日本政府は2035年までにガソリン車の新車販売の廃止を目指している。東京都はあと5年しかないが「2030年までに新車販売非ガソリン車100%」を目指している。今、世界ではEV急減速が起きているとはいえ、いずれ内燃機関がなくなりBEV時代が来るのは免れない。今回はそんな時代が来る前に、今乗っておきたい極悪燃費大馬力車を紹介していこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部
ガソリン暫定税率廃止が実現したら即買い!? 今のうちに乗っておきたい!! 激安だけど見栄を張れる大馬力極悪燃費車!!!
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ガソリン車が乗れなくなるのはあと25年?
2025年8月をもって生産終了をアナウンスしていたR35GT-Rだが公式ホームページにおいて新規注文受付の終了も正式に発表。もうGT-Rには純ガソリンエンジンは搭載されないだろう
政府の2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指す「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」、東京都の2030年までに新車販売の非ガソリン車100%(純ガソリン車の販売禁止)は、本当に実現できるのか?
日本自動車販売協会連合会発表した軽を除く小型車、普通乗用車のうち、乗用車全体に占めるEVの販売割合はたったの1.9%しかない。ちなみにガソリン車は29.1%、ハイブリッド車は62.0%、PHEVは2.3%、ディーゼル車は4.7%と、ガソリン車とハイブリッド車を合わせると9割を超える。ちなみにアメリカのEV比率は8.1%、EUは14.8%と日本よりはEV化は進んでいる。
勘違いしないでほしいのは2030年、2035年に純ガソリン車は乗れなくなるわけではない。純ガソリン車の新車販売ができなくなるということで、現在走っているガソリン車や中古車は対象外。とはいえロンドン市内やパリ市内のように乗り入れ規制ができる可能性もある。
前述した「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じた CO2ゼロを目指すカーボンニュートラル」が目標通りに進めば、2050年以降は純ガソリン車の利用も禁止され、ガソリン車は完全廃止が急速に進む。新車を購入してから廃車になるまでの平均使用年数は乗用車が13.87年と言われているので単純に考えると2025年に販売禁止すれば2050年には廃棄される、というわけだ。
ガソリンスタンドがなくなればもう終わり? ガソリン販売禁止になる?、歴史的な名車も公道を走れなくなる? EVが現在のハイブリッド車のように普及すればEV補助金は廃止される? といった疑問は残るのだが……。仮にガソリン車利用(走行)禁止は2050年とすると、たった25年しかないのだった。
5台に絞るのは難儀だ。筆者は50代のおじさんということもあって、ロータリースポーツのFD3S型RX-7(280ps、7.2km/L)、リッター3kmと言われた20B3ローターのコスモ(280ps、6.1km/L)、2024年3月に新規注文受付を終了し2025年8月生産終了のR35GT-R(570ps、7.8km/L)、ゲレンデヴァーゲンAMG G63(585ps、6.6km/L)が思い浮かべたのだが、お金がありあまるほどある人なら別だがとても買えない……。
いまや911にもハイブリッドが搭載されている。写真は911初のハイブリッドシステムが搭載されたカレラGTS
新車で今買えるスーパースポーツにしても、いまやハイブリッドは当たり前の時代。ポルシェ911は2024年5月、史上初めてハイブリッドを搭載した911GTSを発表。911GTSに搭載されるT-ハイブリッドシステムは3.6Lフラット6エンジンに電気モーターを組み合わせて541psを発生。
すでにフェラーリもSF90やF8トリブートもPHEV。そして2021年6月には663psの3L、V6ツインターボに、167psの駆動用モーターをミドにマウントしたPHEV、296GTBを登場させ、最新のF80に至っては3L、V6ツインターボのハイブリッドでシステム出力は1200psだ。
ランボルギーニしてもシステム出力1015psの6.5L、V12+3モーターを搭載するレヴェルト、4L、V6ツインターボに3モーターが組み合わせられ、920psを発生するテメラリオなど、いまや純ガソリン車を探すのが難しいほどだ。そんな危機感も踏まえ、中古車を含めて5台挙げてみた。
