■ボルボが「日本自動車セールス顧客満足度」で2位に輝ける理由は「CS-VESC」にあり?
クルマは購入して終わりではなく、そこから本当の付き合いがスタートします。どんなにクルマの性能が優れていたとしても、担当するディーラーやセールススタッフの対応如何でユーザーのカーライフは大きく左右すると言えるでしょう。
その指標の一つが顧客満足度(CS=カスタマーサティスファクション)です。このCSに関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関「J.Dパワー」が実施した「日本自動車セールス顧客満足度」の調査で、ラグジュアリーブランドの総合満足度ランキングでレクサスに続いて2位を獲得したのはスウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」になります。
その背景には2015年から開催されている「CS-VESC(カスタマー・サティスファクション・ボルボ・エクセレント・セールスパーソン・コンテスト)」が大きく影響しています。
このイベントは接客のスキルをロールプレイング形式で競うイベントで、第4回となる2021年は全国のボルボ・カー・ジャパン正規販売店の593名が参加しました。
今回は予選を勝ち抜いた6チーム18名が競う決勝大会(CS-VESCファイナル)を見学させていただきました。
ショールームを想定した会場に2台の展示車(XC60/XC40)が置かれ、2組の来客に3名のスタッフが対応…と言うシチュエーションで、個人のスキルだけでなくチーム全体の協力も重要となります。
もちろん細かい内容は事前には通知されておらず、来店したユーザーに扮した人は様々な要望や質問をセールススタッフに投げかけます。
審査委員はボルボ社内スタッフだけでなく人材育成や企業研修の専門家などで構成され、審査ポイントは「一流のマナーが備わっているか」、「車両はもちろんブランドの知識があるか」、そして何よりも「お客さま目線に立った接客ができているか」などを総合的にチェックしていきます。
今回はこれに加えて、コロナ渦を通じて重要さが増しているオンラインでの商品説明ロールプレイングもおこなわれました。
PCやタブレットを用いて「解りやすく簡潔に説得力ある説明ができるか?」と言うポイントも競技の結果を左右するポイントです。
参加者は厳しい予選を勝ち抜いている優秀なセールススタッフだけありスキルの高さは言うまでもありませんが、マニュアルに即した“通り一辺倒”の接客とは違って各人の “色”がシッカリ出ているように感じました。
やはり優秀な人材は“プラスα”の引出しを持っているんだな…と。筆者が「なるほど!!」と感じたのは、カーボンニュートラルやサスティナビリティ、更にはSDGsなどの変革をボルボの商品や戦略と組み合わせて解りやすく説明していた人がいた事です。簡潔に、誰にでも、解りやすく伝える…この辺りは逆に勉強させていただきました(笑)。
参加した6チームはどれも甲乙つけがたいレベルの接客だと感じましたが、その中でもオンラインでの商品説明が素晴らしかった「ボルボ・カー虎の門」が優勝、2位は「ボルボ・カー世田谷」、3位が「ボルボ・カー千里」となりました。ちなみに優勝チームを含む上位4チームは、スウェーデンへの研修旅行に招待されるそうです。
今回、イベントに合わせてボルボ・カー・ジャパン代表取締役社長・マーティン・パーソン氏にインタビューをさせていただきました。
■商談はオンラインの時代へ?新しい時代のボルボの在り方
マーティン氏は明治大学で経営学を学び(なので日本語がとても流暢)、1999年にボルボ・ジャパン(ボルボ・カー・ジャパンの前身)でキャリアをスタート。2008年にスウェーデン本社に異動し、グローバルCRMの責任者、ロシアおよび中国でカスタマーサービスの責任者、本社グローバルカスタマーサービスの責任者、ボルボ・カー・ロシアの社長などを務め、2020年10月から現職です。
カスタマーサービス出身からも解るように、CS-VESCの重要性をよく理解しているトップと言えるでしょう。
――日本ではクルマを買う時よりもクルマを買った後が大事だと言います。ボルボは輸入車の中でも熱心に取り組みを行なっているメーカーだと思っています。
マーティン:ボルボの考え方は「売る」だけでなく「アフターケア」を含めたトータルエクスペリエンスを大事にしています。私はカスタマーサービス出身なのでよく解ります。
――他の地域と日本の違いはありますか?
マーティン:一つは「買い方」ですね。欧州はカンパニーカーやリースも多いですが、日本は99%プライベートセールスです。カンパニーカーは会社から支給されますが、プライベートカーは自分でお金を出して買うので、アフターケアに対する要望はよりシビアです。
――日本人のボルボに対するイメージは高く、日本車からの乗り換えがスマートにできるブランドの1つだと思っています。
マーティン:それは安全、環境、デザインなど、ボルボの「バリュー」が日本人にフィットしているからでしょう。
――クルマは優れている、それに加えて売る人がシッカリすれば、販売はより高まる…と言うわけですね?
マーティン:実は日本市場の販売台数はワールドワイドで9位です。これもエビデンスの1つだと思っています。
――ボルボと言えば「2030年に100%BEV(電気自動車)メーカーになる」と宣言して話題となっていますが、それは日本市場も同じ考えですよね?
マーティン:その通りです。現状はマイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドのみですが、直近ではこの戦略で販売は11%伸びています。私はパターンとして一度電動化を経験すると元(=ピュアな内燃機関)には戻れないと思っています。私もプラグインハイブリッドに乗っていますが、エンジンが掛かるとビックリしてしまうくらいです(笑)。となると、次のステップはBEVになると思っています。
――電動化シフトは着々と進んでいますが、その一方で日本市場はディーゼルの需要もまだまだあります。その辺りを全てやめてしまう潔さもボルボの凄さですよね。
マーティン:他のブランドは様々なチョイスを残しています。しかし、ボルボの生産台数は70万台と世界的には大きなメーカーではないので、今後の“道”はハッキリ選ばなければなりません。
――更にボルボが今後発売するEVは全てオンライン経由で販売…と発表していますが、今後ディーラーやセールススタッフの役割はどうなるのでしょうか?
