他メーカーも注目の新型RX
レクサスは2022年11月18日、日本での新型「RX」の発売について発表。
【画像】一見さん向け販売も【新型レクサスRXの内外装を詳しく見る】 全160枚
フルモデルチェンジとなった中身が気になるのは当然だが、販売方法で抽選をおこなうという手法を導入したことも、ユーザーのみならず他メーカーやディーラーが注目している点だ。
そこで、オンラインで報道陣向けに開催された、新型RX発売に伴う技術面と販売面での説明会に参加して新型RXに対するレクサスとしての狙いを確認した。
まずは、RXの歴史から振り返ってみたい。
初代は1998年に北米で登場した。そもそもレクサスは北米向けとして立ち上がった、トヨタのプレミアムブランドである。
当時は、ホンダがアキュラを導入し、またドイツのメルセデス・ベンツやBMWなど伝統的なプレミアムブランドがエントリーモデルの導入などでモデルラインナップの拡張を進めていた時期だった。
トヨタとしては、トヨタの技術をいかしたハイエンドなモデルとして、北米をメインマーケットとして、またグローバル展開を見据えたテストマーケットとして捉え、LSを皮切りに徐々にレクサスモデルラインナップを増やす戦略を組んだ。
そうした中で、北米では90年代後半からピックアップトラックの乗用化、それに派生したSUV市場拡大が進んでいたことが、レクサスRX登場を後押ししたといえるだろう。
SUVシフトの波に乗って……
2000年代前半になると、北米でのSUVシフトはさらに進み、ドイツメーカー、デトロイト3(GM、フォード、当時のクライスラー)も上級志向のSUVを続々と登場させた。
日系メーカーも、トヨタ、日産、ホンダとしてSUVモデルを拡充させると同時に、レクサス、インフィニティ、アキュラでもSUVをラインナップの中核として位置付けるようになっていく。
そうした中で、2代目RXは上級SUVらしいデザインと走りに加えて、「〇〇h」というグレード名称をつけたハイブリッド車を導入する。
こうした北米市場でユーザーと販売店の声を十分に聞いて熟成されていったRXは、2009年に3代目となり、日本と中国にも導入されていく。
さらに、2015年には4代目となるも、各種の年次改良を経て、インテリアと走りの質感が段階的に向上していった。
初代から4代目へと、RXはクルマとしての成熟度が高まるのと比例して販売台数も伸びてきたというのが、これまでの流れである。
RXの実績を数字で見ると、1998年から2022年9月までで、グローバルでの累積販売 台数は約95の国と地域で約362万台に達している。
これを日本国内でみると、2009年から2022年9月までで約12万9000台を販売している、という人気のプレミアムSUVである。
レクサスで最も売れているRX
次に、レクサス全体販売実績を2017年から2021年累計のモデル別で見ると、RXは全体の28%となりトップ。
次いで、ES(23%)、NX(21%)、LX(6%)、IS(5%)、GX(4%)と続く。
日本市場ではRXがトップで22%で、NX(21%)、UX(15%)、LS(9%)と続いている。
そして興味深いのは、RXでのハイブリッド車の比率だ。
グローバルでは18%にとどまるが、日本では57%と過半数を超えている。
こうした実績を背景と生まれ変わった新型RXでは、コンセプトを「革新への挑戦」として、静粛性と乗り心地について「対話できるクルマ・走りの楽しさ」を追求したと、チーフエンジニアの大野貴明氏は強調する。
話をパワートレインに集約すると、新型で導入するのは、「RX 500h」が2.4Lターボとダイレクトシフト6ATのハイブリッドでAWDのみ、「RX 450+」の2.5L PHEVもAWD、そして「RX 350」の2.4Lターボとダイレクトシフト8ATはFFとAWDをラインナップした。
販売目標については、モデル通期でグローバルでは月1万6200台。
内訳は、日本が700台、北米が9000台、中国が3700台、欧州が1500台、その他が1400台となり、主力市場が北米と中国であることが分かる。
こうした中で、注目されているのが日本国内での抽選販売である。
一見さん向けの抽選販売とは?
新型RXの販売が抽選となるといううわさは、少し前からユーザーの間で話題となっていた。
今回、レクサスの説明よると、RXの抽選販売には大きく2つの種類がある。
まず、レクサスがメーカーとしておこなうのは、2022年11月18日から同年12月22までの期間に募集する限定500台の抽選販売だ。
これは、現在、または過去にレクサスの所有経験のない新規ユーザーを対象としたもの。抽選の結果発表は2023年1月におこなう予定だ。
また、一般販売では新規ユーザーを含めて誰もが購入対象となる。
一方で、ディーラーが独自に抽選する場合もある。
これは、レクサスがこれまでおこなってきた、ディーラーで受注を取り続けそれが生産能力を大幅に超えることで納期が長くなる、といった考えをあらためた結果としてディーラーが独自におこなうものだ。
レクサスからディーラーに生産計画をあらかじめ提示し、それに応じた販売数をディーラー各社が考慮する手法をRXから取り入れた。
現状では、新車の立ち上がり1年で受注可能な上限台数をレクサスからディーラーに提示しており、初期受注分の納車は来年1月から秋頃までにおこなう予定だという。
今後は、半導体など部品供給の状況によって計画の変更が考えられる中で、増産調整についても鋭意取り組んでいくと説明した。
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みんなのコメント
って…
足りるか〜??