レッドブルは現在のパワーユニット(PU)サプライヤーであるホンダがF1を離れる2022年以降に向けて、野心的な取り組みを続けている。彼らはレッドブル・パワートレインズという新部門を設立し、2022年にホンダから受け継ぐPUを自社運用していくだけでなく、2025年から導入予定の新世代PUも独自に開発しようとしている。
レッドブルはミルトンキーンズにある拠点に、最新鋭のファクトリーを建設する作業に着手。また、ライバルであるメルセデスのPU部門から多くのスタッフを引き抜くことにも成功した。
■フェルスタッペン、レッドブルによるメルセデスの”上級スタッフ引き抜き”にコメント「新たな挑戦を求めるのは普通」
しかしその一方でメルセデスのトト・ウルフ代表は、チームのスタッフを引き抜かれたことに動じない姿勢を見せており、自社のオペレーションにはあまり大きな影響がないと明言している。
またウルフは、レッドブルが競争力を確保するために莫大な投資をしていることを認めながらも、彼らが現在直面している課題の規模を過小評価するべきではないとも考えている。
というのもウルフは、現行のPUサプライヤーでワークスチームを持つメルセデスやルノー、フェラーリがインフラを整えるためにどれほどの投資をしてきたか、そしてそれが整うまでにどのくらいの時間がかかるかをよく理解しているのだ。
motorsport.comイタリア版の独占インタビューの中で、ウルフはレッドブルが直面している課題の大きさについて次のように語った。
「我々はブリックスワースに900人のスタッフを抱えている」
「彼ら(レッドブル)はその内100人に声をかけ、10人~15人を獲得した。それらは主にパフォーマンス部門ではなく、製造部門のスタッフだ。その点で言えば、私がもし新しいファクトリーを作るとなった場合も同じようにするだろうね」
「ただ、数十人程度の人員を雇ったところで、競争力のあるPUを運用するファクトリーを完成させるまでには、まだかなり長い道のりがある」
「今投入されているリソースを鑑みれば、レッドブルにもそれはできると思う。しかしメルセデスやその他のメーカーは、何十年も前からこのスポーツに関わり、インフラを構築してきた」
「だから、15人の従業員とガラガラのファクトリーの建設だけでは、3年間でPUの競争力を高めるには十分ではない」
「そうは言っても、彼らは素晴らしいチームだし資金力もあるので、その辺りは真剣に考えている。しかしF1においてひとつ言えることは、時間が必要だということ。金で学びを早めることはできないのだ」
前述の通り、メルセデスのPU部門『ハイ・パフォーマンス・パワートレインズ』からは何人かのスタッフがレッドブルへと移籍することとなったが、ウルフは大半のスタッフが破格のオファーを断り忠誠心を見せてくれたと語った。
「アプローチを受けた結果去っていったスタッフよりも、忠誠心を見せてくれたスタッフの数の方が圧倒的に多いことは社内的にも良いことだ」
「その忠誠心と誠実さを目の当たりにして、このグループの価値を確認することができた」
「声をかけられた人の中には本当に優秀な人材もいて、宝くじのような金額を出されたようだ。しかし彼らはそれでも迷わなかった。彼らはこの環境が気に入っているのだ」
「つまり我々はこの環境が、働くにも成功するにも良い環境であることを証明した。それはブリックスワースにある組織にとっては非常に誇らしいことだ」
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