大変動のシーズン? チーム状況を振り返る
メルセデスAMGの長年に渡る支配も、2021年のフィナーレをめぐる騒動も、そして何よりもF1ドライバーたちが互いに追いつき、追い越すことにしばしば困難を感じていることも一旦忘れよう。なぜなら、この2022年はF1が半世紀ぶりに大きな変化を遂げるシーズンだからだ。
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マシンのエアロダイナミクス規定の変更により、コンセプトがオーバーボディからアンダーボディのグランドエフェクトに移行した。この大幅な設計変更は、2014年以来初めての、競争順位を劇的に変化させるチャンスだと期待されている。
ここでは、3月20日にバーレーンで開催される2022年シーズンの開幕戦を前に、各チームの新車発表順に、現在の状況を紹介する。
ハース(2月4日)
2021年シーズンのハースは、決して自慢できるような結果には至らなかったが、少なくともルーキードライバーのミック・シューマッハとニキータ・マゼピンに貴重な経験を与えることができた。まったくの大失敗、というわけではないだろう。
ミハエルの息子がオリガルヒの息子を打ち負かしたのは予想通りだが、マゼピンが尊敬の念を一片でも得ようとするならば、単純にペースの差を抑えなければならない。ペースはハースチームにとってさらに重要な要素である。2022年型マシンがポイント獲得に失敗すれば、その名を冠したオーナーもタオルを投げ捨てることになるだろう。
レッドブル(2月9日)
メルセデスAMGは、ターボハイブリッド時代を他のチームとはまったく異なる次元でスタートさせ、ライバルが同レベルに達するまで丸8年を要したが、それを成し遂げたのが強豪レッドブルである。成功を冴えたのはホンダのパワーユニット(PU)だが、ホンダは奇しくもF1からの撤退を決めたため、今年のダークブルーのマシンにその名はつけられていない。
幸い、今年はHRD Sakuraが移行期間としてレッドブル(と兄弟チームのアルファタウリ)にエンジンを供給し、その後ミルトンキーンズに生産を引き継ぐ予定だ。空力ルールの変更を最大限に活用できるのはエイドリアン・ニューウェイ(デザイナー)であることは間違いないだろう。そのため、新たに世界王者となったマックス・フェルスタッペンと彼の「防衛大臣」セルジオ・ペレスのコンビが再びトップに立つことを期待したい。
アストン マーティン(2月10日予定)
アストン マーティンにとっての2021年は、レーシング・ポイントから受け継いだシャシーが空力ルールの変更により弱体化し、中団チームの尻尾をつかむのに苦労したデビューシーズンだった。しかし、アゼルバイジャンGPでセバスチャン・ベッテルが初表彰台を獲得するなど、明るいニュースもあった。
4連覇を達成したベッテルとそのファンは、アストン マーティンが競争力を発揮し(最終目標はタイトル)、彼の遺産をめぐる疑問を払拭してくれることを期待している。チームメイトは再びランス・ストロールだが(おかしなことに)、チーム代表は長年にわたって貢献してきたオトマー・サフナウアーから元BMWザウバーのチーフエンジニア、マイク・クラックに交代している。
マクラーレン(2月11日予定)
マクラーレンは、モンツァにおけるダニエル・リカルドの活躍により、9年間続いた惨めな状況にようやく終止符を打った。若手ドライバー、ランド・ノリスも初優勝を飾るはずだったが、ソチの天候に対する戦略を誤ってしまった。そして、レースの裏側では深刻な財政難に苦しめられていたはずだが、ザク・ブラウンと彼のチームが賞賛されているのは明らかである。
今シーズンは、さらにその上を行くのだろうか。アルピーヌ、アストン マーティン、フェラーリといった中団の巨匠たちとともに、マクラーレンは再び激しい戦いに身を投じようとしている。
アルファタウリ(2月14日予定)
レッドブルのジュニアチーム(失礼、兄弟チーム)であるアルファタウリは、2020年のモンツァにおけるピエール・ガスリーの素晴らしい勝利が偶然ではないことを証明し、年間を通じて次々とポイントを獲得、時には上位の好タイムを記録した。ミナルディとして誕生した気骨のあるチームがこの調子でいけると願わないF1ファンはいないだろう。
レッドブルから降格したガスリーはまだ燃え尽きていない。しかし、角田裕毅はホンダのマーケティングツールというレッテルを貼られないために、そしてシートを維持するために、より速く、より安定した走りを見せなければならないだろう。
ウィリアムズ(2月15日予定)
ウィリアムズ家ではなく、米国の投資会社の管理下で新たな人生を歩み始めた昨年は、長らく栄光の陰で枯れていたチームにとって分岐点となる年だった。そして、一貫して素晴らしいパフォーマンスでいくらか自信をつけた青年ジョージ・ラッセルは、ブルーのマシンを降りてシルバーアロー(メルセデス)へ乗り換えた。
ほぼ無名のニコラス・ラティフィと並ぶ彼の後任は、才能あるアレキサンダー・アルボンで、リザーブからの復帰を果たすことになる。新たな大金を背景に、2022年のウィリアムズはより良いポジションにつけると期待されている。
フェラーリ(2月17日予定)
ターボハイブリッド時代の初期にはタイトル争いの部外者とされ、散発的に勝利を収めてきたフェラーリ。現在は1990年代初頭以来とも言える「干ばつ」に見舞われ、静かに衰退しつつある。
シャルル・ルクレールは優勝経験があり、カルロス・サインツJr.は信頼性の高いドライバーとして活躍している。しかし、スクーデリアは約束通りトップの座に返り咲くことができるのだろうか?イタリアメディアの怒りとブランドへのダメージは、十分すぎるほどの動機となるはずだ。
メルセデスAMG(2月18日予定)
メルセデスAMGがF1界をリードし続けることに賭けるのはおすすめしない。過去8年間、メルセデスAMGは非常に大きな成功を収めており、そのPUはグリッド上で最速と言っても過言ではない。しかし、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンの手から8度目のタイトルを奪い取った騒動について、チームはまだ不公平感に苛まれているようだ。
もう1台のシルバーアローでは、ジョージ・ラッセルが大きな役割を担う。隠れる場所はないだろうが、しかし、彼に隠れる必要があるとは思えない。
アルピーヌ(2月21日予定)
かつてルノーと呼ばれていたチームには疑問の声が上がっていた。しかし、ハンガリーGPではフェルナンド・アロンソが40歳という年齢を感じさせず、かつての宿敵ルイス・ハミルトンを何周も抑え、若いエステバン・オコンに十分なスペースを与えて優勝を飾った。
フランス人ドライバーが、フランス製エンジンを搭載したトリコロールカラーのフランス製マシンで走る。2022年にはこの成功をさらに発展させることが期待されており、アロンソもまだタイトルへの貪欲さを失っていない。全力を尽くして表彰台に上がろうとするだろう。
アルファ・ロメオ(2月27日予定)
アルファ・ロメオ・レーシングは、実はザウバーである。ドライバーのラインナップは間違いなく改善され、「アイスマン」と呼ばれたキミ・ライコネンは、メルセデスから移籍した真面目なバルテリ・ボッタスに交代。その隣には今シーズン唯一のルーキーであり、中国人初のF1ドライバーである周冠宇(ジョウ・グアンユー)が並ぶ。
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