スーパーフォーミュラ第5戦もてぎで、同カテゴリーへのデビューを果たしたニック・デ・フリーズ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。結果は13位完走だったが、そのストイックな姿勢は早くも関係者を驚かせている。
これまでF1やWEC(世界耐久選手権)、フォーミュラEなど、国際的なカテゴリーで戦ってきたデ・フリーズ。初めて日本のレースカテゴリーを戦ったわけだが、チームとの働き方などの点で、日本とヨーロッパでどんな違いを感じたのか?
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「レースの環境という点では、大きく異なる。良いとか悪いという話ではなく、違いがあるということだ」
デ・フリーズはそう語る。
「ヨーロッパでは色々な国の人たちが参加していて、英語が共通語であるのに対して、ここ(スーパーフォーミュラ)は国内選手権だ。F2とF3はF1の裏で開催されるから、プロフェッショナリズムのレベルの高くなっていくけど、それらがサポートシリーズなのに対して、ここでは(スーパーフォーミュラが)メインシリーズだ。ここはマシン、チーム、ドライバーのレベルはとても高いけど、それぞれの分野で違いはある」
今回のもてぎ戦に向けてはサーキットの予習ができないなど、準備不足の中でレースウィークを迎えたデ・フリーズだが、自らチームにオンラインブリーフィングの機会をリクエストし、サーキット入りしてからもチームを“質問攻め”するなど、できる限りの準備を進めてきた。こういった姿勢も、事前の準備が重要なF2での経験が関係しているようだ。
「ヨーロッパではイベントの前後、そして途中の分析という点でより多くのプロセスがあると思う」
「特にF2は走行時間が少ないから、準備とプロセス次第という部分もある。そこが欠けているとチャンスを逃してしまうからね。ただマシンのパフォーマンスという点では、F2よりもスーパーフォーミュラの方がF1への良い準備ができるだろう」
その他、全体的な日本のレース文化の印象について尋ねると、デ・フリーズは特にドライバー間のリスペクトが印象的であったと語った。
「ファンは素晴らしかったし、レースにたくさんの人が来てくれて応援してくれることは本当に心温まることだ。でも僕が言いたいのは、リスペクトのレベルだ。僕にとっては驚きではなかったけどね」
「ドライバーズブリーフィングでは、予選アタックに入る前にお互いが追い抜きをかけないポイントについて、ざっくばらんに議論していた。ヨーロッパだったら常にお互い怒鳴り散らしているのに……ここではドライバー同士のリスペクトのレベルが高い」
「日本の文化として、より礼儀正しく、ルールを守って生活しているのだろう。この週末でスチュワードに呼び出された人がいたということも聞いていない。ヨーロッパではそんなことにはならない。それは向こうでは過剰に規制をして罰する必要のないところまでペナルティを出しているということもあるだろうし、ここよりもリスペクトのレベルが高くないということもあるだろうね」
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