故障・修理 [2024.05.25 UP]
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」4
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」5
ワイパーモーター 脱着時にスピーカーがボロボロになっていたのを発見。どうやら音のビビリはエッジが切れていて、コーン紙が傾いてボイスコイルが当たっていると判断。普通なら高性能なものに交換したいが、ラジオを聴いている限り、この音の明瞭度はスピーカーにあると判断して修復を試みた。30年も前の劣悪環境で使われたスピーカーは復活できるか!
■ Photo&Text Masahiro Kan
SUBARU サンバー 2007年式LE-TV1
SUBARU サンバー 1995年式V-KV3
上が音の出口で真横から見たところだ。スピーカーからは前後ともに同じエネルギーで音波が放出されるが、コーン紙が前に飛び出して空気を押せば、後ろ側は空気を引き込む事になる。低音ほど指向性がなくなるので、フレームを境に出た音が打ち消し合って、結果低音が出なくなるということになる。
スピーカーの特性と箱
家庭で使用するオーディオのスピーカーは間違いなく箱に入っている。
実はここにスピーカーの秘密がある。図はスピーカーの老舗フォステクスカンパニーからいただいた。
どんなに高級ユニットでもスピーカー単体で鳴らしてみると、なんとも情けない音しか出てこない。
仮に同じ口径だとしたら、千円のものと、ウン万円のものでも大差なく情けない音だ。
これはコーン紙が前後してどちらからも同じ音が出ているからで、特に低域は指向性がないのでオモテから出た音と、ウラから出た音が打ち消しあってしまうからなのだ。
コーン紙が前に出れば前面の空気を押し、裏側は空気が引っ張られる。これが同じ音だからたちが悪い。
出た空気がスピーカー脇で裏側から吸われるので、音は消えてしまうことになる。
ということは裏側からの音を遮断すればいいことになる。これが箱(エンクロージャー)の役割なのだ。
図を見てもらえれば理解できると思うが、クルマはどうなっているかというと、後面開放スタイル。
ドアマウントを密閉と解釈もできなくはないが、密閉は完全に空気を遮断して成立するので、無理がある。
KV3は後面開放というより平面バッフルタイプ。小面積だから低音の回り込みは必至だし、ユニットを交換しても高性能化はかなり難しいタイプなのだ。
前後の干渉を受けにくくするためにバッフル板を付け、スピーカー後部のエネルギーを追放する方法。大きくすればするほど低い周波数まで打ち消しあわなくなるので効果は大きいが、そのサイズは小径スピーカーであっても畳サイズとかになるので、カーオーディオとして使うのは非現実的といえる。
後面開放型は無尽蔵に大型化する平面バッフルを折り曲げたものといえる。だが別の問題が発生するのだ。箱型であるために、箱自体が共振周波数を持ち、前面を小さくして箱を長くすると箱がボーボーと鳴ってしまう。カーオーディオではどちらかといえば前後をなんとなく遮断しているだけに過ぎない。
家庭用オーディオの好例としてあるのが密閉型で、スピーカー後部の音を密閉した箱で空気バネのようにしてスピーカーユニットのコーン紙に反発力を持たせたものだ。低音は空気バネによって出にくくはなるが、自由にコーンが動けないおかげで動いたときのレスポンスが非常に良くなるのが特徴だ。
最も家庭用として普及しているだろうバスレフ(バスレフレックス)型はスピーカー後面から放出されるエネルギーのうち不要な部分は箱の内部に吸音材を入れて吸収させ、望んでいる周波数あたりを共鳴管を使って放出させるもの。スピーカー本来が持つ低域性能下限付近の効率を共鳴管によって強調させる。
スピーカー後部にラッパ状のホーンがあり、気道の入り口が狭いので密閉型のように空気バネがあって動きが制約(バックロード)されるが、計算されたホーンによって特定の周波数以下だけが前面に導かれるように作られたもの。小口径スピーカーでも信じられないような低音が確保できるが、箱製作は大変。
SUBARUサンバーを快走仕様!「誰もやらないスピーカー修復」1
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みんなのコメント
当方はハイゼットですが、最悪の音場と割り切って一体型のスピーカーユニットを耳に近い天井に置いています。
それより、最近の自動車に使われている細い配線の方が気になります。