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大排気量5L、V8の咆哮=レクサスRC F:481ps、8.5km/L
最終モデルとなるレクサスRC Fファイナルエディション
レクサスは、2025年1月16日、クーペのRCとともに、5L、V8という大排気量エンジンを搭載したRC Fを2025年11月をもって生産終了すると発表した。と同時に200台限定のRC Fファイナルエディションを発売した。
RC Fファイナルエディションは、BBS製19インチ鍛造アルミホイールやカーボンアクティブリアウイングを装備し、空力性能と走行安定性を高めた。また、5L、V8エンジンとリアディファレンシャルは高精度にチューニング、内装には「ブラック&フレアレッド」の専用カラーを採用。
RC Fは481psを発生する5L、V8NAエンジンを搭載しており、WLTCモード燃費は8.5km/L。GT-Rの7.8km/Lよりはましだが、ストップ&ゴーが多い場所での実燃費は4~6km/Lほどまで悪化する。
ちなみにRC Fファイナルエディションは1360万円である。中古車は大手中古車情報サイトでは約70台が流通しており、25台限定車や10thアニバーサリーは軒並み1000万円オーバーだが2014~2015年式で380万~550万円、800万~900万円台が2019~2024年式といったところ。程度のいい前期型(477ps)を500万円台で購入するというのもアリだろう。
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令和の羊の皮を被った狼=スカイライン400R:405ps、10.0km/L
スカイライン史上最強の405psを発生する3L、V6ツインターボエンジンを搭載するスカイライン400R
日産の大排気量エンジンといえば、R35GT-RのVR38DETTがあるが、この企画の趣旨に違う気がしている。それ以外ではF50シーマのVK45DD型4.5L、V8(280ps)、GY50フーガの450GTのVK45DE型4.5L、V8(333ps)が頭に浮かんだが、インパクトに欠ける。
ということで大排気量ではないが、日産からはV37スカイラインのビッグマイナーチェンジ(2019年9月)で追加されたスカイライン400Rを挙げてみた。
400Rの魅力は、なんといっても史上最強と日産が謳うVR30DDTT型3L、V6ツインターボエンジン。405ps/48.4kgmを発生し、水冷式インタークーラーや電動VTCシステム(可変動弁システム)の採用により、シャープなレスポンスと優れた10.0km/Lという燃費性能と静粛性能を実現。
日産バッジが入った3L、V6ツインターボが搭載される400R
エンジンから不快なこもり音が発生するとスピーカーから制御音を出力し、不快な音の音圧レベルを低減することで静粛性を確保する「アクティブノイズコントロール」やステアリングの動きを電気信号へと変換してタイヤを制御するダイレクトアダプティブステアリング、タイヤの回転数や横Gなど走行シーンに合わせて最適に制御するインテリジェントダイナミックサスペンションなど、ハイテク満載のスポーツセダンとなっている。
こんな魅力的なスカイライン400Rの中古車は2019年式240万円スタートで流通台数は100台あまり。中心となるのは2020~2023年式で350万~380万円。2024年式となると500万円オーバーとなり、最高価格は590万円。新車でそこそこ売れた人気車だっただけに比較的流通台数が多いので、程度重視で選びたい。
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5L、V10NAの気持ちよさ=BMW M5:507ps/6.9km/L
507psの5L、V10エンジンを搭載するE60型BMW M5。レッドゾーンは9000rpmのS2000に届かないものの8250rpm
BMWといえばシルキーシックスと言われる直6エンジンの気持ちよさが忘れられないが、大排気量NA、しかもV10エンジンを積んだE60型BMW M5の凄さが強烈に記憶に残っている。
エクステリアはクリスバングルデザインの鷹の目を持つ量産セダンなのだが、その心臓部は量産サルーンで初と言われるV10エンジンを搭載しているのだ。当時ウィリアムズBMWとしてF1に参戦していたBMWがその技術を結集して作られた。
パワー&トルクは507ps/53.0kgmという自然吸気ユニットで、バルブコントロール技術「ダブルVANOS」やシリンダーごとに設けられたスロットルバタフライなどを備え、レッドゾーンはなんと8250rpm。トランスミッションは2ペダルMTの7速シーケンシャルトランスミッション(SMG)。
一度はV10エンジンの咆哮を聞きたい……
