■「窓開けは必要ない」と判断しがちだけど…実はとても重要!
2024年2月6日には大阪府西成区にある南海電鉄高野線の踏切において、電車が通過する直前に下りていた遮断機が上がり、乗用車と電車が接触する事故が起きました。
一方で自動車教習所では踏切手前でのクルマの「窓開け」を指導されますが、実践しているドライバーはほとんどいません。
今回の事故により、踏切前の窓開けが注目されています。
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前述の南海電鉄は、電車の通過前に遮断機が上がるトラブルが過去10年間にほかにも2件発生していたと明らかにしています。
SNSではこの事故に関して「危なすぎる。こんなことあるんだ」という驚きの声のほか、「遮断機を信じて発進してしまうの分かります」「まさか遮断機が上がってから電車来るとは思わないよな…」など乗用車に同情する声も多く聞かれました。
さらに同様のトラブルは他の鉄道会社でも確認されており、香川県の高松琴平電気鉄道では2023年7月、警報機と遮断機が作動しないまま列車が通過する事案。
JR四国徳島線でも2023年8月に遮断機が下りない状態で列車が通過する事案などが起きています。
このようなトラブルは遮断機の部品の老朽化や配線工事のミスのほか、落雷による故障などさまざまな原因で発生しており、意外にも珍しいことではありません。
その一方で、運転免許を取得する際には多くの人が自動車教習所に通います。
自動車教習所においてはさまざまな知識・運転技術を学ぶものの、乗車前の安全確認や縦列駐車など、実際の運転現場ではあまりおこなわれていないものも存在します。
そのひとつとして、踏切の手前で一時停止をした後の「窓開け」があります。
この窓開けは、踏切に電車が近づいてきていないかを目視や音で確認する方法として広く知られています。
しかし踏切の通過方法については道路交通法第33条第1項および第2項で次のように規定されており、窓開けに関しては明記されていません。
ーーー
●第1項
車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。
ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。(条文を一部抜粋)
●第2項
車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間または踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入ってはならない。
ーーー
つまり踏切の手前で安全確認をする必要はあるものの、窓開けは法律上の義務ではないということです。
では、なぜ多くの自動車教習所で窓開けを推奨しているのでしょうか。
まず理由の一つとして、窓開けが国家公安委員会の告示「交通の方法に関する教則」に規定されていることが挙げられます。
交通の方法に関する教則は、歩行者と車両の運転者がそれぞれ取るべき交通ルールやマナーなどを記載した手引きであり、第6章「危険な場所などでの運転」の第1節「踏切」の項目では、踏切の通過方法について次のように説明しています。
「踏切を通過しようとするときは、その直前で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません。(文章を一部抜粋)」
自動車教習所ではこの教則をもとに指導をおこなっているため、踏切前での安全確認方法として窓開けが広まったといえるでしょう。
また、踏切での接触事故がたびたび発生していることも窓開けを推奨する理由といえます。
軽視されがちな窓開けですが、目と耳で周囲の安全確認をすることは事故防止の観点から非常に重要といえるでしょう。
※ ※ ※
踏切手前での窓開けは法律上の義務ではないものの、列車との衝突を防止するために有効な手段といえます。
そのほか踏切の向こう側が混雑しているときは踏切に入らない、踏切で落輪しないよう走る場所に注意するといった点を意識することも大切です。
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止まるけど確認しないで走り出す人が大杉