新型コロナウイルスの影響を受け変則的なスケジュールとなったMotoGP2020年シーズンも、ついに終了。最高峰クラスではジョアン・ミルがスズキに20年ぶりのタイトルをもたらした。
2020年シーズンはスズキの戴冠やKTMが3勝を挙げる大躍進、さらに14戦で9人のウイナーが誕生するなど、激動の1年間となった。しかし、そうした良い意味でのサプライズではなく、悪い方面での話題が目立ったのがアプリリアだ。
■イアンノーネに対する4年処分は“信じられない”……エスパルガロ兄「やりすぎだと思う」
彼らは今年始め、レギュラライダーのアンドレア・イアンノーネにドーピング疑惑が浮上。冬季テストからイアンノーネには出場停止処分が下り、シーズンを通じてテストライダーのブラッドリー・スミスが代役を努めることになった。
イアンノーネはスポーツ仲介裁判所(CAS)に控訴したものの、最終的にCASは世界アンチ・ドーピング機関の主張を認め、イアンノーネの出場停止処分が4年間に延長されてしまった。
そのため、アプリリアは2021年シーズンに向けてイアンノーネの後任となるライダーを探す必要に迫られている。
シーズン中はカル・クラッチローやアンドレア・ドヴィツィオーゾといった実力者の名前も取り沙汰されていたが、結局これは実現せず。以降はMoto2クラスのライダーから起用するのではないかと見られてきた。
motorsport.comによる調べでは、VR46チームのマルコ・ベッツェッキが有力候補として浮上していたと見られる。彼は2020年シーズンに2勝を挙げ、最終的にランキング4位となっている。
しかし今やベッツェッキ起用というプランは泡と消えたようだ。VR46チームのチームマネージャーを努めるパブロ・ニエトはDAZNに対し、ベッツェッキへのオファーがあったことを認めたが、チームは彼に対しMoto2残留を望んだという。
「ベッツェッキの将来はここ(Moto2)にある。2021年も、彼は我々と共にレースを戦う」
ニエトはDAZNに対しそう語った。
「彼らはそれ(ベッツェッキの昇格)を試みていた。アプリリアにとって彼と契約することが優先事項であり、マルコが加入することを望んでいたと思う」
「(ベッツェッキは)このカテゴリーにおいてベストな力を持っているライダーのひとりであり、アプリリアは彼のようなライダーを必要としていた」
「我々としては、マルコは来年のMoto2プロジェクトの先頭に立つ男であり、彼も来年チャンピオンシップを争うためにMoto2にとどまりたいと思っていたと思う」
なお来季のアプリリアの布陣について、終盤3戦ではスミスに代わってロレンソ・サヴァドーリが起用されていたにもかからず、同チームCEOのマッシモ・リボラはテストライダーのスミスがレギュラーライダーとして妥当な選択肢だとコメントしている。
スミス以外には、Moto2ライダーのファビオ・ディ・ギャナントニオやアロン・カネットにアプリリア加入の噂があるが、現在はジョー・ロバーツも有力候補となっているようだ。
ポルトガルGP2日目にリボラCEOは、ロバーツがItaltrans Racing Teamと来季契約を結んでいるにもかかわらず、彼が選択肢となっていると認めていた。
なおアプリリアはレース後に行なわれるヘレスでのプライベートテストに向け、ライダー選定につて決断を下すと考えられている。
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