サスペンションはエレクトリック・ダンパー・コントロールユニットと呼ばれるダンピング調整機構が備わり、3種類のプログラム、コンフォート/ノーマル/スポーツに切り替えられる。
日本に正規導入されたのは2004年11月、高回転型V10のエンジンフィールと、甲高いエキゾーストノートにシビれたのを覚えている。
新車当時の価格は1290万円。現在、大手中古車検索サイトには5台が流通。2007年式8.8万kmが365万円、2009年式6.4万kmが374万円、2006年式8.9万kmが380万円、2006年式5.9万kmが395万円、そして最高価格は2006年式8万kmの458万円のE60型M5である。
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6L、W12は一度は味わっておくべき!=ベントレーコンチネンタルGT:580ps/6.9km/L
初代コンチネンタルGTは、560psのVW製6LのW12をツインターボを搭載2003年当時の新車時価格は1990万円だがいまや200万円台から買える
ベントレーコンチネンタルGTといえば、ラグジュアリークーペの極み。現行モデルは2024年6月に発表され、600psの4L、V8ツインターボエンジンに190psのモーターを組み合わせ。システム出力は782psに達する。日本での価格はコンチネンタルGTスピードが3930万3000円と20坪程度の都内のマンションが買えてしまう。
狙うは1998年にVW傘下に入ってからの初代ベントレーコンチネンタルGT。搭載されるエンジンはVW製の6L、W12ツインターボで560ps/66.3kgmを誇る。GTはクーペ、GTCはソフトトップのコンバーチブル、GTスピード>Cスピードは610ps/76.5kgm、110kgの軽量化と630ps/81.6kgmに向上したスーパースポーツなど豊富なラインナップ。
スイッチ類以外のほとんどがレザーとアルミ(一部はアルミ調だが)で構成されているベントレーコンチネンタルGTのインテリア。アナログの時計はブライトリング製だ
スムーズに回るW12気筒のフィーリングもさることながら本革&本木目と使ったインテリアは豪華絢爛。2003年11月に日本導入された当時の価格は現行モデルよりも半額近い1990万円(コンチネンタルGT)だった。
さて、現在、中古車価格はいくらなのか? 大手中古車検索サイトをみると2003年12月~2011年2月までの初代モデルの中古車相場は約260万~450万円。W12エンジン&豪華内装でこんなに安くなっているのは驚いてついポチっとしたくなるが、冷静に考えると20年前のモデルだから安くなって当然か……。
2007年式11万kmが258万円、2006年式5.9万kmが298万円、2005年式3.9万kmが450万円といったところで、2代目は2012年式5.2万kmが530万円から。なるべく安いお金で、大金持ちに見られたいというはいいかもしれないが、部品代および修理代が高額なのでリスクがあることを承知のうえで購入されたい。
そういえば、同じW12エンジンを積んだVWトゥアレグW12も存在したのを思い出した。2005年に限定100台で販売されたVWトゥアレグW12スポーツである。当時の新車価格は1047万9000円。現在の中古車相場はなんと約130万~約260万円で3台が流通している。つい後先考えず、ポチっとしそうになってしまった……。
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家族4人が乗れる4シーターポルシェ=ポルシェパナメーラS:400ps、9.1km/L
ポルシェ初の4ドア4シーターのパナメーラ。V6のパナメーラは165万円から買えるとは……
ポルシェ初の4ドア4シーターサルーンのパナメーラも激安といっていい状況。2010年8月から日本導入された。中古車市場に流通している安い価格帯のクルマは、主に3.6L、V6(300ps)のパナメーラ、4.8L、V8(400ps)のパナメーラS、4.8L、V8ターボ(500ps)のターボが多い。パナメーラはボディサイズが全長4970×全幅1930×全高1420mmと大柄なので注意が必要。
中古車相場は、パナメーラが2010年式9.5万kmの165万円が最安で、2011年式10.9万kmが180万円、2010年式5.8万kmが230万円といった感じでパナメーラSは2010年式8.8万kmが238万円。ターボやGTSは400万円前後から狙える。
同時代の911に似たデザインを採用するパナメーラのコクピット
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