■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ
こんなものがあるとは知らなかった。どんなクルマにもかんたんに装着できる、車載用空気清浄機だ。空気清浄機が家庭やオフィス、ホテルなどで使われているのは、もちろん知っている。でも、クルマ用にも存在していることは知らなかった。そもそも、その理由がわからなかった。
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クルマに乗っている時にはドアや窓を頻繁に開け閉めするし、エアコンだって使っているから、車内の空気を“清浄”する必要性を感じたことがなかったのだ。しかし、車内の空気というのはとても汚いらしい。
「車中の空気は、車外の空気に較べ、15倍も汚れている場合があります」
「渋滞中や信号待ちの車中では、走行中に較べ、空気の質が40%悪化すると言われています」
どちらも欧米の研究機関による証言だ。
想像以上に深刻な車内の空気汚染
また、スウェーデンの空気清浄機メーカー、ブルーエア社によると、車内の空気汚染は深刻だというのだ。他車の排ガス、花粉やPM2.5、乗員の靴の裏に付いて車内に持ち込まれるタイヤ屑や土砂、シートや内装のカビや化学物質などが狭い車内空間に蔓延しているのだと。
さらに関係者によると、それらの汚いものがシートや内装、床などに付いていても、家の中のように頻繁に掃除されない。つまり、掃除されない“ゴミ部屋”でずっと生活しているようなものだと脅かすのである。
おお、コワ~。
でも、たしかに言われた通りだ。部屋を掃除するのと同じ頻度で車内を掃除することはない。たまに掃除すると、シートのクッションとクッションの間やシートの下、床などがスゴいことになっていたりする。
顔を背けたくなるほどのホコリや汚れ、ヒドい場合は食べカスや飲み物をこぼした跡など、眼に見えるものだけでも汚れている。それだけではなく、そこに眼には見えない汚染物質まで含まれている。そこから花粉やPM2.5などをはじめとする様々な汚いものが乗るたびに飛散し、車内を舞っているのだ。狭い空間なわけだから、汚染の濃度も濃い。15倍汚くても不思議はない。
そこで、ブルーエア「Cabin」の出番となる。中型の4ドアセダンに装着して試してみた。設定は簡単だ。画像のように前席のシートの背もたれに後ろ向けにベルクロで巻き付けるように装着し、電源コードをアクセサリーソケットに差し込み、コントローラーで操作する。風量調整の他、オートモードの設定などを行う。
スイッチオンで空気が激変!
また、専用アプリからの操作も可能だ。微細な汚染物質は眼に見えないけれども、このコントローラーとアプリでは、「とてもきれい」から「とても汚れている」まで6段階で車内の空気の状態をリアルタイムで可視化することができるから便利だ。コントローラーの表示は「ふつう」。オートモードで作動を始めると、すぐに「きれい」に変わり、3分後には「とてもきれい」に変わった。
次に、条件を変えてみた。交通量の多い道路を走り、その後にクルマを駐め、シートを手で叩いた。シートに付着しているであろうホコリや花粉などを叩きだすためだ。コントローラーの表示は「とても汚れている」。ホコリが鼻に入ったのだろう、クシャミが止まらない。
その状態からスイッチを入れた。LEDランプが3個白色に点滅し、高速でファンが回転し、汚れた空気を吸い込んで浄化しているのがわかる。吸い込まれた粒子をイオナイザーでマイナスに帯電させ、あらかじめプラス帯電を施したフィルターが静電気で吸着し、クルマ特有の有害物質やアレル物質などを99%除去する仕組みになっている。
2分間ぐらい高速で回っていたファンが中速に変わったと同時に、「とても汚れている」表示が「汚れている」に変わった。さらに中速で2分間回った後に「少し汚れている」に変わり、すぐに「ふつう」に変わった。ファンは低速になり、すぐ「きれい」から「とてもきれい」になった。車内の空気から排ガスの臭いが消え去り、ホコリっぽい感じもなくなった。見事なものである。
ここまでハッキリと車内の空気をキレイにしてもらうと、こちらの認識まで改めさせられる。今までは、走行中に他のクルマの排ガスなどが侵入してきて多少は匂ってもそういうものだと気に留めていなかったし、車内に有害物質やアレル物質などが充満していることなど想像すらしていなかった。
自分はそれほどヒドい花粉症持ちではなかったはずだけれども、春先になってクルマに乗ると、走り出してすぐにクシャミが止まらなくなるのは車内の空気の汚さが原因だったのだ。そう思えるようになった。
車載用空気清浄機の存在価値
仕事仲間のカメラマンも、セキや鼻水が止まらなくなっていたのは、それが理由だったのかもしれない。運転中のクシャミやセキなどは危険以外の何ものでもない。「Cabin」を試してみて、車載用空気清浄機の存在価値が良くわかった。アプリでの操作や空気の汚染度が一目瞭然なのが使いやすくて良い。できれば、本体サイズがもう少し小さなものもラインアップされたら、より多くのクルマで使いやすくなるように思えた。今回試した「P2i」というモデルの本体は幅205x奥行き205x高さ97mm。価格は、公式ストア価格で2万9000円(税抜き)。
これまで、車内の空気の汚れ具合など一時的なものに過ぎないとタカをくくっていた。しかし、花粉に代表されるアレル物質や有害物質などの脅威は、もう無視できない。それを薄々は感じていたのだけれども、ブルーエア「Cabin」が短時間でスッと車内の空気を清浄してくれたのを知ってしまうと、もう後へは戻れない。車内の空気が汚れていては安全運転も脅かされてしまう。
文/金子浩久(モータージャーナリスト)
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