フェラーリは、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのスパ24時間レースに先立ち、現行GT3マシン『488 GT3 Evo』に変わる新型カスタマーレーシングマシン『296 GT3』を公開した。
フェラーリは、フィオラノのテストコースで4月に296 GT3のシェイクダウンを実施した際に、カモフラージュが施されたマシンを公開していたが、今回の発表ではその全貌が明らかとなった。
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296 GT3で特筆すべきは、フロントとリヤセクションが一体で完全に取り外し可能なサブフレームの”モジュール構造”を持ち、メンテナンス性の向上が果たされているということだ。
フェラーリのGTレーシングカー設計責任者であるフェルディナンド・カニッツォは、296 GT3の発表に際して次のように語っている。
「我々は、F1やプロトタイプ(LMHマシン)でどのように行なわれているかを見て、それを模倣したのだ」
「我々は、F1チームとはいくつかのアイデアやコンセプトの交流を行なった」
加えて296 GT3の開発では、F1チームを始め「フェラーリの全ての部門」と多くと交流を行なったという。
カニッツォは新型GT3マシンでは、より走りやすく、より作業しやすくすることが、設計・開発における指針のひとつだったと説明した。
「コンセプトの段階から考えていたことだ。アセンブリを簡素化し、サーキットでの作業をより簡単にしたかったのだ」
「フロントやリヤのボディワークを取り外すと、電気コネクターがひとつずつあるだけで、たくさんのケーブルがあちこちにある訳ではない」
「マシンの走らせやすさといかに早くパーツを交換できるかが、パフォーマンスでの重要な要素になる」
「フロントとリヤのボディワークは、数秒という速さで交換できる。どれだけ早くできるかは調査が必要にはなるが」
296 GT3のベースとなる市販車は、2021年に発売された『296GTB』。GT3マシンではその構造と能力を引き継いでおり、搭載されるエンジンは120度のバンク角を持つ3.0リッターV6ツインターボとなる
296のレースマシン化は当初から想定されていたことで、アティヴィタ・スポルティブGT部門が市販車開発に関わっていたとカニッツォは明かした。
「レーシングカーに求める要件を、最初から考えていたのだ」と彼は言う。
ターボをVバンク内に収め、より効率的なエンジンパッケージングを可能にしたワイドなバンク角のも、そうした点が大きく関係している。
またエンジンがフロントからリヤにかけて2度傾けられていることで、空力的な効果が高められているという。
「2度というのは大したことではないように聞こえるが、ディフューザーを適切な形状と大きさにすることで効率を引き上げ、リヤの車高感度を良くするには十分なのだ」
296 GT3のホイールベースは市販車よりも60mm長い2660mmと、アマチュアドライバーにもより扱いやすいモノとなっている。
市販車は電動モーターを組み込んだプラグインハイブリッドとなっているが、GT3規定では認められていないため、296 GT3のパワートレインは内燃エンジンのみ。そのため市販車とは異なるギヤボックスのケーシングが採用されている。
3世代に渡り、フェラーリは社外チューナーであるミケロットと共同でGT3マシンを開発してきたが、今回の296 GT3からはアティヴィタ・スポルティブGT部門で初めて専用設計された。
このプロジェクトには、フランスのレーシングマシンコンストラクターであるオレカが、ミケロットに代わり開発に携わった。
296 GT3の初号機は約8000kmの走行テストを終え、デビュー戦となる来年1月に開催予定のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦デイトナ24時間レースに向けて、今年末からカスタマーへのデリバリーを開始する予定だ。
296 GT3の価格は公表されていないものの、フェラーリは488 GT3 Evoから大幅な値上げはしないと約束している。彼らの方針としてレーシングカーの価格は公表されないが、488 GT3 Evoは税別で50万ドル(約6700万円)に近いと言われている。
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