業年度締め(2020年3月)実績へ悪影響を及ぼすのは必至。

 メーカー及び系列ディーラーとしては、2019年9月までで事実上2019暦年締めでの年間目標販売台数クリアを狙ってくるぐらいの勢いでの販促活動を仕掛けてくる可能性も高まっている。

 それでは我々消費者はどこに注目すればいいのだろうか。車両本体値引きのアップだけでは購入意思を早めるほどのインパクトやディーラー同士での差別化はなかなか出ない。そこでカーナビなどの用品特価や無料装着、特別低金利ローン、下取り査定額の上乗せなど、側面支援の充実が活発化してくるので、そのあたりの各ディーラー間で比較検討するのがおすすめ。これらは車両本体値引きと異なり、“2019年9月30日まで”など“期間限定”というフレーズが使いやすいので消費者の購買意欲アップにも効果的なのである。

 各ディーラーの意気込みを探る絶好の機会が年明け早々に行われる“初売りセール”である。ダイハツやスズキは正月3日から行うのが恒例となっており、ほかのメーカー系ディーラーでも4日や5日から初売りセールを行うのが一般的。

 そもそも松の内の時期に開催することもあり、このタイミングでガンガン売っていこうというよりも、このタイミングぐらいしかディーラーに足を運ぶことのできない人など、普段接触機会の少ないひとまで広く集客して、“きっかけ作り”の場と考える傾向も強く、そのため、来場記念品なども普段より奢ったものが用意されたりして、敷居をぐっと下げてくる。

 普段より正月休みで時間のあるひとも多いだろうから、気になるディーラーをまわり「今年は消費税アップするよね」などと世間話のように探りを入れることも可能である。

 軽自動車に関していえば、ホンダN-BOXは2018事業年度締めでも販売ナンバー1を狙っているし、スズキとダイハツのブランド別販売トップ争いは、久しぶりに年間販売台数でスズキがトップに返り咲きそうな勢いがあり、ダイハツとスズキのバトルが激しいので、年度末決算セールが断然買い得といえる。

 登録車に関しては、カルロス・ゴーン氏の逮捕が現段階で新車販売にどこまで影響を与えるのか、捜査の行方、日産の今後の対応、さらに消費者の反応などすべてが未知数ともいえるが、事情通氏は「少なくともいままで日産以外のクルマに乗っていたひとが新車への代替えを検討する際には、日産車が候補から外れることは多くなることでしょう」とのことであった。

 日産はここのところ、ノートの登録車販売ナンバー1や、セレナのミニバン販売ナンバー1達成など、販売ランキングに強いこだわりを見せていたが、2018事業年度締めではノートの登録車トップもセレナのミニバントップ達成もけっして楽観できない状況となっているといっても過言ではない。

 このなかで日産車の購入検討をやめるひとの受け皿となるのはトヨタといえるだろう。ホンダはいまのところN-BOXの増販に体力を使いすぎ、フィットやフリード、ステップワゴンなど登録車販売へなかなか手がまわりきれていないのが実状で、日産の軽自動車であるデイズ系以外の日産車の購入検討をやめたひとの受け皿にはなかなかなりきれない。

 一方でトヨタは年明け早々にヴォクシー/ノア/エスクァイアの改良を予定している。12月17日にはプリウスのマイナーチェンジも実施予定なので、話題に事欠かない状況にもなっており、日産のいまの騒ぎを“好機”と捉えて積極的に攻めてくるのは、トヨタ以外、あるいは新車販売以外でも商売の世界では常道であるのは明らか。

 とにかく「消費税率が上がるのかあ、クルマどうしようかなかあ」といま頭のなかでボンヤリ考えているひとは年明けから積極的に動くことをおすすめする。

 少なくとも“夏商戦”から動き出すのは、消費税率引き上げ云々で悩んでいるひとにとっては、かなりリスキーで遅すぎるというのは間違いない。

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