マーティン:もちろん、今までとは変わりますが重要性は変わらないと思っています。今までのセールススタッフの役目はクローサー…、いわゆるネゴシエーションする人でしたが、これからはコーチ…ブランドバリューを説明する人になります。
実は現在もその傾向はあり、ユーザーは事前にオンラインで勉強してディーラーに行く時には車種や購入について既に決まっていることが多いです。つまり、我々がやろうと思っているのは次のステップに進むと言うだけです。ただ、テストドライブやアフターケアはクルマには必要な事ですよね?そこはオンラインからオフラインへと繋げます。
――つまり、オンラインの時代になってもディーラーやセールススタッフ…つまり「人」の重要性は何も変わらない…と?
マーティン:その通りです。パーソナルコンタクトはプレミアムブランドにとって重要な要素ですので、今後も残ります。
――つまり、オンラインの良さ、オフラインの良さをシッカリ分ける…と?
マーティン:サービスはオンラインではできませんからね(笑)。我々には全国100の販売拠点があるのが強みとなります。
――行きたくなるディーラー、居心地のいいディーラー、そういうお店とは長く付き合っていきたくなります。自分もボルボユーザーなので、その辺りはよく解ります(笑)。
マーティン:ボルボは1927年に設立されましたが、創業当初から「お客様にフォーカスしよう」がブランドのプロミスです。安全にも環境にも徹底してこだわる理由は、ズバリ「人」が中心だからです。
――その筋が通っているから、「次もボルボにしよう」と言うユーザーが多いと。今後の販売台数目標はどうでしょうか?
マーティン:去年は色々ありましたがポテンシャルはあると思っています。現在の日本市場の販売台数は約1.7万台ですが、2025年までに2.5万台を目指します。そしてそのうちの35%である9000台はBEVです。グローバルでは2025年にBEV比率50%が目標ですが、日本でその目標を掲げるのはなかなか難しいと思っています。
――ただ、日本はハイブリッドを含めた電動化はかなり進んでいる国だと思っています。
マーティン:それに関して異論はありませんが、1日の走行距離を含めて日本はBEVがフィットすると思っています。もちろん充電の不安はありますが、マインドセットも必要だと思っています。今はBEVが少ないので経験が少ないですが、これからグッと伸びるような気がしています。
――ちなみに日本市場におけるBEVはどのようなユーザーが想定でしょうか?
マーティン:ターゲットは従来よりも若くしたいと思っています。ただ、BEVは比較的ゆっくりな動きになるかな…と。我々も急激に変えようとはしていませんので。
――買い方の変化はどうでしょうか? ボルボはスマボをはじめとするサブスクなど、輸入車の中でも熱心ですよね。
マーティン:最近はサブスクが流行り始めているものの基本はリースの物が多いですが、我々の商品は“本当”のサブスクです。3か月でもキャンセル可能なので、若い人でも魅力を感じてもらえると思っています。
――更にボルボは今後発売するBEVは「レザーフリー」を発表しました。これもインパクトが大きかったです。
マーティン:現在日本で売られているボルボ車の80%はレザー(本革)で、これは世界的にも高いです。ただ、LCAの観点でCO2削減にはレザーも減らさないと駄目なので、それらを自然環境に優しい物に替えていくチャレンジも同時に進めます。ちなみにレザーフリー素材の進化も著しく、触感などを含めて本革に負けないくらいのレベルになっています。
――皆が求めているけど、替える。その姿勢が凄いと思います。
マーティン:今はそれほどではありませんが、これから急激に変わると思いますよ。高級車=本革ではない時代が確実にやってきます。
――そして、Googleとタッグを組んだインフィテイメントシステムも注目です。
マーティン:日本のナビ文化はある意味独自性が高いですが、今はGoogleを巧みに活用している人が多いです。となると、我々のシステムは優位性があると信じています。
――昨今、繋がるクルマが増えていますが、ボルボのそれは「超」繋がるクルマだと?
マーティン:そうですね。地図データの更新をはじめとするクオリティの高さはもちろん、他の機能も連動可能なので、まさにクルマがハブになるようなイメージです。
――このように見ていくと、この数年でボルボは本当に変わったと思います。以前はどちらかと言うとコンサバの代表(!?)のような感じでしたが、今ではトレンドセッターと言った感じすら覚えます。
マーティン:一度「やる!!」と決めたら早いのが今のボルボです。パワートレインを4気筒だけにした時、「絶対にアメリカが駄目になる」と言われました。180km/hリミッターを決めた時「ドイツでは売れない」と言われました。でも、実際はどうでしょうか? どちらの国でもシッカリと売れています。恐らく電動化に関しても同じだと思っています。ただ、従来のボルボの良さは一切を損なわずに…という所は守らねばいけません。
――つまり、プレミアムブランドは「継承」と「革新」のバランスが重要だと?
マーティン:ボルボは歴史あるブランドですが、今後の時代を生き残るためには変わらなければダメです。そこが今のボルボの強みの1つだと思っています。
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みんなのコメント
他では自分のばかり訴えてきたけど、印象的だった。
販売会社の営業姿勢にもよるだろうけど、ボルボは確かにレクサスと並び接客レベルは高いと思う。